WebSphere Service Registry and Repository との統合

IBM® Rational® Asset Manager と IBM WebSphere® Service Registry and Repository (WSRR) の両方を使用すると、Rational Asset Manager でビジネス・アセットに関する開発および共同作業を行うことができます。これらのアセットは、WSRR で承認およびデプロイメントできるように、該当のビジネス・オブジェクトとしても表示されます。

WebSphere Service Registry and Repository (WSRR) は、ランタイム・サービス記述用のマスター・メタデータ・リポジトリーです。

サービス という用語には、以下の意味があります。

WSRR では、企業全体に散在するサービスに関する情報が統合され、1 つの包括的なサービス記述が提供されます。

Rational Asset Manager 内のコミュニティーを WSRR に接続すると、Web サービス文書を含むアセットを WSRR リポジトリーに公開できます。マッピング・ファイルを構成する場合は、アセットを特定の WSRR ビジネス・モデル・オブジェクトとして WSRR に公開できます。マッピング・ファイルを構成しない場合は、WSRR に公開したアセットは Rational Asset Manager 内のアセットにリンクする WSRR 内の一般概念になります。

Rational Asset Manager インターフェースを使用して、WSRR 内にあるサービス文書およびサービス・メタデータを検出することもできます。

Rational Asset Manager 内のアセットの WSRR への公開

Rational Asset Manager 内のコミュニティーを WSRR に関連付けると、Web サービス文書およびその他のビジネス・オブジェクトを含むアセットを WSRR リポジトリーに公開できます。

接続のマッピング・ファイルを構成する場合は、アセットをビジネス・モデル・オブジェクトとして WSRR に公開できます。マッピング・ファイルを構成しない場合は、WSRR に公開したアセット は Rational Asset Manager 内のアセットにリンクする WSRR 内の一般概念になります。

WSRR 内のオブジェクトの Rational Asset Manager との同期化

WSRR リポジトリーと Rational Asset Manager 内のコミュニティーの関連付けを構成して、スケジュールされた間隔で同期させることができます。

WSRR リポジトリーと Rational Asset Manager 内のコミュニティーとの関連付けが同期していると、Rational Asset Manager は、WSRR 内のサービス記述オブジェクトのためにコミュニティー内にリモート・アセットを作成します。リモート・アセットは、別のリポジトリー内のオブジェクトにリンクします。リモート・アセットは、WSRR 内にある以下のサービス記述オブジェクトのために作成されます。
  • 物理的な文書:
    • WSDL
    • XSD
    • WS-Policy
    • SCA モジュール
    • XML ファイル
    • 他の物理文書
  • 概念:
    • 成果物の関係付きの概念
    • WSRR への関連付けの構成時に選択するその他の概念タイプ

WSRR サーバーを変更した場合、それらの変更は、次に関連付けが同期されたときに Rational Asset Manager のアセットに反映されます。

WSRR と Rational Asset Manager の統合が V7.2 で改善されました

Rational Asset Manager V7.2 では以下の機能拡張が行われ、Rational Asset Manager と WSRR をより密接に統合できるようになりました。
両方のリポジトリー内の特定オブジェクトのライフサイクルの管理
Rational Asset Manager V7.2 では、WSRR への接続のマッピング・ファイルを構成できます。 このマッピング・ファイルは、Rational Asset Manager 内のアセットを更新したときに WSRR 内のオブジェクトに対してどのような処置が行われるのかを定義します。 一部のアクションを自動化できます。例えば、デフォルトのマッピング・ファイルを使用する場合は、ビジネス・ソリューションが承認されたときに、新しいリリース・アセットが自動的に作成されます。 以前は、Rational Asset Manager 内のアセットの状態と WSRR 内のオブジェクトの状態の関連付けは緩やかでした。
サービス指向アーキテクチャー (SOA) Model ライブラリーの改善
Rational Asset Manager に組み込まれているサンプル SOA モデル・ライブラリー は、WSRR における情報モデルに相当します。このライブラリーには、WSRR への関連付けを構成するときに使用または変更できる、標準マッピング・ファイルも含まれています。
SOA モデル・ライブラリー の事前構成されたライフサイクル
SOA モデル・ライブラリー をアクティブにすると、6 つの事前構成されたライフサイクルを使用してセットアップを行い、SOA 情報モデルの要求を施行することができます。
ライフサイクルに関する Advanced Lifecycle Edition (ALE) ポリシー
Rational Asset Manager には、ユーザーに代わって自動的に特定のアセット・タイプを WSRR に公開し、WSRR への関連付けのために構成されたマッピング・ファイルを施行するためのポリシーが組み込まれています。事前構成された SOA ライフサイクルでは、アセットが変更されたり別の状態に移行したりするたびに ALE ポリシーが実行されます。 このポリシーは、実行されると、マッピング・ファイルを参照して WSRR 内のオブジェクトに対して適切な処置を実行します。例えば Rational Asset Manager 内でビジネス・ソリューション・タイプの新規アセットを作成すると、ALE が実行され、WSRR 内でビジネス機能オブジェクトを自動的に作成します。

