PDM および SEU から RSE およびリモート・システム LPEX エディターへの移行

PDM とリモート・システム・エクスプローラー、SEU とリモート・システム LPEX エディター、PDM と SEU では使用不可である、リモート・システム・エクスプローラーとリモート・システム LPEX エディターの拡張機能の類似性について説明します。RSE とリモート・システム LPEX エディターを使用して IBM® i で通常最もよく行われるタスクを完了する方法と、それらのツールがなぜ PDM と SEU よりも良いのか説明します。

PDM 入門

PDM での作業を開始するには、通常以下のことをします。
  1. エミュレーターを開始する
  2. サインオンする
  3. STRPDM コマンド、または WRKxxxPDM コマンドのうちの 1 つを出す

PDM では、WRKxxxPDM コマンドは、前に入力したパラメーターのみ記憶しているので、よく使用するパラメーターを繰り返し入力する必要があります。 PDM では、一度に 1 つのライブラリーのオブジェクトと 1 つのファイルのメンバーしか見ることができず、複数のライブラリー、オブジェクト、およびメンバーを同時に処理することはできません。この目標を達成するには、いくつかのエミュレーターを実行し、同時にいろいろな項目リストを処理できるようにします。

RSE の開始方法

RSE での作業を開始するには以下のことをします。
  1. ワークベンチを開始します
  2. プロンプトが出されたら、ワークスペースを指定します。
  3. ワークベンチが起動したら、リモート・システム・エクスプローラー・パースペクティブになっていることを 確認します。

    「ウィンドウ」 > 「パースペクティブを開く」 > 「リモート・システム・エクスプローラー」RSE パースペクティブ

  4. 次に接続を作成する必要があります。
  5. 接続の作成』を参照してください。

接続の作成は、エミュレーター・セッションを定義することと同等です。複数の接続を同じ IBM i に定義することができますが、さらに、例えば異なるユーザー ID およびパスワード、初期ライブラリー・リストなどを保存して、 接続開始のためのさまざまな構成を含むこともできます。

ヒント:
  • 接続を作成するときは、デフォルト・プロファイルを事前に入力したままにします。デフォルト・プロファイルを 使用して、他のユーザーと接続を共有したり、フィルター・プールを使用したりすることができます。
  • ホスト名を指定する場合、IP アドレスを指定するか、(必要に応じて) 完全修飾名を指定することができます。
  • ホスト名を検証 (Verify host name)」チェック・ボックスによって、実際に指定した IBM i に接続できることを確認します。必要な PTF がすべて IBM i にインストールされているか確認するには、接続 (作成後) の下にあるオブジェクト・サブシステムを右クリックして、「接続の確認」を選択します。これにより、必要なすべてのポートが開いており、コールバックを実行することができ、必要なホスト PTF が適用されることを確認します。
  • 接続の開始プロパティーを定義するには、接続を右クリックして、「プロパティー」を選択します。

サブシステム

接続を展開して最初に気付くのは、サブシステムのリストでしょう。

リモート・サブシステム

IBM i の接続には 5 つの異なるサブシステムがあります。
  1. オブジェクト・サブシステム: これは、ライブラリー、オブジェクト、およびメンバーにアクセスするのに使用します
  2. コマンド・サブシステム: デフォルトでは、このサブシステムには、リモート・オブジェクトに対して実行するために 使用できる事前定義コマンドのセットがあらかじめ定義されています。 また、コマンド・セット、および独自のコマンドも定義できます。 結果は、「コマンド・ログ」ビューにログが記録されています。
  3. ジョブ・サブシステム: このサブシステムを使用して、ジョブをリストします。ジョブ属性でサブセットを定義することができ、保留、再開、終了などのジョブ操作を実行できます。
  4. IFS ファイル・サブシステム: IFS ファイルとフォルダー構造を探索して、それらの操作を実行します。
  5. Qshells サブシステム: 接続用のアクティブになっている実行中 Qshell のリストにアクセスし、 このサブシステムを使用して Qshell を開始します。『「リモート・シェル」ビューを使用したコマンドとシェルの実行および表示』を参照してください。

接続が含まれているビューは「リモート・システム」ビューと呼ばれます。これは、Windows のファイル・エクスプローラーの機能によく似ています。必要な項目へのアクセスを取得するには、正の符号 (+) をクリックしてドリルダウンします。例えば、*LIBL フィルターを展開し、ライブラリー・リスト内のすべての ライブラリーを表示してから、ファイルを展開してそのメンバーすべてを表示します (PDM のオプション 12 に似ています)。

