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演習 2: ワークスペースのセットアップ

ロジックを作成する前に、2 つの EGL プロジェクトを作成して、Dojo サンプルをインポートします。

EGL アプリケーションは、1 つ以上のプロジェクト から編成されます。各プロジェクトは、ワークスペース内の物理フォルダーです。 プロジェクトには 1 つの EGL ソース・フォルダーが用意されており、その中には 1 つ以上のパッケージ が含まれています。さらに、それらのパッケージの中には EGL ソース・ファイルが含まれています。 プロジェクト、次に EGL ソース・フォルダー、次に EGL ソース・ファイルの入ったパッケージというこの階層は、EGL での作業の基本となります。

EGL ソース・ファイルには、ユーザーが作成する型定義である EGL パーツ が含まれています。 例えば、サービス・パーツにはロジックが含まれており、レコード・パーツは、サービス・パーツで宣言する変数の基礎になることができます。

パッケージは、以下のようにパーツを各種のコンテキスト (つまり名前空間) に分離するため、重要です。
  • パーツ名は、2 つの異なるパッケージで重複する可能性があります。また、あらゆる EGL ソース・コードは各パーツを正確に参照できます。名前空間の主な利点は、別々のチームが別々の EGL パーツを名前の競合を起こすことなく作成できることです。
  • 以下のように、ある 1 つのパッケージ内にあるそれぞれのパーツ名は、そのパッケージ内で固有のものです。
    • あるパッケージ内のパーツは、同じパッケージ内の別のパーツを、そのパーツ名を指定することによって簡単に参照できます。 例えば、レコード・パーツ MyRecordPart を基にしたレコードの宣言を以下に示します。
      myRecord MyRecordPart{};
    • あるパッケージ内のパーツは、もう 1 つのパッケージにあるパーツを、そのパッケージ名とパーツ名を指定することによって参照したり、そのパーツのインポート操作を伴うショートカットによって参照したりすることができます。 このチュートリアルには例があります。

あるプロジェクトがもう 1 つのプロジェクト内のパーツを参照できるのは、参照する側のプロジェクトの EGL ビルド・パスで、参照される側のプロジェクトが指定されている場合のみです。 これについても、このチュートリアルで例を示します。 ただし、どの場合においても、異なるプロジェクトで同じパッケージ名を使用することは避けてください。使用すると、ネーム解決で問題が発生する可能性があります。

このチュートリアルの次のタスクでは、以下のプロジェクトを作成します。
MortgageServiceProject
EGL サービス・パーツおよび関連する定義を保持します。
MortgageUIProject
Rich UI ハンドラーおよび関連する定義を保持します。

すべてのコードを単一のプロジェクトに含めることができますが、ここで示したように分離すると、2 種類のコードを別々の方法で簡単にデプロイすることができます。

EGL サービス・プロジェクトの作成

  1. EGL 以外のワークベンチ・パースペクティブを開いている場合は、「ウィンドウ」 > 「パースペクティブを開く」 > 「その他」 > 「EGL」とクリックして、EGL パースペクティブに変更します。 ワークベンチの右上隅にパースペクティブのアイコンがあります。
    EGL パースペクティブを示す EGL アイコン。「最小化」、「最大化」、および「閉じる」アイコンの下にあるタブに表示されます。
  2. メニュー・バーで「ファイル」 > 「新規作成」 > 「EGL プロジェクト」 とクリックするか、「新規 EGL プロジェクト」アイコンをクリックします。
    新規プロジェクト・アイコンは、メニュー・バーの 2 番目のアイコン・グループにある 4 つのアイコンのうちの最初のものです。
  3. 「EGL プロジェクト」ウィンドウで、以下の情報を入力します。
    1. 「プロジェクト名」フィールドに、次の名前を入力します。
      MortgageServiceProject
    2. 「EGL プロジェクト・タイプ」セクションで「一般プロジェクト」をクリックします。
      「MortgageServiceProject」というプロジェクト名が示された「新規 EGL プロジェクト」ウィンドウ。
    3. 「次へ」をクリックします。
  4. 2 番目の「EGL プロジェクト」ウィンドウでは、EGL で指定されたデフォルトが正しいことを確認する必要があります。 以下の情報を確認してください。
    1. 「ターゲット・ランタイム・プラットフォーム」が Java™ になっている。 この設定は、EGL が EGL サービス・パーツから Java ソース・コードを生成することを示します。
    2. 「ビルド記述子オプション」で、「ビルド記述子の作成」ラジオ・ボタンが選択されている。 ビルド記述子は、生成プロセスを制御します。 ここでは独自サービス用の別のプロジェクトを作成するので、EGL が自動作成するデフォルトのビルド記述子を使用することができます。
  5. 「終了」をクリックします。
EGL により、MortgageServiceProject という名前のプロジェクトが作成されます。 ディレクトリー内の以下のフォルダーに注意してください。
EGLSource
パッケージおよびソース・ファイルはここに置きます。
EGLGen/JavaSource
EGL は、生成した Java ファイルをここに置きます。
JavaSource
カスタム Java ソース・ファイルはすべてここに置きます。 生成プロセスでこれらのファイルが上書きされることはありません。
JRE システム・ライブラリー
EGL は、Java ランタイム環境をサポートする JAR ファイル用にこのフォルダーを使用します。
「プロジェクト・エクスプローラー」ビューに、新規プロジェクトおよびフォルダーが表示されます。

