CICS のリモート VSAM サポートのインストールと構成

TCP/IP を使用して、EGL 生成の Java™ コードまたは EGL デバッガーから、リモートの z/OS® または z/VSE® システム上の VSAM ファイルにアクセスできます。通常、CICS® トランザクションを介してファイルにアクセスする場合は、CICS を使用して操作を制御します。

リモート VSAM サポートに合わせて z/OS、z/VSE、CICS、および Rational® Business Developer をセットアップするには、ホスト・システムに ELAVSHN VSAM ハンドラー・モジュールをインストールして構成する必要があります。以下の手順では、CICS Transaction Gateway が既にインストールされ、ターゲット CICS 領域に合わせて構成されていることを前提としています。CTG は、EGL 生成の Java コードまたは EGL デバッガーから TCP/IP を介してアクセスできるプラットフォームにインストールできます。CTG について詳しくは、CICS の資料を参照してください。

最新バージョンの Rational COBOL Runtime for zSeries をインストールしている場合は、ELAVSHN モジュールは既にインストールされています。『VSAM ハンドラーの検証』に進んでください。

z/OS への ELAVSHN の転送

  1. 次のデータ・セットを見つけます。
    installDir¥eclipse¥plugins¥com.ibm.etools.egl.vsam_version¥binaries¥
       cics¥EGL.VSAM.LOAD.TRS

    このデータ・セットには、ELAVSHN を含む EGL.VSAM.LOAD という名前の圧縮区分データ・セットが含まれています。

  2. バイナリー・モードの FTP を使用して、EGL.VSAM.LOAD.TRS を z/OS に転送します。 レコード長 1024、ブロック・サイズ 6144、および固定ブロック・レコード・フォーマットを使用します。
    1. セッションを開始します。
      ftp hostname
    2. プロンプトが出されたら、ユーザー名とパスワードを入力します。
    3. 以下のコマンドを入力します。
      quote site lrecl=1024
      quote site blocksize=6144
      quote site recfm=fb
      bin
      put EGL.VSAM.LOAD.TRS //EGL.VSAM.LOAD.TRS

VSAM ハンドラーの抽出

次に示す JCL を使用して EGL.VSAM.LOAD.TRS データ・セットを解凍します。このジョブにより、すべての必須属性が EGL.VSAM.LOAD モジュールに割り振られます。
//VSHNMAKE JOB CLASS=A,MSGCLASS=A,MSGLEVEL=(1,1),NOTIFY=&SYSUID
//* 
UNZIP    PROC DSN=
//*
//*--------
//UNPACK   EXEC PGM=TRSMAIN,PARM=UNPACK
//SYSPRINT DD SYSOUT=*
//INFILE   DD DISP=SHR,
//            DSN=&DSN..TRS
//OUTFILE  DD DISP=(NEW,CATLG),SPACE=(CYL,(2,2,20),RLSE),
//            DSN=&DSN
//         PEND
//*--------
//*
//UNTERSE  EXEC UNZIP,DSN=EGL.VSAM.LOAD

サンプル・フォルダーに、この JCL のコピーが EGL.VSAM.LOAD.TRS として含まれています。 この JCL の名前は EGL.VSAM.LOAD.JCL(VSHNMAKE) です。

ターゲット CICS 領域のセットアップ

  1. ターゲット CICS 領域の始動 JCL を編集し、DFHRPL リストに EGL.VSAM.LOAD JCL の項目を追加します。
  2. ターゲット CICS 領域にログオンし、言語オプションを COBOL に設定して ELAVSHN プログラムを定義およびインストールします。
    CEDA DEF PROGRAM (TEST) LANGUAGE (COBOL)
  3. オプション: ELAVSHN プログラムを実行するためにトランザクションを定義してインストールします。Rational COBOL Runtime により、このトランザクションに ELAV という名前が指定されますが、別の名前を割り当てることができます。
    CEDA DEF TRAN (ELAV) PROGRAM (ELAVSHN)
  4. ターゲット CICS 領域を再始動します。

