アプリケーション・ダイアグラム・ビューアーは、ワークベンチのエディター領域に開きます。 このビューアーは、メインキャンバスとパレットで構成されています。メインキャンバスには、 最初に何を選択したかによって、ソース呼び出しダイアグラムかプログラム構造ダイアグラム、 あるいはその両方が表示されます。ダイアグラムは、ノードと接続で構成されています。 ノードはご使用のアプリケーション内の各種の成果物を表し、接続はその成果物間の関係を表します。 各ノードは、基礎となるソース成果物またはオブジェクトの名前に基づいてラベル付けされています。
ソース呼び出しダイアグラムでは、展開可能なノードはソース・メンバーを表し、 展開不能なノードは、ソース内の呼び出し可能なコード・ブロック (RPG サブルーチン、RPG サブプロシージャー、CL プロシージャー、CL サブルーチン、メイン・エントリー・ポイントなど) を表します。 接続はコード・ブロック間の呼び出しを表します。例えば、ILE RPG ソース・メンバーにサブルーチン placeOrder および validateAdr が含まれ、placeOrder サブルーチンが validateAdr サブルーチンを呼び出す場合、ダイアグラムには次のようなイメージが表示されます。

プログラム構造ダイアグラムでは、 ノードはプログラムおよびサービス・プログラムを表します。ILE プログラムやサービス・プログラムの場合、 ノードにはバインド済みモジュールのリストが含まれます。左上隅の正符号をクリックすると、 モジュールのリストが展開されます (これに該当するのは、プログラムまたはサービス・プログラムに複数のモジュールが含まれている場合のみです)。 モジュール・リストが展開されている場合、 マイナス符号をクリックするとリストが省略表示されます。 プログラム構造ダイアグラムでの接続は、オブジェクト間のバインディング関係を示します。 例えば、プログラム ORDER がサービス・プログラム VALIDATE にバインドされた場合、 ダイアグラムには、ORDER というラベルのノードと VALIDATE というラベルのノードが、 ORDER ノードから VALIDATE ノードへの接続 (ORDER の VALIDATE へのバインドを表します) という形で表示されます。
デフォルトでは、アプリケーション・ダイアグラムを開くときには両方のタイプのダイアグラムが表示されるので、 入力データとしてソース・メンバーとプログラム/サービス・プログラムを選択した場合は、ソース呼び出しダイアグラムとプログラム構造ダイアグラムが同時に表示されます。 ダイアグラムの空白部分を右クリックして、「ビューの切り替え」カスケード・メニュー・オプションのいずれかを選択することで、どちらか一方のダイアグラムのみを表示するように切り替えることができます。

アプリケーション・ダイアグラムの設定で「ダイアグラムを自動でレイアウトする」にチェックが入っていると、ビューの切り替え後、ダイアグラムは自動的に再配置されます。 ソース・メンバーは、最初はほとんど省略表示されています。 省略表示されている場合、ソース・メンバー・ノードにはそこに含まれる下位ノードの数が表示されます。 これを展開すると、下位ノードが表示されます。 この方式では、アプリケーションの概略が表示され、ドリルダウンすることで詳細を見ることができます。 便宜上、選択されたリソースにアプリケーション・ダイアグラムを起動するソース・メンバーが 1 つしかなく、 そのソース・メンバーの下位ノードが 100 未満である場合には、ソース・メンバー・ノードはデフォルトで展開されています。 ソース・メンバーに下位ノードが 1 つしかない場合には、 その下位ノードは常に表示されます (省略表示か展開かの選択肢はありません)。
ダイアグラムでノードを選択すると、そのノードは青色の枠で強調表示され、インバウンド接続はすべて赤で、 アウトバウンド接続はすべて緑で強調表示されます。 ダイアグラムで接続を選択すると、その接続は青で強調表示され、 接続のソース側ノードは赤で、ターゲット側ノードは緑で強調表示されます。 ノードまたは接続の上にマウス・ポインターを置くと、 その項目は一時的にオレンジの枠で強調表示され、詳細情報を示すツールチップが現れます。
接続の中にはソースとプログラム構造双方の成果物に及ぶものがあるため、 ソース呼び出しダイアグラムとプログラム構造ダイアグラムの両方で、「("すべて")」と表示している必要があります。 例えばアプリケーション・ダイアグラムでは、RPG、COBOL、CL 各ソース・メンバーからのプログラム呼び出しが表示されます。 これは、その呼び出しを行うサブルーチンまたはサブプロシージャーで開始され、 呼び出されるプログラム・オブジェクトで終了するプログラム呼び出し接続として表されます。
一部の接続は、動的に表示されます。このような接続を、 集合接続と呼びます。集合接続は、2 つのノード間のすべてのサブルーチン、 サブプロシージャー、およびプログラムの呼び出しを表します。これらは、 ノードが省略表示されると表示され、展開されると表示されなくなります。 例えば、ソース・メンバーのプロシージャーは、プログラムを呼び出します。ソース・メンバー・ノードが省略表示されると、 ソース・メンバー・ノードとプログラム・ノード間に集合関係が描画されます。ソース・メンバー・ノードが展開されると、 集合接続は表示されなくなり、ソース・メンバーのプロシージャー・ノードからプログラム・ノードへの接続が描画されます。
「アウトライン」ビュー
アプリケーション・ダイアグラム・ビューアーでは、 「アウトライン」ビューと「プロパティー」ビューの両方を使用できます。 最初は、「アウトライン」ビューにダイアグラム全体のサムネール・ビューが表示されます。 ダイアグラム全体がビューアーの表示スペースに入りきらない場合には、 このビューが役に立ちます。
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サムネール・ビューには、 ダイアグラム全体に加えて、ビューアーで現在表示されている部分が網掛けボックスで示されます。