EGL Rich UI プロジェクトの作成

  1. メニュー・バーの「新規 EGL プロジェクト」アイコンをクリックします。
  2. 「新規 EGL プロジェクト」ウィンドウで、以下の情報を入力します。
    1. 「プロジェクト名」フィールドに、次の名前を入力します。
      MortgageUIProject
    2. 「EGL プロジェクト・タイプ」セクションで「Rich UI プロジェクト」をクリックします。
      「MortgageUIProject」というプロジェクト名が示された「EGL プロジェクト」ウィンドウ。
    3. 「次へ」をクリックします。
  3. 2 番目の「EGL プロジェクト」ウィンドウでは、EGL で指定されたデフォルトが正しいことを確認する必要があります。 以下の情報を確認してください。
    1. 「プロジェクトのデフォルトのロケーションを使用」が選択されている。
    2. 「ウィジェット・ライブラリー」リストに以下のプロジェクトが含まれている。
      • EGL Rich UI ウィジェット
      • EGL Dojo ウィジェット
    3. 「EGL プロジェクト・フィーチャー」グループで、「EGL デプロイメント記述子の作成」が選択されている。
  4. 「次へ」をクリックします。
  5. 「EGL 設定」ページで「MortgageServiceProject」を選択します。 新規プロジェクトのビルド・パスにこのサービス・プロジェクトが追加され、このサービス・プロジェクトに定義されたパーツを UI プロジェクトで使用できるようになります。
  6. 「終了」をクリックします。
EGL により、MortgageUIProject という名前のプロジェクトが作成され、Rich UI、Dojo ウィジェット、および Dojo ランタイム・ライブラリー用のワークスペースにサポート・プロジェクトが追加されます。 EGL が一般プロジェクト用に作成したディレクトリーのほかに、Rich UI プロジェクトには以下のディレクトリーが含まれています。
WebContent
カスケーディング・スタイル・シート (CSS) やイメージなどのサポート・ファイルが入ります。
「プロジェクト・エクスプローラー」ビューに、新規プロジェクトおよびフォルダーが表示されます。

EGL Dojo ウィジェットのサンプルのインポート

  1. ワークベンチのトップ・メニューから、「ヘルプ」 > 「ヘルプ目次」とクリックします。
  2. ヘルプ目次で「サンプル」 > 「テクノロジー・サンプル (Technology samples)」 > 「EGL」と展開し、「EGL Dojo ウィジェット」をクリックします。
    展開された「サンプル」メニュー。
  3. 「コンテンツ」ペインで、「サンプルの入手 (Get the sample)」をクリックします。
    「コンテンツ」ペイン
  4. 「インポート」ウィンドウでは、デフォルト値が正しい値です。 「終了」をクリックします。
com.ibm.egl.rui.dojo.samples プロジェクトの最新バージョンがワークスペースに追加されます。
「プロジェクト・エクスプローラー」ビュー内の Dojo サンプル・プロジェクト。

MortgageUIProject のビルド・パスの変更

EGL ビルド・パスにより、EGL がロジック内の参照を解決しようとする際に調べるプロジェクトが決まります。 先ほどインポートしたプロジェクトを追加するには、以下のようにします。

  1. 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューで「MortgageUIProject」を右クリックし、「プロパティー」をクリックします。 「MortgageUIProject のプロパティー (Properties for MortgageUIProject)」ウィンドウの左側にある「EGL ビルド・パス」をクリックします。 EGL により、ワークスペース内のプロジェクトのリストが表示されます。
  2. com.ibm.egl.dojo.samples プロジェクトを選択します。 com.ibm.egl.dojo.widgets プロジェクトは既に com.ibm.egl.dojo.runtime.local プロジェクトのビルド・パスにあるため、選択する必要はありません。 操作終了後のビルド・パス・ウィンドウは、以下のイメージのようになるはずです。
    5 つのプロジェクトのうちの 4 つが選択されています。
    これらの選択は、プログラムにその他の詳細を提供する import ステートメントを編成する際に、EGL が、選択されたすべてのプロジェクトの中を確認して参照を解決することを意味しています。
  3. 「OK」をクリックします。

演習のチェックポイント

この演習では、以下のタスクを実行しました。
  • 住宅ローン・サービス用の EGL プロジェクトを作成しました。
  • Rich UI アプリケーション用の EGL プロジェクトを作成しました。
  • EGL Dojo サンプル・プロジェクトをインポートしました。
  • 2 つ目のプロジェクトの EGL ビルド・パスを調整しました。

次の演習では、毎月の住宅ローン支払金額を計算する専用サービスを作成します。

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