ファイル位置標識は概念的なエンティティーであり、本書では、入出力操作における特定の順序の中で所定のファイル内でアクセスされる次のレコードを正確に把握しやすくするために使用しています。ファイル位置標識の概念は、出力または拡張モードでオープンするファイルには使用できません。
ファイル位置標識の設定は、次のような OPEN、READ、RETURN、ROLLBACK および START ステートメントの影響だけを受けます。
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- 動的アクセス READ FIRST ステートメントでは、ファイル位置標識はファイルの最初のレコードを示す位置に置かれ、そのレコードは使用可能になります。
- 動的アクセス READ LAST ステートメントでは、ファイル位置標識はファイルの最後のレコードを示す位置に置かれ、そのレコードは使用可能になります。
- 動的アクセス READ PRIOR ステートメントでは、ファイル位置標識はファイルの前の既存レコードを示す位置に置かれ、そのレコードは使用可能になります。
End of IBM Extension
- RETURN ステートメントでは、次の考慮事項が適用されます。
- 最初の RETURN ステートメントは、ファイル位置標識をファイルの最初のレコードに位置付け、そのレコードが使用可能になります。
- 前の RETURN ステートメントがファイル位置標識を位置付けた場合、ファイル位置標識はファイル内の次の既存レコードを指すよう更新され、そのレコードが使用可能になります。
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ROLLBACK ステートメントでは、コミットメント制御下にあるファイルに次の考慮事項が適用されます。
- ROLLBACK ステートメントは、ファイル位置標識を先のコミットメント境界のポインターの位置に設定します。順次処理を行っている場合には、このことを覚えておくことが大切です。
- ファイル位置標識は、ファイルがオープンされてから COMMIT ステートメントが出されていない場合には、OPEN のポインターの位置に設定されます。
- ファイル位置標識は、コミットメント制御下にはあるがオープンされていないファイルには定義されません。
End of IBM Extension
- START ステートメントは、START ステートメントで指定された暗黙または明示の比較条件を満足させるファイル内の最初のレコードに、ファイル位置標識を位置付けます。
ファイル位置標識の概念は、ランダムのアクセス・モードのファイルまたは TRANSACTION ファイルには使用できません。