Rational Asset Manager の利用におけるシナリオ

IBM® Rational® Asset Manager には、ハイレベルの編成を行うために使用できる数多くのリポジトリー使用モデルがあります。

組織では、作業プロセスを構造化して保守する際、リポジトリー使用モデルを利用します。 これらのモデルを組織でどのように採用するかは、組織がワークフローおよびプロセスの改良に求めている形式性および細かさのレベル、組織の成熟度、関与する人員や部門、および資金の割り振り方法によって変わります。 以下の各例で、Rational Asset Manager で使用できるモデルについて説明します。

カタログ

注: このモデルは通常、警備組織、銀行業、および保険業で使用します。
カタログ・モデルの場合、ユーザーはリモート・ファイル (成果物) への参照を含むアセットを使用します。 ユーザーは、成果物をその元の場所に置いたまま、Rational Asset Manager を使用して参照先の成果物を見つけ、再利用します。 ユーザーは、リモート・アセットを以下のロケーションに保持できます。 このモデルのバリエーションとして、ビジネス・プロジェクトで使用する外部リソース (例えば Web サイトや wiki ページ) に成果物をリンクする場合があります。

ナレッジ・マネージメント

注: このモデルは通常、システム・インテグレーターが使用します。

ナレッジ・マネージメント・モデルの場合、ユーザーは IBM Rational Method Composer および Rational Asset Manager を使用して、ベスト・プラクティスおよびプロセスを編成し、アセットを完全なプロセス・フローに関連付けます。 組織によっては、この使用モデルのアセットに補足して、Rational Asset Manager のアセットの説明にトレーニング用のビデオを組み込み、プロセス定義とアセット参照を統合する場合があります。

ビジネス・インテリジェンス

注: あらゆる種類のお客様がこのモデルを使用します。

ビジネス・インテリジェンス・モデルの場合、ユーザーは外部のモデリング・ツールおよびレポート作成ツールを使用して、アセットのアクティビティー、傾向、および財務上の影響のレポートを作成します。

サービス指向アーキテクチャー (SOA) サービス

注: このモデルは通常、銀行業および保険業で使用します。

サービス指向アーキテクチャー (SOA) サービス・モデルの場合、ユーザーは、サービスの開発、ビルド、および Rational Asset Manager からサービス・レジストリーへの公開アクティビティーを管理します。 ユーザーは SOA ベースのカテゴリー・スキーマを使用してアセットを分類し、サービス・アセットをビジネス上のニーズに一致させて、類似したサービスに分類されるようにします。 また、ユーザーは SOA サービス・モデルを使用して、ビルド時のアセットが承認済みの確定版ライブラリー・アセットになるようにしたり、ビルド時のアセットを実行時のサービス・インターフェースと整合させたりできます。

ブローカー

注: このモデルは通常、銀行業、公益事業、および国際的に分散したチームで使用します。

ブローカー・モデルの場合、ユーザーは、関係するコミュニティー内および関係する複数のコミュニティー間でアセットを管理します。 例えば、あるコミュニティーに大規模なプロジェクトの仕様を定義するアセットが含まれていて、関係するコミュニティーがソリューションの開発を管理し、さらに 3 番目のコミュニティーが、仕様を実装してソリューションを登録する場合などです。 アウトソーシングの影響を軽減するために、組織のソフトウェア開発チームや分散チームでブローカー・モデルを使用できます。

アセットの計画

注: このモデルは通常、銀行業および保険業で使用します。

アセットの計画モデルの場合、ユーザーは、特定品目からの要求に合ったアセットの更新および作成を計画します。 ユーザーは、製品、ソリューション、または機能をすべて含むアセットを作成します。 ユーザーは、予定表を使用してアセットを分類し、要求管理ツールで定義された要求とアセットとを関連付けます。 アセットの計画モデルにおいて重要になるのは、スケジュールによって制御されるレビュー・プロセスと承認プロセスです。

影響分析および追跡可能性

注: このモデルは通常、システム・インテグレーター、銀行業、保険業、および公益事業で使用します。

影響分析および追跡可能性モデルの場合、ユーザーは、アセットの関係を使用してアセットの経時的な影響を分析します。 例えば、アセットの関係として、開発アセットとそれらが依存するインフラストラクチャー・アセットの間に関係がある場合などです。 ユーザーは、アセットに対する変更 (アセットの新規バージョンの作成やアセットの非アクティブ化など) によって生じる影響を理解することで、ビジネス・トレンドや社内リソースへの変更の影響をより的確に分析することができます。

変更管理による再利用

注: このモデルは通常、システム・インテグレーター、銀行業、保険業、およびシステム産業で使用します。

変更管理による再利用モデルの場合、ユーザーは IBM Rational ClearCase®、IBM Rational ClearQuest®、IBM Rational Team Concert、またはその他の SCM システムを使用して既存の成果物を再利用することによって、新規アセットを作成および共用します。


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