浮動挿入による編集

このタイプの編集は、数字編集項目に対してのみ有効です。次の記号を使用します。
  • 通貨記号 (例えば \)
  • + -

1 つの PICTURE 文字ストリングの中では、これらの記号は浮動挿入文字として同時に指定することはできません。

浮動挿入による編集は、PICTURE 文字ストリングに連続した複数の浮動挿入記号を組み込むことによって指定されます。

通貨記号は通貨符号を表します。 通貨符号は通貨記号自体にしたり、SPECIAL-NAMES 段落の CURRENCY SIGN 文節に指定されている長さの 1 文字または複数の文字の通貨ストリングにしたりできます。 編集項目のサイズは、最初に現れる通貨記号に対応する通貨ストリングに含まれる文字数分、および PICTURE 文字ストリングの追加通貨記号ごとにそれ以降の文字分増やされます。

浮動挿入記号が単一文字を表す場合には、この記号を使用して、対応する文字が挿入されるすべての文字位置を表します。 文字ストリング内の左端の浮動挿入記号は、そのデータ項目の中に文字が現れる左端の限界を表します。 右端の浮動挿入記号は、文字が現れる右端の限界を表します。

浮動挿入記号が複数文字の通貨ストリングを表す場合には、この記号を使用して、通貨ストリングの最終文字が挿入されるすべての位置を表します。 文字ストリング内の左端の浮動挿入記号は、そのデータ項目の中に通貨ストリングの最終文字が現れる左端の限界を表します。 右端の浮動挿入記号は、通貨ストリングの最終文字が現れる右端の限界を表します。

文字ストリングの左端から 2 番目の浮動挿入記号は、データ項目の中で数字データが現れる左端の限界を表します。 この限界の右端にある、または右端の隣の浮動挿入記号は、数字位置を表します。 これは、ゼロ以外の数字が前に付いた数字で始まる数値データによって置き換えることができます。

浮動挿入記号のストリング内か、またはそのすぐ右側にある単純挿入記号 (B 0 / ,) は、浮動文字ストリングの一部と見なされます。 ピリオド (.) の特別挿入記号が浮動ストリングに入っていると、文字ストリングの一部と見なされます。

PICTURE 文字ストリングでは、浮動挿入による編集を表す方法は 2 とおりあります。 それにより、次のように編集が行われます。
  1. 小数点の左端にある任意の、またはすべての先行数字位置を浮動挿入記号で表します。 編集が行われると、データ内の最初の非ゼロ数字または小数点 (この 2 つのうち、より左側にある方) のすぐ左に、単一の浮動符号挿入記号 (+ または -) あるいは通貨符号が 1 つ置かれます。 挿入記号または通貨記号の左側の未使用の位置はスペースで埋められます。
  2. すべての数字位置を浮動挿入記号で表します。編集が行われると、次のようになります。
    • データの値がゼロならば、データ項目全体にスペースが入ります。
    • データの値がゼロでなければ、結果は規則 1 の場合と同じになります。
切り捨てが行われるのを避けるために、PICTURE 文字ストリングの最小サイズは、次の数の合計でなければなりません。
  • 送り出し項目の文字位置の数
  • 受け入れ項目の固定挿入の記号の数
  • 浮動挿入記号の文字の数
浮動挿入による編集の例です。
   PICTURE                データの値           編集結果
        $$$$.99                 .123               $.12
        $$$9.99                 .12               $0.12
   $,$$$,999.99            -1234.56           $1,234.56
   U,UUU,UU9.99-           -1234.56         EUR1,234.56-
   u,uuu,uu9.99             1234.56         USD1,234.56
   +,+++,999.99          -123456.789        -123,456.78
  $$,$$$,$$$.99CR       -1234567          $1,234,567.00CR
  ++,+++,+++.+++            0000.00
注: 符号を切り捨てると、貸方として負の金額が示されることに注意してください。