カスタム・レビュー・プロセスを利用して、アセットが完全であり、再利用のために最適化された状態であるかどうかを確認できます。
IBM® Rational® Asset Manager バージョン 7.2 では、
デフォルトのワークフローを使用するレビュー・プロセスを新規作成することはできません。
アセットの統括管理と、アセットのレビュー・プロセスの管理には、アセットのライフサイクル を使用します。ただし、Rational Asset Manager では、以前のバージョンの既存のレビュー・プロセスを引き続きサポートしています。以下の情報は、これらのレビュー・プロセスに該当します。
管理者は、アセットをレビューするか、アセット・レビューの一部のアクションを実行できるユーザーまたはユーザー・グループを指定します。また、管理者は、アセット変更の権限を持つユーザーを管理するためのポリシーも定義します。
レビュー・プロセスの設定
コミュニティー管理者は、アセットの
ワークフロー内の他のアクションをレビューまたは実行する特定のレビューアー、ユーザー・グループ、およびレビュー委員会メンバーを任命できます。レビュー中に、ユーザーはディスカッション・フォーラムに参加して、アセットに関するトピックを投稿できます。
デフォルト・レビュー・プロセスは、「レビューの計画」および「レビュー」という 2 つの状態を持ちます。「レビューの計画」状態で、アセットはリポジトリーに登録されます。レビュー委員会メンバーは、アセットが「レビューの計画」状態であることを示すタスクを「
マイ・ダッシュボード」で受け取ります。
レビュー委員会のメンバーは、レビューアーおよびユーザー・グループを追加できます。
管理者とレビュー委員会メンバーのみがアセットにアクセスできます。「レビュー」状態の間はレビューが進行中です。
「レビュー」状態のアセットには、すべてのレビューアー、レビュー委員会メンバー、および管理者がアクセスできます。
ポリシー主導型レビュー・プロセス
デフォルトのレビュー・プロセスの他に、ポリシーを使用することができます。
ポリシー とは、アセットおよび成果物に適用することができる、定義済みの規則セットのことです。
ポリシー主導型レビュー・プロセスのシナリオの例を以下に示します。
- 破損している URL 成果物または無効な URL 成果物が含まれていないか確認するためのアセットの検査
- 命名規則に従っているか確認するためのアセットの検査
- アセットにおけるサービス・ポリシーの検査。
例えば、WSDL スキーマで xsd:choice が検出された場合に、ツールにおいて妥当性検査エラーが生成されていないかを検査するポリシーに照らして、アセットを検査できます。
- IBM WebSphere® Service Registry and Repository または IBM Tivoli® Change and Configuration Management Database に公開する前の週のうちに、アセットのレビューが完了しているようにするための検査
会社でカスタム・ポリシーを用意することも、WebLayers のような独立系ソフトウェア・ベンダーを利用してポリシーを購入することもできます。
アセットをレビューした結果、ポリシーがパスしなかった場合、アセットは「ドラフト」状態に戻されます。
アセットがライフサイクルまたはレビュー・プロセスのいずれかに組み込まれる場合
アセットは、単一のライフサイクルまたはレビュー・プロセスによってのみ統括管理できます。アセットをコミュニティーに登録すると、そのアセットは次の順序でライフサイクルまたはワークフローへと組み込まれます。
- まず、リポジトリー内のいずれかのマスター・ライフサイクルに組み込めるかどうかを判別するために、アセットを検査します。
- 次に、いずれかのコミュニティー・ライフサイクルに組み込めるかどうかを判別するために、アセットを検査します。
- 適用できるライフサイクルがない場合は、リポジトリーまたはコミュニティーで作成されたいずれかのレビュー・プロセスに組み込めるかどうかを判別するために、アセットが検査されます。
- 適用できるレビュー・プロセスがない場合は、単純で暗黙的なライフサイクル・プロセスにアセットが組み込まれます。
アセットの状態
レビュー時には、レビューアーのアクションに応じて、アセットの状態が別の状態に移行することがあります。
レビュー・プロセスまたはアセット・ライフサイクル・ワークフローには、次のような状態があります。
- ドラフト
- アセット所有者および管理者がアセットを参照できます。アセット所有者は、アセットに変更を加えることができます。
- レビューの計画
- 管理者とレビュー委員会メンバーは、アセットを参照したり、レビューアーを指定したりできます。
- レビュー
- アセットがレビューされます。レビューアーは、アセットに関するディスカッション・フォーラムに参加できます。
- 承認済み
- アセットはレビューをパスしました。
レビュー委員会はアセットを承認するための最高権限を持ち、レビューアーはそれに次ぐ権限を持ちます。
- 現状のまま
- アセットはレビュー・プロセスをバイパスします。
コミュニティー管理者は、管理者がアセットを現状のまま承認するように要求できます。
- 非アクティブ化
- アセット所有者または管理者は、リポジトリー内の非アクティブ化されたアセットにアクセスできます。
- 削除済み
- アセットはリポジトリーで使用不可になります。
- アーカイブ済み
- 管理者は、リポジトリー内のアーカイブ済みアセットにアクセスできます。
アーカイブされたアセットでも、リポジトリー管理者またはコミュニティー管理者がそのアセットのステータスを「ドラフト」に再設定すれば、使用できるようになります。
- 期限切れ
- アセットのタイマーが期限切れになると、アセットは編集可能な「ドラフト」状態に移行されます。アセット所有者およびリポジトリー管理者は、期限切れになったアセットを再登録できます。
ユーザー・タイプ
次のいずれかのロールが割り当てられている場合、アセットのレビュー・プロセスに参加できます。
- コミュニティー管理者
- コミュニティー管理者は、レビュー・プロセスを作成および構成します。
- レビュー委員会
- レビュー委員会のメンバーは、ユーザーおよびロールをレビュー・プロセスに追加します。
レビュー委員会がアセットを承認すると、アセットが「レビュー」状態から「承認済み」状態に変わります。
レビュー委員会のメンバーは、「ドラフト」状態以外のすべての状態のアセットを参照できます。
- レビューアー
- レビューアーは、管理者やレビュー委員会のメンバーによって、アセットをレビューするように任命されたユーザーまたはユーザー・グループです。
レビューアーは、アセット・タイプのライフサイクルに関する知識を持っており、それぞれの専門分野からアセットの正確性を検証します。
例えば、実装アセットの開発が変更された場合は、変更の技術的な正確性が確保されるように、開発者ロールがレビューに割り当てられます。
レビューアーは、「レビュー」状態にあるアセットまたは IBM Rational ClearQuest®において参照できる状態にあるアセットを参照することができます。
- アセット所有者
- アセット所有者は、レビューのためにアセットを登録します。
レビューのためにアセットを登録することもできますし、「現状のまま」で登録する (レビューはバイパスされます) こともできます。
「ドラフト」状態のアセットは、アセット所有者のみが参照できます。
Rational ClearQuest主導型レビュー・プロセス
Rational ClearQuest を使用すると、レビュー・プロセスの状態フローをカスタマイズしたり、デフォルトのレビュー・プロセスにない状態を作成したりすることができます。Rational ClearQuest レビュー・アセットの状態が変化すると、アセットへの変更内容が Rational Asset Managerに反映されます。
管理者やレビュー委員会のメンバーは、アセットが特定の状態にある場合にアセットのダウンロード・アクセス権をユーザーおよびユーザー・グループに付与することにより、レビューをさらにカスタマイズすることができます。
レビュー時に、レビューアーはコメントを書き入れたり、アセットを受諾または拒否したりできます。