フィルター

サブシステムを展開すると、そのサブシステムのフィルターのリストが表示されます。フィルターは、指定、再利用、および共用ができる項目のリスト名です。 フィルターによって、不要な項目が「フィルターに掛けられ」ます。フィルターを作成するとき、PDM のような汎用値を使用し、必要な数だけフィルターを設定することができます。各サブシステムごとにフィルターを作成できるので、IFS ファイル、ローカル・ファイル、オブジェクトなどのフィルターを持つことができます。

ヒント:
  • 項目がコンテナー (コンテナーの例としてライブラリーおよびファイルがあります) である場合、 常にフィルター内をドリルダウンすることができます (PDM オプション 12)。
  • PDM と違い、汎用値の複数レベルを指定できます。例えば、フィルターを作成する場合、ライブラリー BOB、ファイル QRPG* メンバー A* を指定します。
  • フィルター名を指定するページには細心の注意を払ってください。このページでは、フィルターが指定した接続専用であるかどうか、またはすべての接続に表示されているかを選択します。 また、他のユーザーとフィルターを共有したい場合は、プロファイルを指定することもできます。

フィルターは名前であり、接続とともに保管されているため、WRKxxxPDM コマンドの前のパラメーターのみが記憶されている PDM とは異なり、RSE では、すべてのフィルターがセッション間で維持されています。

フィルター・ ストリング

最初に作成されたときには、フィルターは、フィルター・ストリングを 1 つだけ含んでいます。フィルターのプロパティーを変更することで、フィルター・ストリングを追加できます。 フィルター・ストリングは、より複雑なリストを生成するための機能を提供します。例えば PDM では、単一ライブラリーの 1 つのソース物理ファイルにのみメンバーをリストすることができます。1 つのフィルター内で複数のフィルター・ストリングを 使用することにより、異なるファイル内、さらに単一の指定フィルター内の異なるライブラリー内に メンバーをリストすることができます。

ヒント:
  • フィルターには、同じタイプの項目が含まれている必要があります。例えば、 同じフィルター内にオブジェクトとメンバーをリストすることはできません。
  • プロジェクトまたはアプリケーションごとに、項目をフィルターにグループ化します。例えば、フィルター・ストリングを追加すると、RPG および COBOL ファイルと同じリストに DDS メンバーを表示できます。
  • メンバーのフィルター操作』を参照してください。

「リモート・システム」ビュー

前述のとおり、「リモート・システム」ビューは、アプリケーションを開発するためにアクセスする必要があるオブジェクトにナビゲートし、リストする場合に使用することができます。それらの項目の子を表示するには、ドリルダウンするか項目を展開します。右クリックしてポップアップ・メニューで使用可能なアクションにアクセスします。 ドラッグ・アンド・ドロップ、コピー、貼り付け、削除、および名前変更などの標準のアクションはすべて、ポップアップ・メニュー (右クリック) で選択可能です。 これらのオプションは、PDM に比べてかなり強力です。コピーして貼り付け、またはドラッグ・アンド・ドロップを使用して、メンバーやオブジェクトさえも、ある IBM i から別の IBM i までコピーまたは移動することができます (SAVOBJ や FTP はもう不要!)。ポップアップ・メニューには、項目で実行可能なその他の多数のアクションが含まれており、独自の追加アクションも作成することができます。

ユーザー・アクション』と『項目の取り扱い』を参照してください。

「オブジェクト・テーブル」ビュー

「リモート・システム」ビューは、PDM ユーザーにはぎこちなく感じられることがよくあるため、接続とフィルターを作成した後は、ユーザーは「オブジェクト・テーブル」ビューの方にいることが多くなるかもしれません。「オブジェクト・テーブル」ビューは、PDM ユーザーにとってはより使いやすいインターフェースです。ユーザーは、リモート・システム・エクスプローラー・パースペクティブの下部にある「オブジェクト・テーブル」タブを選択するか、「リモート・システム」ビューのポップアップにある「テーブルでの表示ビュー」アクション項目を選択すると、ビューを直接開くことができます。リストを生成するために「処理」メニューを、WRKxxxPDM コマンドと同様の方法で使用することができます。「処理」メニューは、「オブジェクト・テーブル」ビュー内の前に表示されたリストの小さな一覧 (10) (PDM よりもよい) を保持しています。「オブジェクト・テーブル」ビューの下部にコマンド行が表示され、PDM のように、アクションのコマンドまたはパラメーターを入力することができます。