この網掛けボックスをマウスでドラッグしてサムネール・ビュー上で動かすことにより、 ビューアーでの表示範囲を変えることができます。 「アウトライン」ビューには、ダイアグラム内の全ノードを名前でソートしたリストを表示するテキスト・ビューもあります。 このテキスト・リストは、ダイアグラムで特定のノードを見つける場合に役立ちます。 リスト内のそのノードを選択するだけで、ビューアーの表示位置が、そのノードが見えるように 変更されます。サムネール・ビューとテキスト・ビューを切り替えるには、 「アウトライン」ビューのツールバーのアイコンを使用してください。
「プロパティー」ビュー
「プロパティー」ビューには、アプリケーション・ダイアグラムで選択したノードおよび接続の詳細情報が表示されます。 一部のノードでは、「プロパティー」ビューに複数のタブがあり、 それぞれのタブに異なる種類の情報が表示されます。 デフォルトでは、「プロパティー」ビューは「リモート・システム・エクスプローラー」パースペクティブの 左下隅に開きますが、アプリケーション・ダイアグラムの使用時に「プロパティー」ビューに表示される いくつかのテーブルでは、この領域に十分な水平方向のスペースがとれません。 水平スクロールをしなくて済むようにするには、「プロパティー」ビューを、 「オブジェクト・テーブル」ビューが含まれるビュー・グループ (すぐ右にあります) に ドラッグ・アンド・ドロップします。

