用語および概念

ここでは、このツールで使用されている用語と概念を定義し、説明します。 他のツールに固有の追加の用語と概念については、ここでは簡単に説明し、他のインフォメーション・センター内の詳細説明へのリンクを提供します。

最新のリリースにアップグレードした既存のお客様の場合、いくつかの用語が変更されています。古い用語から新しい用語へのマップは、用語の変更マップ を参照してください。この文書では、新しい用語を使用しています。

以下の用語と概念は、最も単純な用語と概念から、用語と概念を結合する詳細説明へと情報を構築するような順序で配置してあります。

成果物: リポジトリー内のオブジェクトを表す一般的な用語です。 成果物には、Rational Team Concert™ のワークアイテムや Rational® DOORS® の要求など、他のツールで作成および保守されている製品とオブジェクトが含まれます。

製品: チームが取り組んでいる作業を視覚的に表したものです。 製品は、車のように大きい物の場合も、人工心臓弁のように小さい物の場合もあります。

製品は、「製品の参照」画面内のツリー・ビューに表示されます。

このイメージは、ツリー・ビュー内の製品を示しています。

チームは、「製品」という用語を、組織内で受け入れられる用語に変更することができます。用語を変更して保存し、ユーザーがセッションを最新表示すると、メニュー、ダイアログ・ボックス、およびメッセージでそのカスタム用語が使用されます。

製品の使用について詳しくは、製品での作業および製品の管理を参照してください。

製品グループ化: 類似の製品を収集してユーザーやチームにとって意味のあるグループを作成します。日付 (月、年)、マイルストーン (ベータ、一般)、機能 (レーザー・プリンター、インクジェット・プリンター) などにより、任意の方法で製品をグループ化できます。製品グループは、 「製品の参照」リスト・ボックスに表示されます。

プロパティー: 製品に関する記述情報。 プロパティーは、name または value などのタイプを持っています。 例えば、「dashboard」という製品は、name「material」value「walnut」というプロパティーを持っている可能性があります。

ライフサイクル照会エンジン: 照会できるデータの索引。 データは、例えば、Rational Engineering Lifecycle Manager の製品や、Rational Team Concert のワークアイテム、 Rational DOORS の要求、および、その他のツールなどのデータ・ソースから取得されます。

リンク: 別の成果物への参照を表します。 リンクは、Rational Team Concert や Rational DOORS などの別のツールに保管されている可能性があります。または、製品に保管されている可能性もあります。

ブランチ: 製品のバリアントです。 バリアントは、チームが同じ製品を異なる方法で、あるいは相互に依存しない方法で変更する必要がある場合に作成されます。 チームは、製品のブランチを作成した後に、並列して変更を行うことができます。

例えば、チームは成人向けの血圧計カフを作成しましたが、現在、未成年向けの同じ製品の作業を開始しようとしています。 チームは、「blood pressure cuff」のバリアントを作成し、それを「blood pressure cuff (:cuffsize=juvenile)」と呼びます。

ブランチの作成と置換について詳しくは、ブランチの置換を参照してください。

ブランチ・ディメンション: ブランチ・ディメンションは、ブランチの機能の 1 つを定義することにより、ブランチの固有性を記述します。 ディメンションは、名前 (「cuffsize」など) と値 (「juvenile」など) からなり、製品名の後に表示されます ((:cuffsize=juvenile))。 ブランチは、固有のディメンション・セットにより定義されます。ディメンションは、製品にローカルにすることも、製品内で共有することもできます。 「ブランチのチェックアウト (Check Out Branch)」ダイアログ・ボックスで、または「ブランチ・ディメンションの管理」画面を使用して、ローカル・ディメンションまたは共有ディメンションを作成できます。

バージョン: 製品または製品階層の読み取り専用バージョンです。製品のバージョンを作成すると、選択された製品の下のすべての製品も読み取り専用になります。バージョン内のすべての製品には、チェックイン時に指定されたバージョン名が付けられます。

チームは通常、週次ビルド、ベータ版、または一般リリースなど、マイルストーンにマークを付けるためのバージョンを作成します。

このイメージは、「SuperCar」製品を示しています。これは現在、「sprint 4」と呼ばれるマイルストーンにあります。 「Infotainment」は、「sprint 2」で更新されてから、再度変更されていませんが、「Wheels」は、 「sprint 4」で更新されている点に注意してください。子製品の以前のスプリント (例えば、「Interior - sprint 3」) にロールバックする必要があるチームは、「バージョンの置換」操作を実行することによりそれを行うことができます。

