Eclipse プラグイン・フレームワークを活用してユーザー独自のプラグインを作成することにより IBM Rational Developer for Power Systems Software の機能を 拡張できます。
ユーザー独自のプラグインを作成することが好都合となることがある一般的なケースの 1 つとして、 出来合いでサポートされているデフォルトのビルド・ツールやコンパイラーではなく カスタムのビルド・ツールやコンパイラーを使用する場合が考えられます。 この場合、独自のエラー・パーサー・プラグインを作成して、ビルド・ツールとの統合を向上させることができます。
エラー・パーサーの仕事は、コンパイラーやビルド・ツールの出力にある警告、エラー、および他の重要なメッセージを認識し、 それらに対して「問題マーカー」オブジェクトを作成することです。 「プロジェクト・エクスプローラー」ビュー、「問題」ビュー、およびエディターでは、 問題マーカーはエラー・アイコンまたは警告アイコンとして表示されます。

最初のステップでは、プラグインを作成するための環境をセットアップします。 これが完了したら、エラー・パーサー・プラグインの作成方法に関するセクションに進んでください。
IBM Rational Developer for Power Systems Software には、Eclipse プラグインの開発に必要なコンポーネントが付属していません。 最初のステップでは、この機能を持つ Eclipse ディストリビューションをダウンロードしてインストールします。 www.eclipse.org/downloads にアクセスして、 「Eclipse Classic」ディストリビューションをダウンロードします。 これには Eclipse プラットフォーム、Java Development Tools (JDT)、および Plug-In Development Environment (PDE) が含まれています。
Eclipse をインストールするときに必要な作業は、ダウンロードした zip ファイルを、選択したロケーションに解凍することだけです。 それ以外の作業は必要ありません (ただし、Java Runtime Engine がインストールされていることは確認する必要があります)。 このファイルを unzip すると、「eclipse」という名前のディレクトリーが作成されます。 例えば Windows の場合、この zip ファイルをルート・ディレクトリー (C:¥ など) に解凍すると、Eclipse は C:¥eclipse にインストールされます。
Eclipse は一種の Java プログラムであるため、Eclipse を実行するには Java をインストールしておく必要があります。 Eclipse は、多くの Java 仮想マシンで実行できます。 公式には、Eclipse には Java バージョン 5 (1.5 としても知られています) が推奨されていますが、 多くの Eclipse ユーザーは、それより新しいバージョンである 6 (1.6) を使用しています。
Eclipse を実行するには、Eclipse ルート・ディレクトリーの「eclipse」実行可能ファイルを実行します。
例えば Windows の場合、eclipse.exe ファイルを実行します。
Eclipse のインストールや実行に問題が生じた場合、以下のリンクにアクセスして詳細を調べてください。
FAQ: Where do I get and install Eclipse?
FAQ: I unzipped Eclipse but it won't start
FAQ: Known Issues
Eclipse には、Java 開発に Eclipse を使用する方法についての完全な文書など、豊富なヘルプ文書が付属しています。 メニューから「ヘルプ」>「ヘルプ目次」を選択して、Eclipse ヘルプ・システムを有効にしてください。 「Java development user guide」という名前のカテゴリーがあります。 そこには、Java 開発に Eclipse を使用する方法についての文書が含まれています。
インストールした IBM Rational Developer for Power Systems Software コピーに対して新規プラグインを作成するには、 このコピーをターゲット・プラットフォームとして使用するよう Eclipse を構成する必要があります。 これを行うには、まずグローバル設定を開き (「ウィンドウ」>「設定」)、次にターゲット・プラットフォーム設定ページにナビゲート (「プラグイン開発」>「ターゲット・プラットフォーム」) します。
最初に、新しいターゲット定義を作成します。 「追加」ボタンをクリックして「新規ターゲット定義」ダイアログを開きます。

「何もしない」オプションを選択して新しい空のターゲット定義を作成し、「次へ」をクリックします。 このターゲット定義に名前を付けます。 「ロケーション (Locations)」タブで「追加」ボタンをクリックします。 「コンテンツの追加」ダイアログが開きます。

プラグインのソースとして「インストール」を選択し、「次へ」をクリックします。
「参照」ボタンをクリックして、IBM Rational Developer for Power Systems Software がインストールされているフォルダーにナビゲートします。 SDP ディレクトリーを選択して、「終了」をクリックします。 その後、このプロセスをもう一度繰り返して、SDPShared ディレクトリーも追加します。

ターゲット定義は以下のようになります。

最後に、新規ターゲット定義をアクティブに設定して、「終了」をクリックします。

作成したプラグインをテストおよびデバッグするには、IBM Rational Developer for Power Systems Software を Eclipse 内から 起動できるようにする必要があります。 これを行うには、実行構成を作成します。 「実行の構成」ダイアログを開きます (「実行」>「実行の構成」)。
「Eclipse アプリケーション」をダブルクリックします。 新しい実行構成が作成されます。 ターゲット・プラットフォームが正しく構成してあれば、新しい実行構成は正しいデフォルト値で初期化されます。

「メイン」タブの「実行するプログラム」セクションで「com.ibm.rational.rdaix.product.ide」が選択されていることを確認します。
ダイアログの下部にある「実行」ボタンをクリックして、IBM Rational Developer for Power Systems Software を起動します。 新しいインスタンスが起動し、新しいワークスペースに接続されます。 プロジェクトが入っていない空のワークスペースが表示されます。
オプション: 既存のワークスペースを再利用したければ再利用できます。 「実行の構成」ダイアログの「メイン」タブにあるワークスペース・ロケーション・フィールドを変更して、 既存のワークスペースを指すようにします。 IBM Rational Developer for Power Systems Software の 2 つのインスタンスを、同じワークスペースを使用して同時に実行することはできません。 現在、このヘルプ文書を実行中のインスタンス内から表示している場合、同じワークスペース上で別のインスタンスを起動しようとすると、 ワークスペースがロックされていることを示すエラー・ダイアログが表示されます。 このヘルプ文書を印刷して現在実行中のインスタンスをシャットダウンすることなどが必要と考えられます。
新しく作成された実行構成は、作成したプラグインのデバッグにも使用できます。 メニューから「ヘルプ」>「ヘルプ目次」を選択して、Eclipse ヘルプ・システムを有効にしてください。 「Java development user guide」という名前のカテゴリーがあります。 そこには、Java デバッガーの使用方法に関する文書が含まれています。
エラー・パーサー・プラグインの作成のみを行う場合、エラー・パーサー・プラグインの作成方法に関するセクションに進んでください。
高度な処理を実現する一層興味深いプラグインを作成する予定の場合、Eclipse プラグイン開発についてさらに詳しく理解する必要があります。 インストールした Eclipse インスタンスには、Eclipse プラグインの作成方法に関する文書が含まれています。 メニューから「ヘルプ」>「ヘルプ目次」を選択して、Eclipse ヘルプ・システムを開いてください。 「Platform Plug-in Developer Guide」という名前のカテゴリーに、Eclipse プラグインの作成方法に関する文書が含まれています。 また、詳細な文書は eclipse.org でも入手できます。