V5R1 での変更点

以下に、V5R1 において ILE COBOL に対して行われた機能強化について説明します。
  • UCS-2 (Unicode) サポート

    新しいデータ項目のタイプである「国別データ」が追加され、ISO/IEC 10646-1 で UCS-2 として指定されたコード化文字セットに対するサポートを提供します。 このコード・セットは、Unicode 規格で定義された基本セットです。

    • UCS-2 文字セット

      このコード化文字セットは、世界中で使用されている基本のスクリプトで表示される各文字ごとに、固有なコードを提供します。 それぞれの文字は、16 ビット (2 バイト) コードで表されます。

    • 国別データ

      この新しいデータ項目のタイプには、UCS-2 コード・セットを使用してコード化されたデータが含まれます。 その記述に USAGE NATIONAL 文節が含まれる基本データ項目、またはその記述に USAGE NATIONAL 文節が含まれるグループ項目に従属する基本データ項目は、国別データ項目です。

    • NTLPADCHAR コンパイラー・オプションおよび PROCESS ステートメント・オプション

      このオプションにより、SBCS 埋め込み文字、DBCS 埋め込み文字、 および国別埋め込み文字の 3 つの値を指定することができます。 ある値が国別データ・タイプ項目に移動され、その国別データ・タイプ項目が完全に埋め込まれない場合は、 該当する埋め込み文字が使用されます。

    • ALL 国別リテラル

      国別 16 進リテラルが許されるところで ALL という語を使用することが可能であり、 それによって、例えば、すべての UCS-2 ブランクを国別データ項目に移動することができます。

    • PROCESS ステートメントのオプション NATIONAL

      このオプションが指定されると、PICTURE 記号 N を使用して定義された基本データ項目は、暗黙の USAGE NATIONAL 文節を持つようになります。 このコンパイラー・オプションが使用されないと、これらの項目に対して USAGE DISPLAY-1 文節が暗黙に指定されます。

    • 国別 16 進リテラル
      国別データ値が含まれるリテラルは、以下の構文を使用して指定することができます。
      NX"hexadecimal-character-sequence..."
    • 形象定数

      形象定数 SPACE/SPACES は、国別データ項目と一緒に使用された場合、1 つ以上の UCS-2 1 バイト・スペース文字 (U+0020) を表します。

  • JAVA 相互運用性サポート
    • QCBLLESRC.JNI ファイル

      このファイルは JNI.h ファイルで提供されるのと同じ定義とプロトタイプを提供しますが、C ではなく COBOL で書かれています。

    • Java™ と COBOL データ・タイプの間のデータ・マッピング
  • メインフレーム移植性サポート
    • NOCOMPASBIN/COMPASBIN PROCESS ステートメント・オプションは、USAGE COMPUTATIONAL または COMP が、USAGE COMP-3 または USAGE COMP-4 と同じ意味を持つかどうかを指示します。
    • NOLSPTRALIGN/LSPTRALIGN PROCESS ステートメント・オプションは、USAGE POINTER または PROCEDURE-POINTER を指定したデータ項目が、リンケージ・セクションのレコードの先頭から相対的に、16 バイトの倍数で位置合わせされるかどうかを指示します。
    • 複合 OCCURS DEPENDING ON (ODO) サポート
      複合 ODO は、以下のように構成されます。
      • 1 つの OCCURS または 1 つの ODO 文節のサブジェクトに従属する記入項目は、ODO 文節を含むことができる (可変長エレメントを持つテーブル)。
      • 1 つの ODO によって記述されたデータ項目の後に、ODO 文節によって記述された非従属データ項目を続けることができる (可変位置テーブル)。
      • ODO 文節を含む記入項目の後に、非従属項目を続けることができる (可変位置フィールド)。 ただし、これらの非従属項目は、ODO 文節のオブジェクトにすることはできません。
      • ODO 文節を含む項目に続く、従属項目または非従属項目の位置は、ODO オブジェクトの値による影響を受ける。
      • ODO 文節を含む従属項目を持つテーブルに対して、INDEXED BY 句を指定することができる。
  • CRTCBLMOD および CRTBNDCBL コマンドに LICOPT パラメーターが追加され、 上級ユーザーは、ライセンス内部コード・オプションを指定することができます。