Rational Build Forge との統合

IBM® Rational® Asset Manager と IBM Rational Build Forge® を使用して、信頼性の高いソフトウェア・ビルドを送信、追跡、および統括管理することができます。

Rational Asset Manager は、Rational Build Forge などの既存のアプリケーション・ビルド・システムを補完します。 Rational Build Forge を使用して、Rational Asset Manager 内のアセットに基づいてビルドを作成することができます。また、両者の統合を使用して、ビルド結果を Rational Asset Manager 内の新規アセットとして公開することもできます。提供されるスクリプトのセットを使用して、アセットをダウンロードし、依存関係を確認し、結果を新規アセットとしてコンパイル、ビルド、および送達することができます。

統合を可能にして Rational Asset Manager を Definitive Software Library として使用するためのプロセスは、次のとおりです。
このイメージは、Rational Asset Manager を表すボックスを示しています。このボックス内には、ANT ライブラリー、コンパイル・ツール、共通コンポーネント、オープン・ソース・コンポーネント、および実装イメージを表す小さなボックスが含まれます。
また、Rational Build Forge、ビルド・サーバー、および IBM Rational Team Concert を表すその他の 3 つのボックスも示されます。Rational Asset Manager、Rational Team Concert、および Rational Build Forge 内のコンポーネントからビルド・サーバーを指す矢印があります。このビルド・サーバーでコンパイルおよびテストが実行されます。
結果はビルド・サーバーから Rational
Asset Manager に公開されます。
  1. 必要な Rational Asset Manager スクリプトおよびそれらが依存する ANT ライブラリー JAR ファイルをビルド・サーバーにコピーします。
  2. Rational Asset Manager から必要なビルド・ツール (コンパイラー、テスト・ツール、および共通スクリプトなど) をダウンロードします。
  3. ソース制御からソースを準備します。
  4. Rational Asset Manager から依存成果物 (ソース・プロジェクト内でリンクとしてのマークが付けられているオープン・ソース、モデル、wsdl、xsd など) を取り出します。
  5. コンパイルおよびテストを行います。
  6. すべての依存コンポーネントおよび必須関係への依存関係を含む最終ビルドを Rational Asset Manager に公開します。

Rational Build Forge では、アセットをビルドして公開するための新規ビルド・プロジェクトを定義します。 ビルドのためのソースは Rational Asset Manager 内のアセットおよび成果物であり、ビルドは Rational Asset Manager でアセットとして公開できます。

例えば、ビルドのために必要なファイルを準備し、ビルドを実行してそれが完了した後で、ビルド結果 (.ear ファイルなど) をアセットとして Rational Asset Manager でデプロイすることができます。 あるいは、ビルド結果が Rational Asset Manager アセットとして保存された後で、(例えば、マイルストーン・ビルドとして公開する前に) 新規アセットおよび関連付けられた成果物をレビュー・プロセスで取り扱い、デプロイメントが承認されていることを確認できます。

Rational Build Forge 内でビルド・タイプ (Milestone または Golden Master など) にマークを付けて、ビルド結果から作成された新規アセットのレビュー・プロセスのタイプを指定できます。 Rational Build Forge ビルドが完了すると、公開されたアセットがビルド内にリストされ、Rational Asset Manager で、すべての依存関係が新規アセットに組み込まれます。

開発者は、アセット、成果物、および Rational Asset Manager 成果物へのリンクを検索して、それらをワークスペースに追加できます。 開発者はビジュアル参照ユーティリティーを使用して、アセット間の関係および依存関係を調べることができます。 ダウンロードしたアセット・スクリプトを使用すると、ビルド・プロセスへのファイルの送達を自動化することができます。 Rational Build Forge で、ログインしてプロジェクトを作成した後で、開発者はビルド・プロジェクト・プロパティーを設定して、ビルド結果を送達するためのその他の必須手順を実行することができます。

統合のデモンストレーションおよびサンプル・ライブラリーとビルド・プロジェクトについては、http://www.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg27016509または http://www.ibm.com/developerworks/offers/lp/demos/summary/r-assetmanagerrbf.htmlを参照してください。

