Citrix パフォーマンス・テストは、同期メカニズムを使用して、サーバーのパフォーマンスとは無関係に、複数の Citrix セッションでテストを再生します。
以下のガイドラインは、信頼性のあるテストを記録し、テストの実行中に同期タイムアウトを回避するために役立ちます。
Citrix クライアント環境が稼働しており、Citrix サーバーに接続できることを確認してください。IBM® Rational® Performance Tester は、Citrix サーバーへの接続で、Citrix Online Plugin 12.3 および Citrix Receiver 3.3 をサポートしています。サポートされるプラットフォームの詳細については、IBM TechDoc を参照してください。
最も効率の良い記録方法は、公開済みのアプリケーションまたはサーバーを記録ウィザードで指定することです。ログイン・シーケンスをテストの一部として記録するのではなく、ログイン資格情報をウィザードで指定することをお勧めします。
記録中のセッションが再生可能であることを確認してください。 確実に再生可能なテストを記録するには、以下のガイドラインに従ってください。
- 記録済みセッションの実行中にファイルを保管すると、テストを再生したとき、一部のアプリケーションではファイル名が既に存在しているという警告が作成されることがあります。
記録済みセッション内に警告がなかった場合、テストが中断され、同期タイムアウトの原因となることがあります。
- Citrix テストの記録中にマウス・ホイールを使用してスクロールしないでください。
マウス・ホイール・イベントは記録されず、実行が同期タイムアウトになります。
- 回避できる警告、記録されないウィンドウやダイアログ・ボックスを予測して、それらの状況に備えてください。 例えば、記録中にファイルを保管する場合、再生中にテストにより同じファイルの保管が試行されます。 このファイルは初期記録時には存在しない可能性がありますが、記録後には存在します。 保管の試行により、上書きの警告が生成され、同期タイムアウトが発生します。
- アプリケーションの最初の開始時には、表示される警告、ウィンドウ、およびダイアログ・ボックスを使用不可にするかオフにします。 これらのアイテムは記録時に収集されますが、以降のアプリケーション開始時には表示されない場合があります。 これにより、同期タイムアウトが発生します。
- パフォーマンス・テスト専用のテスト・ユーザー・アカウントを使用してください。 同期タイムアウト後にアプリケーション・ウィンドウの外部で予想不能なマウス・イベントが発生した場合に、ユーザー・アカウントが原因で問題が発生する可能性が最小になるようにしてください。
- 新規のメール通知や自動更新、日常の連絡などの予測不能なウィンドウ・イベントを最小限にするように、テスト・アカウントおよびアプリケーションをセットアップします。 可能な場合は、拡張可能メニューおよび吹き出しテキストのツールチップを使用不可にします。
- Citrix テストの記録と再生に使用するすべてのコンピューターで、同じ内部設定と文字セットが使用されるようにします。 ロケールが異なると、一部の文字が使用不可になったり、キーボード入力が非互換になる場合があります。
- アプリケーションをデスクトップから起動するには、クイック起動バーまたはデスクトップ・ショートカットを使用するか、を選択して、アプリケーション名を入力してください。 「お気に入り」、「最近使ったファイル」、その他の動的メニューのような変更される可能性のある場所から、アプリケーションを起動したり、ファイルを開いたりしないでください。
- 「スタート」メニューのようなカスケード・メニューを使用する場合は、サブメニューが表示されるまでいつも少し時間がかかります。 記録を終え、
テストを編集するときには、生成されたマウス・シーケンスを調べ、正しいパスをたどってサブメニューを表示していることを確認してください。
- テストを記録する場合、ウィンドウまたはダイアログ・ボックスを使用する前に、エレメントをクリックしてフォーカスさせてから入力します。
- アプリケーションが使用中であるとき (例えばマウス・カーソルが砂時計になっているとき) は、マウスを使用したり他の操作を実行したりしないでください。
- セッションを記録した後、終了する前にユーザー入力が必要なアプリケーションもあります (例: 変更の記録など)。 これにより、セッションの終了時とテストの実行開始時でのアプリケーションの状態に矛盾が発生することがあります。 問題を回避するには、セッションの記録の終了時に、すべてのアプリケーションを手動で閉じ、「Citrix レコーダー」ウィンドウから「停止」または「閉じる」をクリックしてセッションを確実に終了させてください。メニューは使用しないでください。
