仮想化環境では、負荷生成能力が、スループット、CPU 使用率、
および測定精度に対して大幅に低下する可能性があります。例えばクラウド環境では、応答時間測定は、データ・センターのロケーション、ホストのタイプ、
エージェント仮想マシンの存続期間などの要因に応じて変化する可能性があります。すべての要因を IBM® Rational® Performance Tester によって制御できるわけではないため、
毎回正確な応答時間を測定することは困難です。しかし、信頼できるコントロールに対して、報告された測定の統計的比較を行うことができます。
重要: クラウド実行では、このトピックで説明されているコントロール技法を使用して測定結果を監査することが非常に重要です。
IBM Rational Performance Tester では、次の 2 つのオプションが報告された応答時間の正確性を監査するために用意されています。
- 応答時間の測定精度のために、既知の固定された遅延時間を不明な応答時間に適用し、既知の正常値からの偏差を「代理」として監視する。
- 危険にさらされていなく、制御され、並列に実行されるエージェント仮想マシンに全負荷の一部を分散し、偏差を測定する。
最初のアプローチは、クラウド・スケジュールに監査テストを自動的に生成します。すべてのコントロールで監査テストを実行する場合は、追加の監査ユーザーを割り当ててエージェント・ロケーションを読み込みます。これらの監査ユーザーは、テスト中のシステムに負荷をかけない「ダミー」です。ウィザードの「ステージ (Stage)」ページに入力する際は、これらのユーザーを考慮する必要はありません。
二番目のアプローチは、コントロール・エージェントを専用のコンピューターで実行することが想定されているため、測定精度の監査に推奨します。ベア・メタルでプロビジョンされるコントロール・エージェントでは、インターネットの待ち時間や輻輳は、同じデータ・センターの他のクラウド・エージェントと同じになります。そのため、違いは CPU 使用率、メモリー、およびネットワーク・インターフェース・カードによるもののみとなります。
注: - クラウド・ベースのコントロール・エージェントは、データ・センターや物理ホストの処理能力のボトルネックを検出できません。
コントロール・エージェント用にオンプレミスのロケーションを使用することを検討してください。オンプレミスのコントロール・エージェントでは、インターネットの待ち時間や輻輳などが応答時間に影響します。コントロール・エージェントの仮想ユーザーの数は、
測定を監査するための十分なデータ (一般的には、全キャパシティーの 10% から 20%) を確保できる程度に少なくする必要があります。負荷は、キャパシティーの 30% 以内である必要があります。しかし同時に、ステージごとに十分な統計サンプル (一般的には、対象となるカウンターごとに 100 サンプル) を取得できるだけのユーザー数が必要です。
注: 一部のユーザー・グループの「グループ・サイズ」のパーセントが低いと、
テストを実行するコントロール・ユーザーの数は少なくなります。しかし、より長いステージ期間を実行して各ユーザーのサンプルをより多く取得することで、減少を埋め合わせることができます。