「プロパティー」ビューを開くには、 メインキャンバスの空白部分を右クリックして、「「プロパティー」ビューの表示 (Show Properties View)」を選択します。
アクション
アプリケーション・ダイアグラムの 一部のノード (モジュール、RPG サブルーチンおよびサブプロシージャー、COBOL プロシージャーなど) では、 ソースを編集まだは参照することができます。ノードをダブルクリックすると、 自動的にソース編集のためのエディターが開きます。あるいは、 ノードを右クリックして、ポップアップ・メニューから「ソースの編集」または「ソースの参照」を選択することもできます。
また、 サブルーチン、サブプロシージャー、プロシージャー、およびプログラムの呼び出しを表す接続をダブルクリックして、呼び出し側ノードのソースをエディターで開き、呼び出しが実行される行が表示されるようにすることもできます。
ソース・メンバー、プログラム、サービス・プログラムの各ノードは、 展開することも省略表示することもできます。ノードを展開するには、 ノードを選択して「+」アイコンをクリックします。ノードを省略表示するには、 そのノードの「−」アイコンをクリックします。あるいは、 ノードを右クリックして「展開」メニューまたは「省略表示」メニューを選択しても、ノードを展開または省略表示できます。 キーの組み合わせでノードの展開または省略表示を行うこともできます。 デフォルト・キーは、Ctrl+Alt+E で展開、Ctrl+Alt+C で省略表示です。 これらのキーは、「設定」ページでカスタマイズできます。コンテナー・ノードをすべて 展開または省略表示したい場合は、キャンバスの空白部分を右クリックして、 「すべて展開」メニューまたは「すべて省略表示」メニューを 選択します。
ダイアグラムに自動配置を指示することができます。そのためには、 空白部分を右クリックして、「すべて配置 (Arrange All)」を選択します。 それでも場合によっては、ダイアグラムを読み取りやすくするために、接続とノードの位置を手動で調整する必要があります。 単一ソース・メンバーの下位ノードも配置できます。 そのためには、ソース・メンバー・ノードを選択し、ノード内の空白部分をクリックし、右クリックして、 「すべて配置 (Arrange All)」を選択します。
パレット
「パレット」ビューには、ダイアグラムをズームしたり、ダイアグラムに注釈を追加したりするためのツールが 含まれています。パレットの右上隅の黒い三角形をクリックすると、 パレットを最小化したり最大化したりできます。 ビューアーに組み込まれたパレットではなく、ワークベンチの「パレット」ビューを使用したい場合は、 完全な「パレット」ビューを開いてください ()。すると、組み込みパレットは表示されなくなります。 完全な「パレット」ビューを閉じると、組み込みパレットが再表示されます。
パレットのズーム・ツールを使用する場合は、左クリックするとズームインし、Shift キーを押しながら左クリックするとズームアウトします。
ダイアグラムに 注釈を追加
生成したアプリケーション・ダイアグラムに コンテキスト・メニューまたはパレットから注釈を追加することで、そのアプリケーション・ダイアグラムに文書を追加できます。 注釈は独立型にすることも、ダイアグラム内のノードまたは接続に添付することもできます。 注釈をノードに追加するには、まずノードを選択し、次に右クリックして、 ポップアップ・メニューから「注釈の追加 (Add Note)」を選択します。 そのとき、添付する注釈にノードの説明を入力することができます。 注釈を保持するためには、ダイアグラムを明示的に保存する必要があります。 ダイアグラムを保存しないで閉じると、注釈はすべて失われます。
「ビューの切り替え」を使用してダイアグラムを切り替えても、 直前のダイアグラムに追加された注釈は表示されたままです。しかし、注釈の接続が表示されるのは、 注釈が添付される成果物が表示されている場合に限られます。例えば、 現在はソース呼び出しダイアグラムで作業していて、ソース・メンバー・ノードに添付する注釈を追加したとします。 次に、プログラム構造ダイアグラムに切り替えます。注釈は表示されたままですが、 注釈からソース・メンバー・ノードへの接続は表示されなくなります。プログラム構造ダイアグラムではソース・メンバー・ノードが表示されないためです。 ソース呼び出しダイアグラムに戻ると、ノートの接続は再び表示されます。
アプリケーション・ダイアグラムの設定
ページで、アプリケーション・ダイアグラムを最初に開いたときに表示されるビューと、使用するデフォルトの線種と向きを指定できます。 この設定ページは、キャンバスの空白部分を右クリックしてを選択してダイアグラムから開くこともできます。

設定ページで、アプリケーション・ダイアグラムが使用するフォント、着信接続またはソース・ノードの強調表示色、および発信接続またはターゲット・ノードの強調表示色をカスタマイズできます。 この設定ページをダイアグラムから開くには、キャンバスの空白部分を右クリックして、 を選択します。

を選択すると、 アプリケーション・ダイアグラムのコンテナー・ノードを展開および省略表示するためのキーの組み合わせをカスタマイズできます。
線種と向き
アプリケーション・ダイアグラムを初めて開くと、 ダイアグラムは最も読み取りやすい方法でレイアウトされます。 ダイアグラムのレイアウト方法は、線種と向きの設定で構成できます。 線種の選択項目は、「斜体」または「直線」のいずれかです。 「斜体」線種では、ノード間の接続を、線が他のノードを遮らないようにして、 できる限り最短のルートで描画します。