「オブジェクト・テーブル」ビュー

「オブジェクト・テーブル」ビューにどの列を表示するかは変更することができます。PDM の F14 よりもカスタマイズしやすく、任意のそれぞれの列の非表示、または表示を選択できます。 文字を入力すると、「配置先」ダイアログが表示されます。このダイアログにより、必要な項目に素早くスクロールできます。

ヒント:
  • 列見出しをクリックすると、その列でソートします。
  • 「テーブルでの表示」ビューを使用して、「オブジェクト・テーブル」ビューのフィルター・コンテンツを表示します。
  • コマンド行を縮小表示すると、画面がすっきりしてより多くの項目を表示できます。
  • オブジェクト・テーブル」タブをダブルクリックして、ビューを フル・ワークベンチ・ウィンドウに最大化します。これで、1 つの画面に表示される項目が増えます。
  • フィルターを使用すると複雑なリストを生成でき、「処理」サブメニューを使用すると あまり頻繁に使用しないリストまたは単純リストへアクセスできます。

「オブジェクト・テーブル」ビュー・アクション

「リモート・システム」ビューと同様に、「オブジェクト・テーブル」ビューは、内部の項目で呼び出すことが可能なアクションがあります。 「リモート・システム」ビューと同じく、アクションへのアクセスは、ポップアップ・メニューで右マウス・ボタンをクリックすることにより可能になります。「オブジェクト・テーブル」テーブル・ビューからポップアップで、アクションのリストを PDM オプション番号と共に表示して、そのメニューをわかりやすいものにします。「ユーザー・アクション」メニューを使用して、独自のアクションを作成および追加します。「テーブル」ビューまたは「リモート・システム」ビューの いずれかに追加されたユーザー・アクションは、両方のビューの「ユーザー・アクション」メニューに表示されます。

「オブジェクト・テーブル」ビュー・ポップアップ・メニュー

ヒント:
  • 「オブジェクト・テーブル」ビュー内から「テーブルでの表示」アクションを使用して、ライブラリーのリストからオブジェクトのリストに移動するなど。(PDM オプション 12)
  • メンバーをダブルクリックして、編集モードのリモート・システム LPEX エディターで開きます。
  • 項目名をクリックすると、「テーブル」ビュー内の編集セルが直接開き、素早く項目の名前を変更できます。記述列、およびメンバー・タイプ列も編集可能で、これらの列にある値も素早く変更できます。
  • 「オブジェクト・テーブル」ビューか「リモート・システム」ビューのポップアップ・メニューで、「プロパティー」メニュー項目を選び、オブジェクト・プロパティー (PDM のオプション 8) にアクセスします。
  • 「オブジェクト・テーブル」ビューのオブジェクトの管理』を参照してください。

ユーザー・アクション

ユーザー・アクション (PDM の F16) によって、「オブジェクト・テーブル」ビューと「リモート・システム」ビューを使用するアクションで拡張することができます。独自のアクションを作成し、そのアクションで実行するコマンドのプロンプトを出すことができ、コマンドを実行する方法を定義できます。

注: RSE には次の 3 つのコマンド・モードがあります。
  1. 通常: RSE ジョブはバッチで実行するので、通常モード (この場合は即時) でも、STRPDM のような対話式コマンドを実行できません。
  2. バッチ: コマンドは新規バッチ・ジョブにサブミットされます。
  3. 対話式: コマンドは STRRSESVR ジョブで対話式に実行されます。
アクションの作成時には、他のいくつかに加えて、PDM で使用可能な、同じ置換変数 (例えば、&L、&N) も RSE で使用可能です。「変数の挿入」ボタンを使用して、使用可能な変数のリストを表示します。アクションはカスタマイズ可能で、以下のことができます。
  • 実行後に、アクションが「リモート・システム」ビューまたは「オブジェクト・テーブル」ビューをリフレッシュするかどうか指定します。
  • コマンドを呼び出すのは、選択されたオブジェクトごとに 1 回か、またはすべてのオブジェクトに対して 1 回かを 指定できます。これにより、PDM よりも高い柔軟性を実現します。例えば、RSE で「保存オブジェクト」アクションを定義すると、 いくつかのオブジェクトを選択できるようになり、起動時に単一のコマンドが 生成されて、選択されたすべてのオブジェクトが 1 つの保存ファイルに保存されます。
  • PDM とは異なり、アクションは適切なタイプに対してのみ表示されるように詳細化できます。 事前定義された複数のタイプがありますが、ユーザー・タイプは容易にリストに追加できます。例えば、*PGM オブジェクトのみ、または RPGLE メンバーのみに対するアクションを追加できます。
  • アクションに対して実行するように CL コマンドを定義するときに、選択プロンプトを使用することができます。