このイメージは、「SuperCar」製品の、「sprint 4」と呼ばれるバージョンを示しています。

さらに、どのユーザーもバージョンをフリーズすることができ、それにより、フリーズ解除操作を行うかブランチをチェックアウトして明確に変更可能にしない限り、バージョンは変更不可能になります。製品のブランチが必要な場合、または製品がマイルストーンでこれ以上の開発を行うべきではない時点になった場合に、製品バージョンのフリーズが役立ちます。

バージョンの作成および置換については、マイルストーンを取り込むためのバージョンのチェックインを参照してください。

監査: この場合は、製品の検査。 監査は、選択した製品に対して行われた変更を検査し、製品ツリーの右の表にその結果を表示します。

このイメージは、監査の例を示しています。 監査は、製品を変更したユーザー、どのような変更がいつ行われたか、および追加または削除された製品の名前を示します。

さらに、製品の監査履歴を表示できます。 「監査履歴」画面は、すべてのプロパティー変更と、追加および削除されたリンクを含め、製品のすべてのバージョンとブランチを視覚的に示します。

各バージョンは、別個のボックスに垂直列のレイアウトで表示されます。 最新のバージョンは、列の最上部に表示されます。 製品が分岐されると、ブランチは新しい列に表示されます。

このイメージは、「監査履歴」画面を示しています。左の列の製品は、
2013 年 5 月 14 日の「Wheels」製品のブランチ作成を含めて、行われた変更を示しています。右の列には、子製品が追加された最新の製品バージョンが表示されています。

監査ログの表示について詳しくは、成果物を変更したユーザーの表示を参照してください。

監査履歴: 過去のイベントのリスト。 「監査履歴」画面には、指定された製品に対して実行された過去のイベントの可視リストが表示されます。 上記の例は、「SuperCar (:model year=2016)」というバージョンを示します。監査履歴には、関連するメタデータ (製品を変更したユーザー、どのような変更がいつ行われたか、そして追加および削除された製品の名前) が表示されます。

監査履歴について詳しくは、監査履歴の表示を参照してください。

階層: ピラミッド形の製品ランキング。 最上位を除く各レベルには 1 つ上のレベルがあり、最下位を除く各レベルには 1 つ下のレベルがあります。 製品はほとんどの場合、階層に編成されますが、常に階層になるとは限りません。

移動: 製品を物理的に別の製品の下に再配置すること。 製品ツリー内の 1 つのロケーションから別のロケーションに製品を移動することができます。 例えば、「Deluxe Rims」製品は 「Wheels (:Rims=16")」製品内にありました。配置が正しくなかったので、 「Deluxe Rims」は「luxury car」ブランドに移動されました。さらに、「Deluxe Rims」の下に階層がある場合、その階層は「Deluxe Rims」と一緒に移動されます。

製品の監査履歴を調べることにより、製品の移動を表示することができます。このイメージは、「Deluxe Rims」「Wheels (:Rims=16")」で開始されたけれども、後で削除されたことを示しています。

このイメージは、「Wheels」製品の移動の監査履歴、どのユーザーが製品を移動したか、およびいつ製品が移動されたかを示しています。

「Deluxe Rims」が移動された場所について調べるために、バージョンを比較することができ、これにより、ターゲット製品に対して追加された製品や、削除された製品についての情報がわかります。

製品の移動について詳しくは、製品ツリーでの製品の操作を参照してください。

再使用: 再び使用すること。 製品は、同一製品内および他の製品内で再使用できます。 また、製品は、同一製品で複数回再使用でき、再使用している製品は、再使用したばかりの製品と全く同じものです。 製品を再使用するとき、その製品には子製品が含まれます。

このイメージは「SuperCar」製品を示しており、「Wheels」製品が展開されています。 「Wheels」の下で、「XB580 radial」という 1 つの製品が 4 回使用されていることに注意してください。 便利なことは、1 つの再使用された製品を (例えば、「radial」から「studless」に) 変更すると、その変更が 4 回すべての使用に伝搬される点です。

このイメージは、「XB580 radial」タイヤが、同じ「Wheels」製品の下で 4 回再使用されていることを示しています。

製品の再使用について詳しくは、製品ツリーでの製品の操作を参照してください。

置換: 取って代わること。 バージョンとブランチはどちらも、以前の、あるいは新しい製品によって置換できます。 バージョンまたはブランチの置換は、チームが現行の壊れている製品を、以前の機能している製品に置換する必要がある場合に役立ちます。

