リソース関連パーツ

リソース関連パーツは一連の関連要素からなり、それぞれの要素には以下のような特性があります。
関連要素は、以下の例のように、階層関係にあるプロパティーと値のセットであると考えることができます。
  // 関連要素
  property:  fileName
  value:     myFile01

    // 複数のプロパティーを持つエントリー
    property:  system
    value:     aix
    property:  fileType
    value:     spool
    property:  systemName
    value:     employee

    // 2 番目のエントリー
    property:  system
    value:     win
    property:  fileType
    value:     seqws
    property:  systemName
    value:     c:¥myProduct¥myFile.txt
この例における論理ファイル名 myFile01 は、以下の物理ファイルに関連しています。

ファイル名は、有効な名前、アスタリスク、または有効な名前の後にアス タリスクという形式でなければなりません。 アスタリスクは、1 つ以上の文字に相当するワイルドカードであり、一連の名前を指定できます。例えば、ファイル名に以下の値が含まれている関連要素は、myFile という文字で始まるすべてのファイル名に関連しています。

  myFile*

プログラムで使われるファイル名に複数の要素が妥当する場合、EGL では該当する最初の要素が使用されます。 例えば、一連の関連要素が、以下のファイル名の値によって順番に示されるとします。

  myFile
  myFile*
  *

最後の値に関連付けられた要素について考えてください。 この場合、ファイル名の値は 1 個のアスタリスクのみです。このような要素はすべてのファイルに該当することが考えられます。 しかし、特定のファイルについて見ると、最後の要素は、 それ以前の要素がすべて該当しなかった場合にのみ該当します。 例えば、プログラムが myFile01 を参照する場合、参照の処理方法を定義する上で、 2 番目の要素で指定されたリンケージが 3 番目の要素よりも優先されます。

生成時に EGL は特定の 1 つの関連要素を選ぶとともに、最初の適切なエントリーを選択します。エントリーは、以下のいずれかの場合に適切と見なされます。

例えば、生成のターゲットが AIX であれば、EGL では aix または any を参照している最初のエントリーが使用されます。

ファイル・タイプ

ファイル・タイプは、関連要素の特定のエントリーに関して必要なプロパティーを判別します。下の表に EGL ファイル・タイプを示します。

ファイル・タイプ 説明
gsam GSAM データベースに関連付けられたシリアルまたは印刷ファイル
ibmcobol シリアル・ファイル、索引付きファイル、相対ファイルのいずれか。 ibmcobol は、以下の種類のコード用にサポートされます。
  • Windows プラットフォーム上の EGL デバッガー。
  • z/OS® 上にあるリモート VSAM ファイルへのアクセスを提供する、Windows または AIX プラットフォーム上で実行する EGL 生成の Java™ コード。
  • AIX 上にある VSAM ファイルへのアクセスを提供する、EGL 生成の Java コード。

ibmcobol は、Linux 上の EGL デバッガーではサポートされません。また、Windows あるいは AIX 以外のランタイム環境用に生成された EGL 生成の Java コードでもサポートされません。