関連付けを構成するために行う必要がある作業

  1. SOA モデル・ライブラリー を有効にします: 詳しくはサービス指向アーキテクチャー (SOA) モデル・ライブラリーの使用可能化を参照してください。
  2. WSRR で ALEConfiguration を構成します: WSRR の ALEConfiguration には、両方のアプリケーションにアクセスするように URL と資格情報を指定します。Rational Asset Manager サーバーにプッシュされて同期される WSRR 内のトリガーとアクションは、Rational Asset Manager のマッピング・ファイルと同じ方法で指定できます。詳しくは、WSRR インフォメーション・センターの「WSRR での Advanced Lifecycle Edition のインストール」を参照してください。
  3. コミュニティーと WSRR の間の関連付けを作成します: これを行うときに、SOA モデル・ライブラリー に組み込まれているマッピング・ファイルまたは独自のマッピング・ファイルを選択して、編集できます。 詳しくは、WebSphere Service Registry and Repository への接続を参照してください。
  4. コミュニティーのために SOA ライフサイクルを構成します: 詳しくは SOA ライフサイクル・コレクションの作成を参照してください。 ライフサイクルをカスタマイズするには、マスター・ライフサイクルの作成を参照してください。

Rational Asset Manager 内のアセットが WSRR 内のオブジェクトにマップされる方法

次の表には、SOA モデル・ライブラリーに含まれているマッピング構成ファイルを使用する場合に、Rational Asset Manager 内のアセットが WSRR 内のオブジェクトにどのようにマップされるのかが示されています。

表 1. Rational Asset Manager 内のアセットと WSRR 内のオブジェクト
Rational Asset Manager 内のアセット・タイプ WSRR 内のオブジェクト
ビジネス・ソリューション BusinessCapability がアセットを拡張します
ソフトウェア開発/種類/プロセスとしてカテゴリー化されたビジネス・ソリューション BusinessProcess が BusinessCapability を拡張します
ソフトウェア開発/種類/Web アプリケーションとしてカテゴリー化されたビジネス・ソリューション BusinessApplication が BusinessCapability を拡張します
ソフトウェア開発/種類/サービスとしてカテゴリー化されたビジネス・ソリューション BusinessService が BusinessCapability を拡張します
リリース CapabilityVersion がアセットを拡張します
ソフトウェア開発/種類/プロセスとしてカテゴリー化されたリリース ProcessVersion が CapabilityVersion を拡張します
ソフトウェア開発/種類/Web アプリケーションとしてカテゴリー化されたリリース ApplicationVersion が CapabilityVersion を拡張します
ソフトウェア開発/種類/サービスとしてカテゴリー化されたリリース ServiceVersion が CapabilityVersion を拡張します
ソフトウェア開発/種類/サービス/インターフェースとしてカテゴリー化された仕様 ServiceInterfaceSpecification がアセットを拡張します
ソフトウェア開発/種類/スキーマとしてカテゴリー化された仕様 SchemaSpecification がアセットを拡張します
DoU DoU

自動化できるプロセスの詳細と例については、 WSRR インフォメーション・センターで同期に関するトピックを参照してください。

Rational Asset Manager における SOA Model ライブラリー

次の図は、SOA Model ライブラリーにおけるアセット・タイプ、それらのアセット・タイプに必要な属性、およびアセット・タイプ間の関係を示しています。

SOA モデル・ライブラリーのためのアセット・タイプ、属性、および推奨される関係のイメージ

WebSphere Service Registry および Registry Advanced Lifecycle Edition に関する詳細情報

WebSphere Service Registry and Repository および Advanced Lifecycle Edition について詳しくは、 IBM WebSphere Service Registry and Repository バージョン 7.0 インフォメーション・センターにアクセスしてください。

WebSphere Service Registry and Repository のインストールについては、計画およびインストールのトピックを参照してください。

WebSphere Service Registry and Repository バージョン 6.0.2、6.1、6.2、または 6.3 からバージョン 7.0 にアップグレードする場合、『バージョン 7.0 インストール済み環境へのアップグレードまたはマイグレーション』を参照してください。


フィードバック