RSE ユーザー・アクションの利点の 1 つはアクションに名前を付けられることで、PDM での 2 文字よりも使用および記憶しておくのが容易になります。

コマンド行

「オブジェクト・テーブル」ビューにはコマンド行が含まれています。

コマンド行と「オブジェクト・テーブル」ビュー

コマンド行を使用して任意のコマンドを実行することができます。または、「オブジェクト・テーブル」ビューで、PDM オプションの追加パラメーターを指定することができます。 任意のコマンドの結果は、メッセージ・フィールドに表示されます。 次の使いやすい PDM キーを使用できます。
  • F9 で最後のコマンドを取得
  • F4 でコマンドのプロンプトを出す

ログの表示」ボタンを使用して「コマンド・ログ」ビューを表示することができます。

「コマンド・ログ」ビュー

コマンド実行モードも選択できます。

ヒント:

コンパイル

コンパイル・アクション (PDM オプション 14 と 15) は 2 つのメニューにグループ化されます (プロンプトを使用するものと使用しないもの)。 独自のコンパイル・コマンドをコンパイル・メニューに追加できます。これはユーザー・アクションの追加とほとんど同じです。

新規コンパイル・コマンドの作成

コンパイル・アクションは他のアクションと異なります。コマンドの結果自体はコマンド・ログに表示されますが、イベント・ファイルをサポートするコマンドについては、コンパイラーで生成されたエラーが「エラー・リスト」ビューに表示されます。

ヒント:
  • 追加のコマンド実行設定は、「ウィンドウ」 > 「設定」 > 「リモート・システム」 > IBM i > 「コマンド実行」設定ページ (PDM F18 と類似) で見つかります。
  • コンパイル・コマンドは、ホストと同じデフォルトを使用します。
  • コンパイル・アクションは、メンバー・タイプにより最後に使用したコンパイル・コマンドを記憶しています。
  • 独自のコンパイル・コマンドを追加して、それを適用する必要があるソース・タイプを指定したり、 プロパティーおよび CL コマンド・パラメーターを変更して既存のコンパイル・コマンドを詳細化したりできます。
  • デフォルトは、バッチでのコンパイルです。「コマンド実行」設定を使用して 追加 SBMJOB パラメーターを指定したり、通常の実行への切り替えたりすることもできます (前に述べたとおり、RSE ジョブはバッチで実行するため、これは技術的には対話式でないことに注意してください)。
  • プログラムのコンパイル』を参照してください。

検索中

RSE では以下の 2 つの検索方法があります (PDM オプション 25、FNDSTRPDM)。
  1. 検索メニュー・オプションから (その後、IBM i を選択)
  2. 「リモート・システム」ビューおよび「オブジェクト・テーブル」ビューでの「ストリングの検索」アクションから

RSE では、ライブラリー、ファイル、およびメンバーだけでなく、フィルターも検索できます。 つまり、非常に柔軟な検索パターンを使用して検索できるということです。例えば、それらの検索対象のフィルター・ストリングを含むフィルターに、ストリングの検索アクションを呼び出すことで、ライブラリー MYLIB の QRPGLESRC ファイルにあるすべてのメンバーやライブラリー PROJECT の PRJA* ファイルにあるメンバー A* を検索できます。 これは、PDM での単一操作、または FNDSTRPDM コマンドの使用があるため不可能です。

検索ダイアログ

検索パラメーターは FNDSTRPDM と同様で、FNDSTRPDM コマンドを使用して結果を生成します。

検索結果は「リモート検索」ビューに表示され、このビューには 検索の履歴が含まれます。PDM では、検索結果およびメンバーは一致した順に一度に 1 つずつ 表示可能です。RSE では、すべての検索結果のリストは 1 箇所に表示され、目的とするどのメンバーでも最初に開くことができ、決定したメンバーのどの一致も使用できます。「リモート検索」ビューにより、 ポップアップ・メニューを介してメンバーおよび一致を除去することで、 結果リストを管理することができます。