mmsgq 複数セグメントのメッセージ・キューに関連付けられたシリアル・ファイル。
mq WebSphere® MQ メッセージ・キュー。このようなキューで作業する方法の詳細については、WebSphere MQ 資料を参照してください。
seq JCL の制御の下で (CICS® の下ではなく) z/OS 上で実行される、または iSeries® 上で実行される COBOL プログラムでアクセスされるシリアル・ファイル。 このタイプのファイルは、COBOL READ/WRITE 文によってアクセスされます。 z/OS では、データ・セットのアクセスは、 ファイル・タイプに seqrs を指定した場合よりも速くなります。ただし seq が指定されている場合には、以下の制限事項があります。
  • システム名は、JCL の DD 名と一致する DD 名でなければならない
  • ユーザーのコードは、実行時にシステム名を変更しない
seqrs JCL の制御 (CICS の制御ではなく) で z/OS 上で実行する COBOL プログラムによってアクセスされるシリアル・ファイル。この種類のファイルは、EGL ランタイムによってアクセスされます。 ファイル・アクセスは、ファイル・タイプとして seq を指定した場合よりも遅くなります。 ただし以下のような柔軟性が増します。
  • システム名を指定している場合には、DD 名またはデータ・セット名のいずれかを指定 できます。詳しくは、『関連要素』のトピックを参照してください。
  • システム名をオーバーライドするには、実行時にレコード固有の変数 resourceAssociation (ファイルの場合) 内の値、またはシステム変数 converseVar.printerAssociation (印刷出力の場合) 内の値を変更します。
seqws EGL 生成の Java プログラムがアクセスするシリアル・ファイル。
smsgq 単一セグメントのメッセージ・キューに関連付けられたシリアルまたは印刷ファイル
spool AIX、CICS、iSeries COBOL、または Linux のスプール・ファイル。
tempaux CICS 補助一時記憶域のキュー。
tempmain CICS 主一時記憶域のキュー。
transient CICS 一時データ・キュー。
vsam IBM® i 上で、タイプ vsam のファイルは、EGL 生成の COBOL プログラムによりアクセスされる、エミュレートされた VSAM ファイルです。
z/OS バッチの場合、このファイルは、EGL 生成の COBOL プログラムがアクセスする VSAM データ・セットです。 このデータ・セットは COBOL READ/WRITE ステートメントによりアクセスされ、データ・セットのアクセスは、vsamrs をファイル・タイプとして指定する場合よりも高速になります。 ただし vsam が指定されている場合には、以下の制限事項が適用されます。
  • システム名は、JCL の DD 名と一致する DD 名でなければならない
  • ユーザーのコードは、実行時にシステム名を変更しない
  • ファイル名と関連付けられた索引付きレコードは、get previous 文で使用できない。
vsam は IMS/VS ではサポートされません。
CICS 上で、タイプ vsam のファイルは、EGL 生成の COBOL プログラムによりアクセスされる VSAM データ・セットです。 このデータ・セットには、EXEC CICS コマンドによってアクセスします。 CICS では、以下を実行できます。
  • システム名を指定する際、CICS FCT 名を指定できます。
  • レコード固有の変数 resourceAssociation の値を変更することによって、実行時にシステム名をオーバーライドできます。
  • ファイル名と関連付けられた索引付きレコードを、get previous 文で使用することができます。

さらに vsam は、以下の種類のコード用にサポートされます。

  • Windows または Linux プラットフォーム上の EGL デバッガーからのリモート VSAM アクセス。
  • すべての EGL 生成の Java プログラムからのリモート VSAM アクセス。
vsamrs z/OS バッチおよび IMS™ BMP の場合、タイプ vsam のファイルは、EGL 生成の COBOL プログラムによりアクセスされる VSAM データ・セットです。 このデータ・セットは、EGL ランタイムによってアクセスされます。 ファイル・アクセスは、ファイル・タイプとして vsam を指定した場合よりも遅くなります。 ただし以下のような柔軟性が増します。
  • システム名を指定している場合には、DD 名またはデータ・セット名のいずれかを指定できます。詳しくは、『関連要素』のトピックを参照してください。
  • 実行時にレコード固有の変数 resourceAssociation (ファイルの場合) を変更することによって、システム名をオーバーライドできます。
  • ファイル名と関連付けられた索引付きレコードを、get previous 文で使用することができます。

ターゲット・ランタイム環境の有効なファイル・タイプ

以下のテーブルに、ターゲット・ランタイム環境に基づいた使用可能な有効ファイル・タイプを記載します。 ここには、ターゲット・ランタイム環境およびレコード・タイプのデフォルトのファイル・ タイプも示します。
ターゲット・ランタイム環境 IndexedRecord RelativeRecord SerialRecord 印刷フォーム
Java 生成
  • ibmcobol *
  • vsam
  • ibmcobol *
  • vsam
  • seqws*
  • ibmcobol *
  • vsam
  • seqws (1)
IMS/VS 該当なし 該当なし
  • smsgq*
  • mmsgq
  • smsgq*
IMS BMP
  • vsam
  • vsamrs*
  • vsam
  • vsamrs*
  • seq
  • seqrs*
  • vsam
  • vsamrs
  • gsam
  • smsgq
  • mmsgq
  • seq
  • seqrs*
  • smsgq
  • gsam
iSeries COBOL
  • vsam*
  • vsam*
  • seq*
  • vsam
  • seq*
  • spool
z/OS バッチ
  • vsam
  • vsamrs*
  • vsam
  • vsamrs*
  • seq
  • seqrs*
  • vsam
  • vsamrs
  • seq
  • seqrs*
  • gsam
z/OS CICS
  • vsam*
  • tempaux
  • tempmain
  • vsam*
  • spool
  • tempaux
  • tempmain
  • transient
  • vsam*
  • spool
  • transient*
デバッグ
  • ibmcobol*
  • vsam
  • ibmcobol*
  • vsam
  • ibmcobol
  • seqws
  • vsam
  • seqws (1)
前の表には、以下の内容が適用されます。
*
デフォルトのファイル・タイプを示します。
(1)
デフォルトでは、Java とデバッグでの印刷書式は、出力をファイルではなくプリンターに送信し、リソース関連は使用されません。

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