ビジネス・インテリジェンスおよびレポート作成ツール (BIRT) によるレポートの作成

Rational Asset Manager からカスタム・レポート作成 URL を使用したレポートを作成するには、レポート・レイアウト、データ・アクセス、およびスクリプト記述サポートなどの BIRT レポート作成機能を使用します。 これらのレポートには、ユーザーがどのようにアセットおよびリポジトリーを使用しているかについての有益な統計が示されます。

始める前に

レポートを作成するには、BIRT v2.2.1 以上がインストールされている必要があります。 レポートは、Eclipse クライアントからのみ作成できます。

このタスクについて

注: このトピックは、jazz.net からダウンロードできる記事に基づいています。 完全な記事には、段階的な指示、完全なサンプル・レポートの .pdf ファイル、レポート設計ファイル、およびサンプル・データ・ファイルが含まれています。

ソフトウェア・アセットの管理とは、ソフトウェア・アセットをリポジトリーに登録したり、その使用量を管理したりするだけではありません。 要素の変化、アセットのモデルおよびトレンドの詳細、使用量のユースケース、およびユーザー情報を長期に渡って調査することにより、会社が現在のビジネス戦略のニーズを評価する際に役立ちます。

ロールが異なるユーザーは、異なるレポートが必要

ビジネス・アナリスト、管理者、アセット所有者、およびアセット消費者は、リポジトリーの使用を評価する際に、それぞれ異なる情報を必要とします。 例えば、管理者は、ユーザーにいつロールが割り当てられたのかについて知る必要があります。 アセット所有者は、所有するアセットにだれがサブスクライブしているのかを知る必要があります。 アセット消費者は、最も一般的なアセットは何であるかを知る必要があります。

ユーザーは、URL を使用して Rational Asset Manager からデータを取り出します。

レポートに使用されるデータは、リポジトリーおよびアセットの情報を返す、ユーザー作成の URL から取り込まれます。 このデータは XML であり、Web ブラウザーからダウンロードすることも、BIRT などのレポート作成ツールから直接アクセスすることもできます。 異なるレポート・パス (つまり URL) からは、異なるタイプのデータが返されます。 また、レポート・パスでは、パラメーターを指定することによって、照会に似た機能を使用することができます。例えば、fromTime および toTime というパラメーターを使用することで、それらのタイム・スタンプで挟まれた期間に発生したアクティビティーのみを取り出すことができます。

以下のタイプのレポートを作成します。

レポート・パスが異なると、ターゲットとなるレポートのタイプも異なります。 以下のタイプのレポートを使用できます。
  • アセット情報
  • 関係するアセット
  • アクティビティーのログおよび情報
  • アセットおよびユーザーのサブスクリプション
  • ユーザー・ロールの割り当ておよびアクティビティー
  • ビルド・プロセスにおけるアセットの使用
  • 成果物使用

BIRT を使用してレポートを作成する方法を理解するには、コミュニティーのダウンロード・レポートを作成する方法を示した以下の例を参考にしてください。 このサンプル・レポートは、あるコミュニティーにおける 5 月のダウンロード・アクティビティーを示します。 また、このコミュニティー内のアセットのダウンロードがアセット名別にリストされます。