「リモート検索」ビュー

ヒント:

リモート・システム LPEX エディター

前述のとおり、リモート・システム LPEX エディターは、メンバーをダブルクリックすることで、「リモート・システム」ビュー、「オブジェクト・テーブル」ビュー、「リモート検索」ビューから編集モードで素早く起動することができます。しかし、メンバー上のポップアップ・メニューを使用して、開く (PDM オプション 2) または参照 (PDM オプション 5) のために、エディターを起動することもできます。

リモート・システム LPEX エディターは、基本 LPEX エディターに基づいており、IBM i に固有の機能が含まれます。

エディターを開いて最初に SEU と違うと気付くのは、ソースの色の使用です。 これはトークン化と呼ばれる、言語トークンを区別しやすくするための言語トークンの 色付けです。

「アウトライン」ビューとエディター

また、メンバーのシーケンス番号を含む接頭部域にも気付くでしょう。リモート・システム LPEX エディターの接頭部域は、SEU コマンドをサポートしています (例えば、CC、B、A、LL、など)。

DDS、RPG、COBOL、および CLP、CLLE 言語に関しても、「アウトライン」ビューが表示されることに気付くでしょう。「アウトライン」ビューには、プログラムの概要が表示され、プログラム内でのナビゲートに使用できます。

ヒント:

表 1. リモート・システム LPEX エディター対 SEU: A 基本の比較
SEU リモート・システム LPEX エディター
ブラウズ時のみフルスクリーン・モード (F13) 編集およびブラウズの両方でフルスクリーン・モード (「エディター」タブをダブルクリック)。 しかし、リモート・システム LPEX エディターでは、SEU よりもより多くの行がフルスクリーンで表示されます。
画面の分割およびブラウズ 編集およびブラウズ用に画面を分割:
  • 「エディター」タブをドラッグ・アンド・ドロップし、一度に複数のメンバーを表示
  • 「エディター」ビューのポップアップ、または Ctrl+2 を使用して、同じメンバーの異なる部分を処理するために、現行の「エディター」ビューを分割 (最大 5 個まで分割可能)
日付域: 右側にあり、常に使用可能 日付域は次のシーケンス番号で表示されます。デフォルトではオフですが、設定またはポップアップ・メニューから使用可能にできます。
印刷: STRSEU、オプション 6 ファイル・メニューまたは Ctrl+P から印刷できます

「エディター」ビュー、分割画面、および日付域

構文検査、プロンプト、およびヘルプ

SEU と同様に、リモート・システム LPEX エディターには、自動構文検査機能があります。しかし SEU とは異なり、すべての構文エラーは最初のものだけではなく即座に表示されます。エラーは「エディター」ビューに組み込まれており、エラーを表示するために画面を下までスクロールする必要はありません。 リモート・システム LPEX エディターは、最新の言語構文を使用して、DDS、RPG および COBOL の構文を検査します。SQL および CL の構文検査には、アクティブな接続が必要です。CL は構文情報をキャッシュに入れるため、キャッシュに入れられた情報が存在する場合、 切断された状態でも構文検査が可能です。

構文チェック・ファイルにソースの構文エラーが表示されている

ヘルプ (SEU とリモート・システム LPEX エディターの両方の F1) は、単なるエラーだけでなくソースも選択可能です。コンテキスト・ヘルプは、F1 をリファレンス・マニュアルとリンクするため、編集中のものを正確にヘルプすることが可能です。例えば、ILE RPG 命令コードの F1 は、その命令コードのヘルプを立ち上げる場合、このタイプのヘルプは SEU ではそもそも使用不可です。リファレンス・マニュアルも、最小化され、印刷したものが必要である場合、リモート・システム LPEX エディターの「ソース」メニューからすぐにアクセス可能です。

命令コードのヘルプ

SEU と同様に、F4 は、リモート・システム LPEX エディターで編集中にプロンプトを出すことができます。CL 以外の言語に対して、「プロンプト」ビューが開き、ご使用のソースを変更できます。 CL の場合、モーダル・ウィンドウが開き、プロンプトが出されます。 コンテキスト・ヘルプ F1 は、すべてのプロンプトから使用可能です。