- テスト・ログの転送が完了しない、仮想ユーザー数が減少した場合に Citrix Online Plugin または Citrix Receiver が異常終了して Citrix プロセスが残ってしまう、などの問題を発生させることなく長期スケジュールを実行するには、「中断不能な反復」チェック・ボックスをループ用に選択する必要があります。このオプションを使用する場合は、要件に従い、スケジュールの「ユーザー・ロード」タブの「停止要求へのユーザー応答の制限時間」の値を増やす必要があります。
記録を終え、テストを編集するときには、単一ユーザーでのテストを検証するために、
通常の検査を実行することが重要です。 実行するたびにテスト・ログを開き、
テストが正しく同期されていることを確認してください。 必要に応じて、不必要なタイムアウトを発生させるウィンドウ・イベントまたはイメージの同期のレベルを「必須」から「条件付き」、または「条件付き」から「オプション」へ変更します。
仮想ユーザーへのテストのデプロイやスケジュールによる実行は、テストが堅固なものになり、単一ユーザーでまったく問題がない場合にのみ行ってください。
Rational Performance Tester Agent の要件
Rational Performance Tester Agent をインストールすると、エージェントはデフォルトでサービスとして開始されます。エージェントを Citrix 記録用に使用するには、エージェントをプロセスとして実行する必要があります。Windows の場合は、「Windows サービス」を開きます。MajordomoService が「自動」スタートアップに設定されている場合は、「手動」に設定し、MajordomoService を停止します。これで、Rational Performance Tester Agent のインストール・パスにある Majordomo フォルダーを開き、Majordomo.bat をダブルクリックすることができます。
光学式文字認識
イメージの同期化を実行するときに、光学式文字認識を使用することができます。これにより、画面区域の内容を認識することで、テスト自体を同期できます。 場合によっては、ソフトウェアがテキストまたは文字の部分を正しく認識できないことがあります。
光学式文字認識の結果を向上させるには、以下のガイドラインに従います。
- テキストが背景からはっきりと分かれるように、なるべく高いコントラストの画面区域を使用します。
- テキスト域に同一のフォント・サイズ、スタイル、および色を選択します。
テキストのスタイルが混合すると、よい結果が得られません。
- 「OCR 言語 (OCR language)」、「OCR ズーム係数 (OCR zoom factor)」、「OCR 輝度 (OCR brightness)」、「OCR 認識率 (OCR recognition rate)」、またはイメージ同期テスト・エレメントの設定を変更してみてください。 これらの設定のデフォルト値は、ウィンドウで変更できます。
- テキスト認識が矛盾するため、テストによってイメージ同期タイムアウトが生成される場合、テスト・ログで「イメージ同期」ビューを開き、「値の追加」ボタンをクリックして認識されないテキストを代替同期値として追加します。
- 場合によっては、光学式文字認識の代わりにビットマップ・ハッシュ・コード・メソッドをイメージ同期に使用する方が効率的であることがあります。
光学式文字認識を使用してイメージ同期を記録するときには、認識されるテキストの正確性はそれほど重要ではありません。 重要なのは、テストの同期のためにテストが実行されるたびに、認識されるテキストに整合性があることのみです。 例えば、テキストの一部が「Hello」と画面に表示され、これが記録されたテストでは「He110」と認識された場合、イメージ同期テスト・エレメント内の値を訂正する必要はありません。これは、テストの同期のためにテストを実行しても同じ結果になるためです。
長期テスト実行
24 時間を超える長期テスト・スケジュールを実行する場合は、Citrix クライアントでのリソース消費を削減するため、長期実行モードを使用します。 このモードでは、テストが複数のプロセスで実行されるため、長期テスト実行の信頼性が向上します。 スケジュール内のユーザー・グループごとにこのオプションを使用可能にする必要があります。
長期実行モードでは、仮想テスターごとに新規プロセスが作成されます。