クラウド・スケジュールの作成

パフォーマンス・テスト用にユーザー・ロードの規模を拡大したいが、物理コンピューターに投資できない場合は、クラウドで実行するスケジュールを作成することができます。

始める前に

このタスクについて

クラウド・スケジュールを実行するコストは、スケジュールが実行される仮想テスター時間数に基づいてます。そのため、クラウド上で実行する負荷の規模を拡大する前に、ローカル・スケジュールを作成してデフォルトの 5 ユーザーで実行し、エラーがあれば修正しておくことを検討してください。

SoftLayer でスケジュールを実行する際は、エージェント仮想マシンに使用されるデータ・センターのロケーションとホストのタイプが、応答時間の測定に影響します。例えば、共有ハイパーバイザーを使用するエージェント仮想マシンでスケジュールを実行する場合は、他のゲスト・オペレーティング・システムもハードウェアのリソースを消費しています。このアクションは、応答時間の測定に影響を及ぼす可能性があります。

同様に、VMware のセットアップでは、IBM® Rational® Performance Tester 用に仮想マシンがプロビジョンされているホスト・マシンには、同じリソース・セットを使用するその他の仮想マシンが含まれている場合があります。このシナリオも、応答時間の測定に影響することがあります。

スケジュールの応答時間の正確性を検査するには、別のロケーションにあるコントロール・エージェント上で、ごく少数の仮想ユーザーを実行します。実行後にレポートを比較して、応答時間の正確性を検証できます。結果がほぼ同じ (おそらく互いに 10% 以内) であれば、負荷エージェントによって報告された応答時間が正確であると確信できます。

コントロール・エージェントによるアプローチを使用するための物理ハードウェアがない場合は、「固定遅延測定監査をすべてのロケーションで実行」オプションを使用できます。このアプローチでは、エージェントで仮想テスターを 1 つ追加して、おそらく 800 ミリ秒の遅延アクションを実行します。スケジュール実行が完了したら、適用された遅延時間を使用してスケジュール実行の長さを測定し、応答時間の正確性を確認します。遅延時間が 1 秒を超える場合は、そのエージェントに負荷をかけている仮想テスターからの応答時間の正確性はおそらく信頼できません。

手順

  1. 「テスト・ナビゲーター」ビューで、ローカル・スケジュールを右クリックし、「スケジュールのスケール」をクリックします。
  2. 「以下の規模に拡大」フィールドに、ローカル・スケジュールで指定された仮想ユーザーの数がデフォルトで表示されます。ユーザー・ロードを拡張するには、より高い値を指定します。
  3. ローカル・スケジュールで指定されたロケーションを保持するには、「既存の固定ロケーションを除去」チェック・ボックスをクリアします。 ローカル・ロケーションとクラウド・ロケーションの両方でクラウド・スケジュールを実行するには、このチェック・ボックスを選択します。「既存の動的ロケーションを除去」チェック・ボックスは、既に作成されたクラウド・スケジュールから「スケジュールのスケール」ウィザードを起動した場合にのみ有効になります。
  4. 次のようにして、クラウドにあるエージェントのロケーションを指定します。
    1. 「動的ロケーションの追加」で、「行の追加」アイコン 「行の追加」 をクリックし、「新規追加」または「既存から追加」をクリックします。
    2. 「新規追加」をクリックした場合は、新規ロケーション・テンプレートの名前を指定して「完了」をクリックします。「既存から追加」をクリックした場合は、ロケーション・テンプレートを選択して「OK」をクリックします。 1 つのスケジュールに複数のロケーション・テンプレートを追加できます。
    3. 「追加する番号」列で、各ロケーション・テンプレートのエージェント数を追加して「次へ」をクリックします。
  5. 応答時間の正確性のために固定された遅延期間を実行に適用するダミー・テストを作成するには、「固定遅延測定監査をすべてのロケーションで実行」チェック・ボックスを選択します。
    1. ダミー・ユーザー・グループに負荷をかけるには、ユーザー数を指定します。
    2. ユーザー・グループに追加されるテストの名前を指定し、応答時間の正確性が測定されるまでの時間間隔を指定します。
  6. 応答時間の精度を確保できるように、特定の数のユーザーをコントロール・エージェント上で実行するには、「コントロール・エージェントで一部のロードを適用」チェック・ボックスを選択します。
    1. コントロール・エージェントで実行するユーザーの数を指定します。
    2. コントロール・エージェントを実行する場所を指定し、「次へ」をクリックします。
  7. ユーザー・ロードを分散して適用するには、「ステージを生成」チェック・ボックスを選択します。
    1. ローカル・スケジュールにある既存のステージをクラウド・スケジュールに追加するには、「既存のステージに付加」チェック・ボックスを選択します。
    2. 最初のステージで初めに負荷をかけるためのユーザー数、ステージ数、ステージごとに増加させるユーザー数、各ステージの実行期間、各ユーザー変更に適用する遅延時間、および目的のユーザー数に到達した際に適用する遅延時間などのパラメーターを指定します。さらにステージを追加するには、「追加ステージ」をクリックし、パラメーターを再度指定して、「次へ」をクリックします。
  8. クラウド変換オプションを指定し、「完了」をクリックします。 クラウド・スケジュールが作成されます。
    1. 「基本名」で、クラウド・スケジュール名の接頭辞を指定します。
    2. 異なるプロジェクトにクラウド・ロケーションを格納するには、「生成済みロケーションの保存先」にパスを指定します。 デフォルトでは、クラウド・ロケーションは現在のプロジェクトに保存されます。
    3. クラウド・ロケーションが上書きされないようにするには、「CLOUD_ROLE プロパティーに以下の値を含むロケーション」チェック・ボックスを選択してプロパティー値を指定します。 プロジェクトのクラウド・ロケーション・アセットで、CLOUD_ROLE プロパティーが使用可能です。
    4. ローカル・エージェントで実行するように指定されているユーザー・グループがクラウド・エージェントで実行されないようにするには、「名前に以下の値を含むユーザー・グループ」フィールドにそのユーザー・グループの名前を指定します。これらのユーザー・グループで固定数の仮想ユーザーを実行するには、「固定仮想ユーザー・カウント」を選択します。
    5. ローカル・スケジュールにユーザーの絶対数が設定されたユーザー・グループがある場合、そのスケジュールをクラウド環境で実行するように調整する際に、そのユーザー・グループのユーザー数をロケーションの数に比例してサイズ変更するには、「ロケーション数の変更に応じて固定仮想ユーザー・カウントを調整」チェック・ボックスを選択します。

タスクの結果

「スケジュールのスケール」ウィザードの一環として作成したロケーション・テンプレートとエージェント数が「テスト・ナビゲーター」ビューに表示されます。「固定遅延測定監査をすべてのロケーションで実行」オプションまたは「コントロール・エージェントで一部のロードを適用」オプションを使用した場合、新規ユーザー・グループがクラウド・スケジュール・エディターに表示されます。

次のタスク

これでクラウド・スケジュールを実行できるようになりました。クラウド・スケジュールの実行を参照してください。

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