「ソース・プロンプター」ビュー

メンバーの編集』を参照してください。

検査装置と「エラー・リスト」ビュー

構文検査は、入力した行にエラーが無いことを確認しますが、リモート・システム LPEX エディターはベリファイヤーと呼ばれる追加の検査を提供します。 ベリファイヤーは同じ構文検査を行いますが、オブジェクトを生成しないで、コンパイラーが行う 意味構造検査を行います。つまり、宣言されていない変数を使用しようとすると、 ベリファイヤーがそれを通知するということです。

ベリファイヤーの機能は、「ソース」メニューから、または Ctrl+Shift+V を押すことで、COBOL、RPG および DDS について使用可能になります。 「ソース」メニューを使用して、プロンプトを検証し、追加のオプションを指定します。

検査で検出されたエラーは、コンパイルから出力されたエラーと全く同じようにそのまま「エラー・リスト」ビューに表示されます。

「エラー・リスト」ビュー

「エラー・リスト」ビューによって、ダブルクリックで、エラーが「エディター」ビューに挿入されます。F1 を使用してエラーのヘルプを取得し、「ビュー」メニューを使用して、 表示したくないエラーをフィルター操作できます (例えば、通知メッセージを無視したい場合)。メニューを使用して、エラー・メッセージを「エディター」ビューに挿入するかどうか、およびその方法を指示することもできます。

挿入されたエラーをクリーンアップするには、エディターから Ctrl+F5 を使用してリフレッシュできます。これにより、以下の事柄が行われます。
  • 構文、ベリファイヤー、またはコンパイル・エラーを除去する
  • 任意の除外された行をクリアする

または、「ソース」メニューから「メッセージ除去」メニュー・オプションを使用できます。

「エラー・リスト」ビューは、TODO リストとして使用することもできます。行を変更した場合、行には、その行が削除されていることを示すために「X」でマーク付けされているか、エラーが検出されていることを示すためにチェック・マークが付けられています。 もう一度検査することによって、エラーが本当に修正されていることを確認できます。

ベリファイヤーを使用すると、SEU と比べて次の利点があります。
  • 実際にコンパイルを行う前に、クリーン・コンパイルを保証できます。このことは、コンパイルをオフピーク時のみで行う必要のあるマシンにとって重要です。
  • オフラインで作業している場合、ご使用の IBM i に再接続する時にコンパイルするソースで作業していることを確認できます。
「エラー・リスト」ビューにも、(コンパイル結果またはコンパイル検査のどちらに使用するかにかかわらず) 以下のようないくつかの利点があります。
  • スプール・ファイルおよびソース間でスイッチしたり、同時に表示するために 2 つのエミュレーターを開いたりする必要はありません。すべてのエラーをソースに挿入することができます。
  • TODO リストとして使用する場合、すべてのエラーが 1 回で対処されているかを簡単に確認できます。すべてのエラーに対処するまでに、エラーを修正し、再コンパイルし、再度修正を繰り返すなどの作業は必要ありません。
  • /COPY メンバー、RPG の /INCLUDE メンバー、または COBOL のコピーブックでエラーが発生した場合、エラーをダブルクリックすると、1 次ソース・メンバーと同様、素早くそのメンバーが開き、エラーが挿入されます。
  • エラーの F1 ヘルプにより、リファレンス・マニュアルを取り出さずにエラーを素早く修正することができます。
  • (通知メッセージや警告メッセージなどの) 表示したくないメッセージを非表示にできる設定を使用すると、重要なエラーを素早く検出されていることを確認するのが容易になります。
  • 確認』および『「エラー・リスト」ビュー』を参照してください。

コンテンツ・アシスト、テンプレート、および RPG ウィザード

SEU にコードを入力するのに役立つ機能はプロンプターのみですが、リモート・システム LPEX エディターには、コードを素早く入力するのに役立つ 機能がいくつかあります。

コンテンツ・アシスト (Ctrl+Space) は、カーソル位置で完成したコードを提示、表示、および挿入します。前に入力した文字 (または RPG の場合は列位置も同様) に基づいて、 コンテンツ・アシストを起動すると、すでに入力したコードに対して、 考えられる有効な完成したコードの候補が表示されます。例えば、プロシージャーを呼び出すときに必要な パラメーターの数、またはパラメーター・タイプが不確かな場合に役立ちます。

