影響分析ワークフロー

ライフサイクル照会エンジンの索引は、数千の成果物をユーザーに使用可能にしますが、ユーザーにとってすべての成果物が重要とは限りません。 索引によって取り出し可能な成果物で分析を実行して、成果物に変更を加えた場合に、関連の成果物や製品がどのような影響を受けるかを判断します。

成果物自体、何らかの役に立つものですが、他の成果物との関係がある成果物は、リッチ・データと言えます。 例えば、製品リリースの開始時に、Rational Team Concert™ ワークアイテムが 1 つ作成されます。 プロジェクトが進行するに従い、その他のワークアイテムが作成されて、オリジナル・ワークアイテムにリンクされます。 オリジナル・ワークアイテムと、それに関係があるワークアイテムはすべて、索引により取得できます。 ワークアイテム間の関係は、索引によって保持されます。製品階層にワークアイテムを 1 つ追加すると、そのワークアイテムと共に取得されるすべてのリッチ・データにもアクセスできます。 影響分析機能で、このリンクされたリッチ・データを活用できます。

ただし、リンクされたデータでも索引プールにただ投げ入れられているだけでは、役に立ちません。 分析により、ユーザーは、リンクされたデータにスマートにアクセスできるようになります。 ユーザーは、使用目的に最も関連性のある成果物のみが表示されるように、影響分析プロファイルとフィルターを作成して結果データを制限することができます。ユーザーは、カスタム影響分析ダイアグラムを作成して、ターゲット成果物にリンクしている成果物またはフォーカス成果物からリンクしている成果物を表示したり、関連成果物への変更の影響を検討したりすることができます。

ユーザーは、例えば、「成果物の背後にある要求は何か」などの疑問に対する回答を見つけることができます。成果物に子リンクがあるため、製品に対して影響分析を実行するとしても、その製品に要求へのリンクが含まれている場合は、そのデータを受け取ります。 チームが、「SuperCar」内の V8 エンジンを V12 に置換する必要がある場合、ブレーキ・システムを検討して、より強力なエンジン (成果物) を持つ車に対する要求に気が付くかもしれません。

分析により、チームは、子のワークアイテムを親のワークアイテムまでさかのぼってたどったり、テスト・ケースを要求までさかのぼってたどったり、製品を設計モデルまでさかのぼってたどることができます。 情報は、有効なコンテキストで収集されて表示されると、より充実したものになります。 さらに、情報にコンテキストを与えることで、分析は収集された成果物をそぎ落とすこともできます。 それでもまだ分析で収集するデータが、過多であったり不足している場合は、適切な情報セットを獲得できるまで、分析の深さを変更したり、成果物を追加したり、 成果物を削除したり、フィルターを適用することができます。

以下のワークフローは、影響分析の作業を行う場合の標準的なものです。

  1. 分析するフォーカス成果物を検索します。

    フォーカス成果物を修正あるいは置換する必要がある場合は、フォーカス成果物の修正あるいは置換によって変更しなければならない他の成果物を分析する必要が生じるかもしれません。 結果を使用して、変更による他の製品への影響を確認することで、スケジューリングや製品化までのコストへの影響についてスマートな意思決定ができるようになります。

    手順については、製品、構成、またはベースラインの検索または 定義済み照会を使用した成果物の照会を参照してください。

  2. 構成を設定し、フォーカス成果物にコンテキストを提供します。

    フォーカス成果物の複数のバージョンまたはブランチがある場合、構成を指定すると、フォーカス成果物が使用される正しいコンテキストが提供されます。正しい構成を設定すると、ダイアグラムに表示される成果物が絞られます。

  3. 影響分析を実行します。

    フォーカス成果物からの (ダウンストリーム) 分析を行う、「デフォルト」の影響分析プロファイルを使用します。チームによっては、チーム・リーダーや、データを理解しているチーム・メンバー、あるいは IBM® サービス担当員が作成した影響分析プロファイルやダイアグラムがある場合もあります。 その場合は、必要な結果に合ったプロファイルやダイアグラムを選択してください。

    手順については、成果物と他の成果物との関係の分析を参照してください。

  4. フォーカス成果物と収集された成果物の間の関係や依存性を見出します。

    チーム・メンバーは、成果物を右クリックして「プレビュー」を選択することにより、ネイティブ・ツールで情報を読むことができます。 成果物が他の製品のどこで使用されているか見つけるには、「製品の中からこの製品を使用する製品を検索」を選択します。チーム・メンバーは、「成果物の非表示 (Hide Artifact)」「タイプの非表示」、および「展開」を選択して、クイック・フィルターを設定することもできます。


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