これにより、CICS のセットアップが完了します。

VSAM ハンドラーの検証

セットアップを検証するため、ターゲット CICS 領域にログオンして ELAV トランザクションを実行します。次のメッセージが表示されます。
EGL REMOTE VSAM ACCESS. BUILD DATE yyyymmdd

このメッセージが表示されない場合は、このトピックの手順を再度確認してください。

VSAM データ・セット属性

各 VSAM データ・セットを CICS の FCT (またはファイル RDO エントリー) で定義する必要があります。属性の一部は、CICS でこのデータ・セットのアクセス許可する方法において、重要な役割を果たします。特別な理由がない限り、下の表に示すとおりに属性を設定してください。 EGL デバッガーで VSAM データ・セットに対して以下のアクションを実行する場合は、これらの値を使用してください。
  • 読み取り
  • 書き込み
  • 更新
  • 削除
  • 参照
表 1. VSAM データ・セットの属性
属性
LSrpoolid None
STRings 010 以降
追加 Yes
BRowse Yes
DELete Yes
読み取り Yes
Update Yes

EGL の構成

構成ステップは、以下のようになります。

  1. z/OS および z/VSE 上のリモート VSAM ファイルにアクセスするには、有効なユーザー ID とパスワードが必要です。
    • ファイルに EGL 生成の Java コードからアクセスする予定であれば、以下のようにします。
      1. 以下の EGL コマンドを使用して、ユーザー ID とパスワードを設定し、ステップ 5 に進みます。
        SysLib.setRemoteUser("auserid", "apassword");
      2. ステップ 5 に進みます。
    • ファイルに EGL デバッガーからアクセスする予定であれば、「EGL 設定」で ID とパスワードを保管します。 「ウィンドウ」 > 「設定」 > 「EGL」 > 「デバッグ」とクリックします。
  2. 「リモート・ユーザー」フィールドに有効な ID を入力します。
  3. 「リモート・パスワード」フィールドに有効なパスワードを入力します。
  4. 「OK」をクリックし、設定を保存して終了します。
  5. EGL 生成の Java コード用およびデバッグ用にリソース関連パーツを作成し、アクセスを予定している各 VSAM データ・セット用の関連要素を追加します。
    • デバッグのために systemwin に設定し、その要素をランタイム用のターゲット・プラットフォームに対して設定します。
    • fileTypevsam または ibmcobol を設定します。
    • 以下のフォーマットを使用して、systemName を設定します。
      CTG:¥¥install_dns_or_ip:port¥cics_region¥dataset
      install_dns_or_ip
      CTG がインストールされている場所 (全プラットフォーム共通)
      port
      CTG が listen するポート
      cics_region
      CTG で定義されているターゲット CICS 領域
      dataset
      FCT または CICS 領域のファイル RDO エントリーで定義されている VSAM ファイルの名前
      例:
      CTG:¥¥ANETNAME:2006¥ACICSREG¥AVSAMFIL
      CTG:¥¥ZOSMVS01:2006¥CICS01¥ORDERS
      CTG:¥¥192.168.123.12:2006¥CICS01¥ORDERS
  6. ランタイムおよびデバッグ用のビルド記述子で、resourceAssociations オプションが、前のステップで作成したリソース関連パーツの名前に設定されていることを確認します。
  7. ctgclient.jar ファイルが実行時にアクセス可能であることを確認します。 以下のいずれかの方法で、ctgclient.jar アーカイブをクラスパスに追加することができます。
    • プロジェクト名を右クリックし、「プロパティー」 > 「Java のビルド・パス」をクリックする。「ライブラリー」タブをクリックし、「外部 JAR の追加」をクリックし、ctgclient.jar ファイルを見つける。
    • 「ウィンドウ」 > 「設定」 > 「EGL」 > 「デバッグ」とクリックする。 「クラスパスの順序」セクションで「JAR の追加」をクリックし、ctgclient.jar ファイルを見つける。

フィードバック