この場合、 線が斜めになることもよくあります。「直線」線種では、ノード間の接続を 水平と垂直の線のみで描画します。

向きの選択項目は、水平または垂直です。水平方向の場合、 左から開始して必要なだけ右に増やしていく方法でダイアグラムを描画します。 垂直方向の場合、上部から開始して必要なだけ下に増やしていく方法でダイアグラムを描画します。
デフォルトの線種と向きは、「斜体」と「水平」です。 デフォルトは、アプリケーション・ダイアグラムの設定ページで変更できます。 単一のダイアグラムの設定については、そのダイアグラムの空白部分を右クリックして、 ポップアップ・メニューから「レイアウトの変更」アクションを選択する方法で 変更することもできます。
読み取り可能性を向上させるには、ダイアグラムを描画した後で、 ノードおよび接続を再配置します。ノードをドラッグ・アンド・ドロップすれば、位置を変更できます。 ノード間の接続は、自動的に更新されます。 接続の線をドラッグ・アンド・ドロップすると、ノードを回り込むように経路を指定できます。 接続線の動かしたいポイントを選択して、それをドラッグ・アンド・ドロップしてください。 こうすれば、線に新しいベンド・ポイントが挿入されます。レイアウトのカスタマイズは、 レイアウトのスタイルまたは向きを変更した場合、あるいは「すべて配置 (Arrange All)」アクションを選択した場合には、無効になります。カスタマイズ済みのレイアウトを保存し、変更内容が失われないようにするには、 ダイアグラムを保存してから閉じます。
ソース・メンバー・ノードの下位ノードのレイアウトは、 設定にもよりますが、省略表示したあとで再び展開すると、失われることがあります。 「ダイアグラムを自動でレイアウトする」にチェックが入っていると、 展開時に下位ノードが再配置されます。この設定がチェックされていない場合は、 下位ノードの以前のレイアウトが保持されます。
アプリケーション・ダイアグラムの 保存
アプリケーション・ダイアグラムは、ワークスペース・ファイル、イメージ・ファイル、 またはテキスト・ファイルに保存できます。ワークスペース・ファイルに保存すると、 あとでダイアグラムを再オープンすることができます。イメージ・ファイルに保存すると、 ダイアグラムを別の人に送ったり、別の文書に埋め込んだりすることが簡単にできます。 テキスト・ファイルに保存すると、ダイアグラムからの情報を、あとで参照するために保存したり、 簡単にコピーしたり、テキスト検索で検索したりすることもできます。
ダイアグラムをワークスペース・ファイルに保存するには、ワークベンチのメニューを使用します。 すると、ローカル・ワークスペース内のフォルダーと、ダイアグラムを保存する際のファイル名の入力が求められます。

ダイアグラムを保存すると、2 つのファイルが作成されます。 filename.appmdl ファイルと filename.appmdl_diagram ファイルです。最初のファイルには、 「アプリケーション・ダイアグラムの視覚化」アクションで生成されたモデルが含まれます。 2 番目のファイルには、レイアウト情報と、ダイアグラムに追加した注釈がすべて含まれます。 filename.appmdl_diagram ファイルをダブルクリックすると、保存したダイアグラムが再オープンされます。
ダイアグラムをイメージ・ファイルまたはテキスト・ファイルに保存するには、ダイアグラム内の空白部分を右クリックして、ポップアップ・メニューのカスケード式「ファイル」メニューから、該当するアクションを選択します。 どちらを選択しても、現在のワークスペースの外側にファイルを保存できます。 また、最初に保存するすべてのノードと接続を選択し、次に選択した任意のノードまたは接続のコンテキスト・メニューから、 を選択して、ダイアグラムの一部をイメージ・ファイルに保存することもできます。
メイン・エントリー・ポイントの検出
ソース呼び出しダイアグラムにノードと線が多数ある場合、メイン・エントリー・ポイントを探し出すことは容易ではありません。 ダイアグラム内の空白部分を右クリックして、 コンテキスト・メニューから「メイン・エントリー・ポイントの検出」を選択することができます。 メイン・エントリー・ポイント・ノードが検出され、強調表示されます。 メイン・エントリー・ポイントが省略表示されたソース・メンバー・ノード内にある場合は、そのソース・メンバー・ノードが展開され、メイン・エントリー・ポイント・ノード検出されて強調表示されます。 複数のメイン・エントリー・ポイントが見つかった場合は、必要なメイン・エントリー・ポイントを選択するようにというダイアログが出ます。
ダイアグラムの印刷
ダイアグラムの印刷は、ワークベンチのメニューから実行することも、 ダイアグラムのコンテキスト・メニューから実行することもできます。 ワークベンチのメニューからダイアグラムを印刷するには、 を選択します。 コンテキスト・メニューからダイアグラムを印刷するには、ダイアグラム内の空白部分を右クリックして、コンテキスト・メニューからを選択します。
| アイコン | 説明 |
|---|---|
| アプリケーション・ダイアグラムのビューアーおよびアクションの視覚化 | |
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ソース・メンバー |
| ILE RPG、ILE COBOL、または ILE CL メイン・エントリー・ポイント | |
| ILE RPG サブプロシージャーまたは COBOL プロシージャー | |
| ILE RPG または ILE CL サブルーチン | |
| プログラム・オブジェクト | |
| サービス・プロジェクト・オブジェクト | |
| プログラム・オブジェクトまたはサービス・プログラム・オブジェクトにバインドされたモジュール |