リモート開発に単一リモート・ロケーション手法を適用すると、ローカル・プロジェクトとリモート・ロケーションとの間のマッピングは十分なものになります。 純粋なローカル・プロジェクトのように、1 つのターゲット環境のみが前提となっているため、プロパティー (ビルド・コマンド、コンパイラー・オプション、環境変数など) をプロジェクト・レベルで保守できます。 プロジェクトは、リモート・システムで実行される操作 (リソースのアップロードおよび ダウンロード、コンパイラーの起動など) にリモート・ロケーションが使用されている間、プロパティーを 保守します。
複数のリモート・ロケーションがプロジェクトに関連付けられているリモート開発のための手法を考えると、 単なるリモート・ロケーションでは不十分であることが明確になります。 複数のリモート・ロケーションに関連付けられているプロジェクトが、それらのロケーションそれぞれとの 間でリソースをプッシュおよびプルするための機能を追加される可能性があるのに対して、プロジェクトによって 保守されているプロパティーを持つリモート操作には、リモート・ロケーションごとに異なるターゲット環境を 考慮しなければならないという複雑性があります。 例えば、ある 1 つのリモート・ロケーション用のビルド・コマンドおよび環境変数が、別のリモート・ロケーションでは 異なっていなければならない場合があります。 プロジェクトがリソースのプッシュおよびプルのみに使用されていたとしても、そのプロジェクトは、プロジェクト・ リソースとリモート・ロケーションとの間において異なる同期状態を考慮しなければならない可能性があります。 プロジェクトそれぞれに、ある 1 つのリモート・ロケーションに対応する一連のプロパティーを 保守させるのではなく、プロジェクトをリモート・ロケーション固有の情報から切り離し、新しい独立した 構成 (リモート・コンテキスト) を作成することが優れたソリューションです。
リモート・ロケーションのように、リモート・コンテキストはホストとそのホスト上のロケーションを記述します。 ただし、リモート・ロケーションとは異なり、リモート・コンテキストは独立したエンティティーです。 追加のプロパティー (環境変数など) が入っていて、IDE 内のユーザーに役立ち、直接それらのユーザーと 相互作用します。 IBM® Rational® Developer for Power Systems Software では、ユーザーは 新しいリモート・コンテキストをリモート・システム・エクスプローラーから作成することができます。