コミュニティー

コミュニティー とは、ユーザーが、関係するアセットのグループを取り扱う環境のことです。 コミュニティー内には、様々なタイプ、カテゴリー、関係、レビュー・プロセスを持つアセットが含まれています。 コミュニティー管理者は、コミュニティーに対するさまざまなレベルのアクセス権限を設定するために、ユーザーおよびユーザー・グループにロールおよびアクセス権を割り当てます。

コミュニティーは、IBM® Rational® Asset Manager 内のアセットおよびユーザーに関する最高レベルの組織です。 これは、アセットのタイプのコレクションをグループ化するための最も基本的な方法です。 各アセットは、アセット・タイプにかかわらず、コミュニティーに属していなければなりません。

コミュニティーは、ユーザー、およびそれらのユーザーに割り当てられたロールおよびアクセス権、ユーザーのアセット、およびアセットをレビューおよび統括管理するためのプロセスからなります。 コミュニティー管理者はアセット、ロール、特権、およびレビュー・プロセスを管理して、ユーザーがリポジトリーを効率的に使用できるようにします。 コミュニティー管理者のロールについて詳しくは、コミュニティー管理者を参照してください。

コミュニティーが制御する対象

すべてのアセットはコミュニティーに属しているため、コミュニティーはリポジトリーの以下の側面を制御します。

ユーザーおよびユーザー・グループのロール:
ロール とは、ユーザーまたはユーザー・グループに対して管理者が割り当てる、コミュニティーに関するアクセス権の集合のことです。 例えば、組み込みアセット作成者のロールが割り当てられているユーザーは、アセットを検出、ダウンロード、および作成できます。 個々のユーザーに複数のロールを割り当てたり、コミュニティーごとに異なるロールを割り当てたりすることができます。ロールについて詳しくは、ロールとアクセス権を参照してください。
個々のユーザーのロール:
コミュニティー内のユーザーのために適切なロールを構成した後で、リポジトリーの個々のユーザーにそれらのロールを割り当てることができます。
一般ユーザーのロール:
コミュニティーのロールを次の 2 つの一般グループに割り当てることができます。
  • すべてのユーザー: このグループを使用して、Web クライアントを使用するすべてのユーザーに、サインインしているかどうかを問わず、ロールを割り当てることができます。例えば、すべてのユーザーがコミュニティー内のアセットの検索結果を見られるようにすることができます。
  • サインイン・ユーザー: サインイン・ユーザー・グループを使用して、リポジトリーにサインインしているすべてのユーザーにロールを割り当てることができます。
ユーザー・グループとグループのロール:
多数のユーザーに同じロールを個別に割り当てる代わりに、ユーザーをユーザー・グループにまとめて、そのグループにロールを割り当てることができます。 例えば、アセット・レビューアー・グループを作成することができます。 ユーザー・グループ内のすべてのメンバーには同じロールが割り当てられます。 1 人のユーザーを同一コミュニティー内の複数のユーザー・グループに所属させることができます。 LDAP 認証を使用している場合、LDAP グループからユーザー・グループを動的に生成することができます。
コミュニティー内のアセットのみに関するアセット・タイプおよびカテゴリー:
すべてのコミュニティーは、リポジトリー全体について定義されたアセット・タイプおよびカテゴリー・スキーマを使用できます。また、コミュニティー管理者はアセット・タイプおよびカテゴリーを変更したり、そのコミュニティー内のアセットについてのみ使用可能なアセット・タイプおよびカテゴリー・スキーマを作成したりできます。 コミュニティー固有のアセット・タイプまたはカテゴリーの作成について詳しくは、コミュニティー・アセット・タイプの作成および コミュニティーのカテゴリー・スキーマの作成を参照してください。
アセット開発を管理および統括管理するためのライフサイクル:
ライフサイクルを使用して、アセットのレビュー・プロセスを管理できます。 ライフサイクルを使用して、ドラフトまたは承認済みなどの、アセット開発のさまざまな段階に関するライフサイクル管理者およびレビューアーを定義します。 ポリシーを定義し、それを使用して、アセットを統括管理するためのさまざまな条件をテストできます。 例えば、あるアセットが特定のタイプの成果物を備えている場合にのみ、そのアセットが承認されるようにすることができます。 詳しくはカスタム・ライフサイクル・プロセスの作成およびライフサイクルのポリシーを参照してください。
外部ツールとの統合
コミュニティーを以下のツールに関連付けて、製品の機能を拡張することができます。
  • IBM Jazz™ サーバー (IBM Rational Team Concert または IBM Rational Requirements Composer など)。 Jazz サーバーと関連付けることにより、Rational Asset Manager コミュニティー内のフォーラムを介した障害または機能拡張などに関する、サーバー上のリソースへのリンクを追加できます。 アセット・タイプの属性として、Jazz サーバー上のリソースへのリンクを追加することもできます。例えば、リリース・タイプのアセットの場合、現行リリースの機能拡張を追跡している Rational Team Concert サーバー上の計画項目リソースにリンクすることができます。
  • IBM Rational ClearQuest® などの変更管理サーバー: 変更管理サーバーに関連付けると、あるコミュニティーのすべてのメンバーは、Rational Asset Manager フォーラムを使用してアセットに関する問題を報告できます。 詳しくは、Rational ClearQuest との統合を参照してください。
  • IBM WebSphere® Service Registry and Repository: WebSphere Service Registry and Repository (WSRR) に関連付けると、Web サービス成果物または他のビジネス・オブジェクトを備えたアセットを WSRR に公開できます。また、WSRR 内の特定のオブジェクトに関して Rational Asset Manager 内にリモート・アセットというレコードを作成することもできます。 ライフサイクルを使用して、このプロセスを動的に管理できます。 詳しくは、WebSphere Service Registry and Repository との統合を参照してください。
  • IBM Tivoli® Change and Configuration Management Database (CCMDB): Rational Asset Manager を使用して、確定版ライブラリーの一部としてソフトウェアまたはメディアのアセットを CCMDB に保管できます。

コミュニティーを作成すべきとき

コミュニティーは、以下の理由で作成することができます。
  • 会社の組織構造に合わせるため: 社内の各部門には、リポジトリー上のアセットに関する固有のコミュニティーおよび要求を含めることができます。
  • リポジトリーの成長を適切に管理するため: コミュニティー内のロールおよびアクセス権を使用して、ユーザーが検出および使用できるアセットの数を制限すると、リポジトリーの使用可能度が高くなります。
  • 個々のプロジェクトを管理するため: 単一プロジェクトに基づくコミュニティーを作成することができます。このコミュニティーは、そのプロジェクトに関するすべてのアセットおよびユーザーからなります。
  • 再使用可能アセットに関する共通のロールおよび共通の必要性を備えたユーザーをグループ化するため: 組織構造に適合したコミュニティーを作成する代わりに、別の部門に所属するが類似のロールを割り当てられたユーザーをグループ化するためにコミュニティーを作成することができます。 例えば、すべての部門内のすべてのソフトウェア開発者のためのコミュニティーを作成して、それらの開発者が容易に連絡し合って再使用可能アセットを共有できるようにすることができます。

コミュニティーを作成すべきでないとき

コミュニティーを作成する前に、それを管理するリソースを用意しておく必要があります。 ロールを割り当て、アセットのライフサイクルを作成および管理し、各コミュニティーのカスタム・アセット・タイプおよびカスタム・カテゴリーを作成するための継続的な管理コストが大きな負担になることがあります。


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