統合のセットアップ

注: 統合には、Ant バージョン 1.7.x、およびクライアント API の現行バージョンが必要です。 ramclient.zip ファイルは、Web クライアントの 「ヘルプ」 > 「拡張」 ページからから入手できます。
Rational Asset Manager は、Rational Build Forge プロジェクトで使用できる、以下の ANT スクリプトを備えています。
  • ramDownloadAsset.xml - このスクリプトは、ビルド・プロジェクトで使用するために Rational Asset Manager 内のアセットをダウンロードします。
  • ramDownloadArtifactLinks.xml - このスクリプトは、ビルド・プロジェクトで使用するために、ダウンロードされたアセットの必須依存関係である関連成果物をダウンロードします。
  • ramPublishAsset.xml - このスクリプトは、ビルド結果 (.ear ファイルなど) を新規アセットとして Rational Asset Manager に公開します。
これらのスクリプトおよびそれに依存する ANT ライブラリー JAR ファイルを ramclient.zip ファイルからコピーして、ライブラリーおよびスクリプトをビルド・サーバーで使用できるようにする必要があります。 統合のためのスクリプトの構成を参照してください。ツール、ライブラリー、および従属コンポーネントがすべて Rational Asset Manager 内のアセットとして使用可能な場合、提供された ANT スクリプトを使用して、これらのアセットに基づいてビルドを実行できます。 これらのスクリプトは、他のビルド・ユーティリティーおよびソリューションとともに使用することもできます。
スクリプトをコピーし、環境に合わせて構成した後で、以下のステップを実行してください。
  1. 必要なツール (コンパイラー、テスト・ツール、および共通スクリプトなど) をダウンロードします。

    適切な抽出コマンド・ライブラリーを使用してビルド・サーバーにソース・コード・ファイルを指し示し、 ソフトウェア構成管理 (SCM) システム (Rational ClearCase® または Rational Team Concert™ など) からソース・ファイルを抽出します。ビルドが使用するソース・コード・ファイル (Rational Asset Manager クライアント・ライブラリーを含むダウンロード・ツールなど) を SCM システムから抽出して、DownloadAsset およびその他の ANT スクリプトを Rational Build Forge サーバーで使用できるようにする必要があります。サーバーの URL、ユーザー ID、パスワードなどの SCM システム情報をビルド・プロジェクトに提供する必要があります。

  2. Rational Asset Manager クライアント・ライブラリー を Rational Asset Manager サーバーからダウンロードして解凍し、 提供された ANT スクリプトをビルド・サーバーで使用できるようにします。
  3. ソース・プロジェクト内でリンクとしてマークが付けられている依存成果物 (オープン・ソース、モデル、wsdl、xsd など) を取り出します。必要な Rational Asset Manager 成果物へのリンクがある場合、DownloadArtifactLinks スクリプトを使用して、必要な Rational Asset Manager 成果物をダウンロードし、それらの解凍先を指定することができます。

    AppScan® を使用して、プロジェクトに組み込まれているすべてのソースおよびライブラリーをスキャンすることができます。

  4. コンパイルおよびテストを行います。
  5. すべての依存コンポーネントおよび必須関係への依存関係を含む最終ビルドを Rational Asset Manager に公開します。 提供された PublishAsset ANT スクリプトで、公開するアセットのディレクトリー構造、およびその他のプロパティー値を指定する必要があります。

サンプル・ファイルを使用して、 eligibility.xml ファイルをインポートして .zip ファイルの内容をインポートし、一連のライブラリーおよび構成情報を指定して新規プロジェクトを定義することができます。 サンプル・ファイルは http://www.ibm.com/developerworks/offers/lp/demos/summary/r-assetmanagerrbf.html で入手することができます。eligibility.xml ファイルをロードすると、Rational Build Forge が適格性プロジェクトを再作成します。 「ライブラリー」を選択してから ramclient.zip ファイルを取り出す ライブラリー (GetRamLibraries など) を選択します。 使用する構成に合わせてファイルを変更してください。ANT スクリプトを変更して、Rational Build Forge プロジェクトに追加する必要もあります。

アセットのライフサイクルの特定ポイントでの Rational Build Forge プロジェクトの実行

Rational Asset Manager に含まれているポリシーを使用して、アセットのライフサイクルの特定ポイントで Rational Build Forge プロジェクトを実行できます。 例えば、ソフトウェア・アセットがテストの準備のために開発状態からステージング状態に移行した場合に、 他の人が見られるように自動的にソフトウェアをビルドしてデプロイする Rational Build Forge プロジェクトを実行することができます。

このポリシーはデフォルトではインストールされていませんが、製品には含まれています。このポリシーをインストールするには、以下のようにします。
  1. Web クライアントで「ヘルプ」アイコンをクリックし、次に「拡張」を クリックします。
  2. 「Build Forge ポリシー」セクションで、buildforge.zip ファイルをダウンロードします。ファイルは解凍しないでください。
  3. 管理」をクリックします。
  4. 「リポジトリー管理」サイドバーで、「カスタム拡張」をクリックします。
  5. 「ポリシー拡張」セクションで、「新規ポリシー拡張」をクリックします。
  6. 「新規拡張」ウィンドウで、「クラス名」フィールドに com.ibm.ram.buildforge.policy.BuildGovernor と入力します。
  7. .jar または .zip ファイル」フィールドで、 「参照」をクリックして、ダウンロードした buildforge.zip ファイルにナビゲートします。次に、「OK」をクリックします。

ポリシーとライフサイクルについて詳しくは、『ライフサイクルのポリシー』、『アセット開発とライフサイクル』、および『カスタム・ライフサイクルの作成』を参照してください。


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