コンテンツ・アシスト

テンプレートを使用して、頻繁に使用されるコードのブロックを生成できます。これらはインポートおよびエクスポートすることができます。つまり、共有できます。例えば、 各プログラムまたは標準インターフェースに追加する必要がある標準ヘッダーがある場合、テンプレートを定義し、その名前を入力して Ctrl+Space を押すことによってテンプレートを挿入できます。

設定ページ上の RPG テンプレート

コンテンツ・アシストでのコードの完了』および『テンプレート』を参照してください。

ヒント: RPG のコンテンツ・アシスト機能および「アウトライン」ビュー は、検査によって生成された情報によって実行されます。この情報は、/COPY メンバーで見つかるプロシージャー、または 表示ファイルからのフィールドおよびレコードなどの外部情報から集められます。「アウトライン」ビューを少なくとも一度、リフレッシュしてからコンテンツ・アシストを呼び出すことは重要です。そうしないと、限られたコンテンツ・アシストの機能しか使用できません。

コードを素早く作成するのに役立つ 3 つの RPG ウィザードがあります。
  • D 仕様書ウィザード
  • プロシージャー・ウィザード
  • Java™ メソッド呼び出しウィザード

これらは新しいプログラマーには非常に役立ちます。また、経験豊富なプログラマーにとっては、複雑な言語エレメントを必要としているため、リファレンス・マニュアルを参照する必要性を削減します。それらには、「エディター」ビューの「ソース」メニュー、およびポップアップの「新規」メニューから素早くアクセスできます。 すべての情報をグラフィカル・インターフェースで指定するのみです。

RPG 定義仕様ウィザード

コードが生成されます。

ウィザードでのコード生成

RPG 定義仕様の作成』を参照してください。

追加のリモート・システム LPEX エディター・パーサー・アクションおよび設定

以下の追加設定とアクションが、IBM i 言語で使用可能です。
  • 桁依存編集: この機能は RPG および DDS などの列に依存する言語に便利です。通常、Windows アプリケーションで、テキストを挿入および 削除すると、残りのテキストが左または右に押され、これらの言語では構文エラーとなります。 桁依存編集機能を有効にすると、言語に対して指定されたコラムへの挿入および削除が制限されます。
  • シグニチャー: RPG および DDS で使用可能です。この機能を有効にすると、指定したシグニチャーで各行に自動的にフラグを立てることができます。 リモート・システム LPEX エディターで変更した行は、メンバーのタイプに関係なく、 SEU の場合と同様、日付が変更されます。
  • 自動大文字化: 変更された行を大文字にします。CL、DDS、RPG、COBOL メンバーで使用可能です。
  • 自動インデント: 続く行で Enter (キー) が押されると、カーソルがインデントされ、ソースを見やすく表示することができます。CL、RPGLE で使用可能です。
  • 自動編集: 指定した設定に従って、ソースの入力時にソースをフォーマットします。 CL およびフリー・フォーム SQLRPGLE で使用可能。
  • /COPY メンバーまたはコピーブックを開く/参照する: RPG および COBOL 言語の場合、 「エディター」メニューのポップアップを介してソースで参照されたメンバーを開くか、または参照することができます。
  • ブロック・ネストの表示: Ctrl+Shift+O を使用するか、 ポップアップ・メニューの「ソース」メニューから、 カーソル位置のネスト・レベルを示す矢印を表示できます。

    ブロック・ネスト

  • フィールドの表示: ファイルがプログラムで参照されている場合、ポップアップ・メニューからこのメニュー・オプションを使用して「オブジェクト・テーブル」ビューのファイルにフィールドを表示できます。RPG、COBOL、および CL で利用可能です。
  • RPG アクション:
    • フリー・フォームへ変換 (RPGLE)
    • ILE へ変換 (RPG)
    • 表示インデント (RPG、RPGLE)