手順

  1. Rational Asset Manager の Web クライアントにログインします。
  2. アセット」をクリックします。
  3. 「検索のフィルタリング」セクションで、ダウンロード・レポートを作成する対象コミュニティーに対応したコミュニティー・フィルターの名前をクリックします。
  4. 検索フィールドの右にある、クリップボードと拡大鏡の示されたアイコンをクリックし、検索ショートカットをコピーします。 例えば、サービス開発コミュニティーの検索ショートカットは、ramSearch:(1fGroup,service_development) です。
  5. 5 月のアセット・アクティビティーに関するレポート情報を Rational Asset Manager から取得するデータ URL を作成します。 データ URL の形式は、http://localhost:8080/com.example.repository.web.ws.tomcat/reporting/assetActivity:tid=610|asset:shortcut=fGroup%2Cm4_service_development,fromTime=1209617701756,toTime=1212292501756 のようになります。ここで、fGroup%2Cm4_service_development は検索ショートカット、fromTime および toTime は 5 月を表す値です。
  6. Enter」を押します。
  7. ローカル・システム上に XML ファイルを保存します。
  8. Eclipse クライアントから、このレポート用に作成したレポート・プロジェクトに新規のブランク・レポートを作成します。
  9. データ・エクスプローラー・ビューで「データ・ソース」を右クリックし、「新規データ・ソース」を選択します。
  10. XML データ・ソース」を選択して、「次へ」をクリックします。
  11. 参照」をクリックして、ステップ 7 で保存した XML ファイルを選択します。
  12. 「完了」をクリックします。
  13. 時刻別のダウンロードを表すデータ・セットを作成します。
    1. データ・セット」を右クリックして、「新規データ・セット」を選択します。
    2. データ・セットの名前を入力して、ステップ 10 で作成したデータ・ソースを指定します。
    3. 次へ」をクリックします。
    4. 次へ」をクリックします。
    5. テーブル・マッピングとして Map/data/assetActivity を指定します。
    6. 次へ」をクリックします。
    7. 「列マッピング」ダイアログで、timestamp を「Date Time」型の列としてマップします。
      列マッピング
    8. 「完了」をクリックします。
  14. 傾向グラフを作成します。
    1. グラフをレポート・エディターにドラッグします。
    2. グラフのタイプとして「面 (Area)」を選択します。
    3. 次へ」をクリックします。
    4. ステップ 13 で作成したデータ・セットを指定します。
    5. 「カテゴリー (X) 系列」フィールドで、「選択可能な列のバインディング」から「timestamp」を選択します。
    6. 編集およびグループ化 (Edit and grouping)」をクリックします。
    7. 「データのソート」を「未ソート」にし、「グループ化」セクションで以下を指定します。
      • タイプ: 日時
      • 単位: 日
      • 間隔: 1
      • 集約式: カウント
      「グループおよびソート」ダイアログ
    8. 「OK」をクリックします。
    9. 「値 Y 系列 (Value Y Series)」については、「選択可能な列のバインディング」から「RowNum」を選択します。
    10. 「完了」をクリックします。
  15. 日別のダウンロードを表すテーブルを作成します。
    1. テーブルをレポート・エディターにドラッグし、先ほど作成したグラフの下にドロップします。
    2. 「テーブルの挿入」ダイアログで、以下の例を参考にしてテーブル・サイズおよびデータ・セットを定義します。
      2 つの列および 1 つの詳細があり、データ・セットは「テーブルの挿入」ダイアログで以前に定義したデータ・セットです。
    3. エディターでテーブルを選択します。
    4. プロパティー・エディター・ビューで、「グループ」を開きます。
    5. 新規グループを追加します。
    6. 「グループの詳細」で、「グループ」値として「timestamp」を選択します。
      「グループの詳細」セクションで、「グループ」値として「timestamp」を選択します。
    7. 「集約」を「timestamp」の横のセルにドラッグします。
    8. 「集約ビルダー」ダイアログで、「関数」を「COUNT」に変更して、「集約」は「グループ」にします。
      「データ型」に「任意」、「関数」に「COUNT」が指定された「集約ビルダー」パネル
    9. 「OK」をクリックします。
    10. Timestamp」を開きます。
    11. プロパティー・エディターの「プロパティー」タブで、「日時のフォーマット (Format Date Time)」を選択します。
    12. 「フォーマット設定」プロパティーには、短フォーマット (例えば、5/10/08) を指定します。
    13. テーブルの詳細行を選択して削除します。
  16. アセット別のダウンロードを表すデータ・セットを作成します。
    1. 日別のダウンロードを表すデータ・セットの作成手順に従ってください。ただし、列としては、タイム・スタンプをマップするのではなく、assetName、GUID、targetURL、および assetVersion をマップしてください。
      「アセット」、「ID」、「URL」、および「バージョン」の列マッピング
    2. アセットの GUID とバージョンを結合する式を使用した算出欄を作成します。 例えば、row["ID"]+row[Version] などです。 これにより、固有アセットのグループ化が可能になります。
  17. アセット別のダウンロードを表すテーブルを作成します。
    1. テーブルをレポート・エディターにドラッグし、以前に作成したテーブルの下にドロップします。
    2. 「テーブルの挿入」ダイアログで、上で作成したデータ・セットにテーブルをマップします。
      データ・セットのコミュニティーのダウンロードに関するテーブル (3 つの列と 1 つの詳細がある) の挿入。
    3. プロパティー・エディターでテーブルを選択し、「グループ」を開きます。
    4. 計算値 (上記の作業でレポート作成 URL を使用して作成したもの) に基づいて分類される新規グループを作成します。
      グループ詳細での固有アセットのグループ化。
    5. グループの見出し行にある「固有アセット」を削除して、アセット名列のマッピング値を、上で作成したデータ・セットからこのセルにドラッグ・アンド・ドロップします。
    6. バージョン列のマッピング値を、データ・セットから中央のグループ見出しセルにドラッグします。
    7. 右側のグループ見出しセルに「集約」をドラッグします。
    8. 「集約ビルダー」ダイアログで、「関数」は「COUNT」に、「集約」は「グループ」にします。
      「グループ」NewTableGroup1 の「関数」に「COUNT」を指定した「集約ビルダー」ダイアログ。
  18. 「OK」をクリックします。 テーブルが開きます。
  19. 「詳細行」を選択して削除します。

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