製品の置換については、バージョンおよびバリアントを参照してください。

ビュー: 開発ライフサイクルのビジュアル表示。 標準ビューについては、V プロセス・ビューも含めて、サンプル・ビューの概要に説明されています。

「V プロセス」は、システム開発ライフサイクルのビジュアル表示です。 多くのシステム開発ライフサイクル (アジャイル型、ウォーターフォール型、リーン型) が存在しますが、V プロセスは、別の方法です。

視覚的に、情報は、V の 2 つのサイドに分割されます。左側には、概念、要求、アーキテクチャー、および設計の作成などの製品定義によって駆動されるタスクがあります。 右側には、製品のテストと統合によって駆動されるタスク (システムの検証と妥当性検査など) 、および統合、テスト、検証によって駆動されるタスクがあります。 V の右側にある検証と妥当性検査は、V の左側にある製品定義ステップと同時に完了することができます。

チームは早期の製品検証および妥当性検査に参加するため、開発の早い段階で障害を見つけ、それにより障害が下方に流れていくのを回避します。 早期に障害を見つけることにより、障害の修正コストが削減されます。 さらに、早期の妥当性検査と、チーム・メンバーとのコミュニケーションの改善により、品質基準を確実に満たすことができます。

V プロセスは組織および製品に依存しないため、各チームは製品に合わせて V プロセスを調整することができます。 「共有ビュー」ページには、ハードウェア開発用とソフトウェア開発用のサンプル「V プロセス」ビューが含まれています。

このイメージは、サンプルの V プロセスのハードウェア・ビューを示しています。

ビューについて詳しくは、ビューの作成を参照してください。

ビューへのデータの取り込み方法を理解するには、次の項目の「照会」を参照してください。 照会とビューについて詳しくは、照会とビューはどのように連動するかを参照してください。

照会: 索引から情報を取り出す方法。 成果物 (製品、ワークアイテム、要求、設計モデル、テスト・ケースなど) は、ライフサイクル照会エンジンから取り出されます。

管理者は、作成したカスタム・ビューに組み込むための照会を作成します。 照会は索引からデータを取り出し、該当する成果物を使用してカスタム・ビューを最新表示します。 取り出された成果物はその後、ビューに取り込んだり、レポートを実行したり、分析を実行したりするために使用できます。

「共有照会」ページでは、いくつかの照会が使用可能です。

照会について詳しくは、照会の作成と実行を参照してください。

分析: 成果物を詳細に調べること。 成果物を分析して、それらの互いの関係を検討および発見します。

製品に含まれている影響分析プロファイルを使用して、成果物間の関係を示す影響分析ダイアグラム用にプロファイルをカスタマイズします。 例えば、製品に含まれている子製品がリコールされた場合は、その子製品に対して影響分析を実行し、それを置換した場合の影響を測定することができます。

分析の出力には、リコールされた子製品に関係するすべての依存関係、子製品、およびブロックされている成果物が表示されます。

このイメージは、影響分析ダイアグラムの例と、関連成果物間の関係を示しています。

分析について詳しくは、成果物と他の成果物との関係の分析を参照してください。

レポート: 物理的なパフォーマンス測定。 レポートは、索引からのデータを使用して、状況と進行状況を追跡する文書を作成します。 この情報を使用して、開発リスクの管理と軽減、製品品質の向上、製品コストの制御、その他を実行します。

レポートについて詳しくは、成果物の状況を示すためのレポートの実行および印刷を参照してください。

要求: ユーザーが製品またはサービスから何を求めているかを記述します。 要求には、その定義を拡張する関連成果物へのリンクを含めることができます。 要求の詳細説明については、RationalDOORS を参照してください。

設計モデル: チームのソフトウェアおよびシステムの設計、デザイン、および開発を、反復方式および共同方式で助けます。 設計モデルの詳細説明については、Rational Design Management を参照してください。

テスト・ケース: チームのテスト計画の作成、開発、実行、およびレポートを助けて、確実に品質基準を満たせるようにします。 テスト・ケースの詳細説明については、Rational Quality Manager を参照してください。

ワークアイテム: 開発サイクル中にチームが対処すべきタスクおよび問題を管理します。 ワークアイテムの詳細説明については、Rational Team Concert を参照してください。


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