これらすべての機能は、SEU では利用不可だが、編集作業をスピードアップし、かつ改善するように設計されています。

追加の役に立つ LPEX キー

SEU では、すべての機能が、キー・ストロークで選択可能です。リモート・システム LPEX エディターでは、ほとんどの機能はメニューおよびキー・ストロークで使用可能です。 LPEX で役立つ追加キーのリストを以下に示します。
表 2. LPEX キー
キーの組み合わせ 説明
Ctrl+Home 先頭へ移動 (SEU の TOP に類似)
Ctrl+End 下部へ移動 (SEU の BOTTOM に類似)
Ctrl+L 行番号へ移動 (SEU と同様に接頭部域に行番号を入力)
Alt+S 行の分割
Alt+J 行の結合
Alt+L 行の選択
Alt+R 長方形の選択
Ctrl+W すべての行を表示 (行がフィルターに掛けられている場合に役立つ)
Ctrl+Z 元に戻す
Ctrl+Y やり直し
Ctrl+S 保存
Ctrl+M 突き合わせ (マッチング・ブラケットを選択します。CL および RPG などの言語では DO/ENDDO、IF/ENDIF などの制御ステートメントを選択します)
Ctrl+Shift+M 一致の検索

印刷

多くの Windows アプリケーションのように、印刷は、「ファイル」 > 「印刷」メニュー・オプション、または Ctrl+P を押すことで実行できます。SEU よりも大きい利点はこれが編集中に実行されることであり、LPEX での印刷もまた、「トークン化」チェック・ボックスを選択している限りは、印刷ソースをトークン化します。リモート・システム LPEX エディターでの印刷は、ユーザーの Windows プリンターに対して出力されて、IBM i プリンターではない。プリント・オプションは、「ウィンドウ」 > 「設定」 > 「LPEX エディター」 > 「印刷」にあります。

LPEX エディターの印刷設定

以下の置換変数は、ヘッダーおよびフッターで使用可能です。
  • %p: ページ番号
  • %n: ソース名、基本ファイル名、または文書名
  • %f: 絶対パスのファイル名または文書名
  • %d: 日付
  • %t: 時間

ヒント:

リモート・システム LPEX エディターで検索、置換する

リモート・システム LPEX エディターで、Ctrl+F を使用して、LPEX の検索機能を起動することができます。パターンを検索できる正規表現を指定できるため、検索は SEU よりフレキシブルです。例えば、「正規表現」チェック・ボックスを選択して、this|that を検索ストリングとして指定した場合、エディターは this または that を含む行を検索します。Ctrl+N または Shift+F4 を使用して、次の一致を検索することができます。

エディターと「検索および置換 (Find and Replace)」ダイアログ

ヒント:

テキストの検索と置換』を参照してください。

リモート・システム LPEX エディターでファイルを比較する

リモート・システム LPEX エディターの (PDM オプション 54) を比較するには、エディターでメンバーを開く必要があります。開いたら、ツールバーの「比較」ボタンを選択するか、「編集」 > 「比較」 > 「比較」ファイル・メニュー・オプションを介して、そのメンバーを別のメンバーと容易に比較することができます。

比較がトリガーされると、ソースが、別のメンバーの行とマージして色別に フラグ表示されます。ピンクは、比較されているソースに使用する色で、黄色は開かれたソースの色です。

スプール・ファイルと SEU で開いたソースを切り替えなければならない IBM i とは異なり、リモート・システム LPEX エディターでの比較では、最初に開いたメンバーで変更を続けることができます。次の不一致にナビゲートするには Ctrl+Shift+N を、前の不一致にナビゲートするには Ctrl+Shift+P を使用します。ソースを変更する場合は、Ctrl+Shift+R を使用して比較をリフレッシュし、最後に、「編集」 > 「比較」 > 「クリア」で終了します。比較セッション中は、ポップアップ・メニューによって「比較」サブメニューが表示され、現在使用されている比較設定を制御することができます。

ファイルの比較セッション

ヒント:

リモート・システム LPEX エディターからのコンパイル

リモート・システム LPEX エディターでソースを開く場合、「リモート・システム」ビューまたは「オブジェクト・テーブル」ビューに移動してコンパイルを実行するのは便利ではありません。その代わりに、 以下のいずれかを使用することができます。
  • ツールバー・ボタン (メンバー・タイプの最後に使用したコンパイル・コマンドを使用してプロンプトなしでコンパイルします)
  • Ctrl+Shift+C (メンバー・タイプの最後に使用したコンパイル・コマンドを使用してプロンプトなしでコンパイルします)
  • コンパイル・メニュー (ここで、コンパイルにプロンプトを使用するかしないかを選択し、 項目に必要なコンパイル・コマンドを選択できます)。コンパイル前に保存していない場合、保存するようにプロンプトが出されます。

コンパイル』を参照してください。


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