Rational Developer for System z バージョン 7.6

本書について

Debug Tool は、充実した z/OS® 環境と Language Environment®の性能を組み合わせることにより、プログラマーが、 プログラムのバグを特定して修正したり、アプリケーションのテストを 行ったりするためのデバッガーを提供します。 Debug Tool を 使用すると、バッチでプログラムのテストを行ったり、非プログラマブル端末をフルスクリーン・モードで使用するか、ワークステーション・インターフェースを使用して、リモート側でプログラムをデバッグすることができます。

本書には、Debug Tool で利用できるコマンド、機能、および変数の説明の他、Debug Tool を使用する際に表示されるメッセージについての説明も記載しています。多くの Debug Tool のコマンドは、サポートしている高水準言語 (HLL) のステートメントに類似しています。本書では、TEST ランタイム・オプションや、すべてのコマンドで共通の構文要素についても説明しています。またアセンブラー、逆アセンブリー、および非言語環境プログラムの COBOL のための構文要素についても説明しています。

本書の対象読者

本書は、言語環境プログラムを使用する高水準言語 (HLL)、および言語環境プログラムを使用する、または使用しないアセンブラー・プログラムをデバッグするために、Debug Tool を使用しているプログラマーを対象としています。本書で HLL とは、C、C++、COBOL、および PL/I を指します。

Debug Tool は、z/OS オペレーティング・システムで稼働し、以下のサブシステムをサポートします。

本書を用いて、サポートされているいずれかの言語で作成したプログラムをデバッグするためには、その言語のプログラムの作成、コンパイル、および実行の方法を理解している必要があります。

インターネット上の z/OS ライセンス資料へのアクセス

z/OS ライセンス資料は、インターネット上の以下の IBM® Resource Link™ Web サイトから PDF 形式で入手できます。

http://www.ibm.com/servers/resourcelink

ライセンス資料は、z/OS のライセンスをお持ちのお客様だけが入手できます。これらの資料へアクセスするには、IBM Resource Link の ユーザー ID、パスワード、およびキー・コードが必要です。z/OS のお客様にお渡ししている「Memo to Licensees」(GI10-0671) には、このキー・コードが記載されています。

IBM Resource Link のユーザー ID とパスワードを取得するには、以下の URL にログオンしてください。

http://www.ibm.com/servers/resourcelink

z/OS ライセンス資料へのアクセスのために登録するには、次のようにしてください。

  1. Resource Link のユーザー ID とパスワードを使用して、Resource Link にログオンします。
  2. 左端のナビゲーション・バーにある「User Profiles」を選択します。
注:
z/OS ライセンス資料は、利用登録をして、処理完了をお知らせする電子メールを受け取ると利用できるようになります。

ハードコピーのライセンス文書は IBM では取り扱っていません。

z/OS Licensed Product Library CD-ROM または IBM Resource Link の PDF 形式のファイルからライセンス文書を印刷することができます。

LookAt を使用したメッセージ説明の検索

LookAt は、多くの IBM メッセージや、いくつかのシステム異常終了およびコードに 関する説明を検索できるオンライン機能です。LookAt では、通常、該当メッセージの説明がただちに表示されるため、従来の 方法よりも短時間で、必要な情報を検索することができます。

以下の場所から LookAt を使用して、z/OS のエレメントとフィーチャー、z/VM®、VSE/ESA、および AIX® と Linux® のクラスターに対する IBM メッセージの説明を検索することができます。

z/OS Collection」(SK3T-4269) のディスクから、または LookAt Web サイトから、(「Download」をクリックし、ニーズに合った プラットフォーム、リリース、コレクション、およびロケーションを選択して、) ホスト・システムまたは Microsoft Windows ワークステーションに LookAt をインストールするためのコードを入手することができます。 ダウンロード・プロセス中に使用可能になる LOOKAT.ME ファイルに詳細な情報があります。

本書の構成

本書では、適切な情報が容易に検索できるように、分野別に類似の情報をまとめてあります。次のリストは、情報がどのようにまとめられているかを示したものです。

最後の数章には、特記事項、参考文献、および用語集を記載しています。

本書で使用する用語

Debug Tool でサポートされる各種のプログラム言語間、あるいはプラットフォーム間で用語が異なるため、一群の共通用語を設けています。下記の表は、これらの用語とそれに対応する各言語での用語をリストしています。

Debug Tool の用語 対応する C および C++ の用語 対応する COBOL または非言語環境プログラムの COBOL の用語 対応する PL/I の用語 アセンブラー
コンパイル単位 C および C++ ソース・ファイル プログラムまたはクラス
  • プログラム
  • Enterprise PL/I 用の PL/I ソース・ファイル
  • package ステートメントまたは Enterprise PL/I1 のメイン・プロシージャーの名前
CSECT
ブロック 関数または複合ステートメント プログラム、ネストされたプログラム、メソッドあるいは PERFORM ステートメント群 ブロック CSECT
ラベル ラベル パラグラフ名またはセクション名 ラベル ラベル
注:
  1. PL/I プログラムは、以下のいずれかの環境でコンパイルおよび実行する必要があります。

Debug Tool は、特定レベルのコンパイラーを使用してコンパイルされたプログラムにのみ適用される機能を提供します。このため、「Debug Tool リファレンスおよびメッセージ」では、次の用語を使用します。

アセンブラー
高水準アセンブラー (HLASM) を使用してアセンブルされた、デバッグ情報を保持しているアセンブラー・プログラムを指します。
COBOL
非言語環境プログラムの COBOL という用語で説明されている COBOL コンパイラーを除き、Debug Tool によってサポートされるすべての COBOL コンパイラーを指します。
逆アセンブリーまたは逆アセンブル
デバッグ情報なしでコンパイルされた高水準言語プログラム、または、デバッグ情報を保持していないアセンブラー・プログラムを指します。Debug Tool は、これらのプログラムに対し、逆アセンブリー表示によってデバッグ・サポートを提供します。
Enterprise PL/I
Enterprise PL/I for z/OS and OS/390® および VisualAge® PL/I for OS/390 コンパイラーを指します。
非言語環境プログラムの COBOL
以下の COBOL プログラムのいずれかを指します。

本書の内容を読み進むときに注意すべきことは、言語環境プログラムのライブラリーを 使用してプログラムをリンクおよび実行したとしても、OS/VS COBOL プログラムは非言語環境プログラムのプログラムであるということです。

NOTEST コンパイラー・オプションを使用してコンパイルし、非言語環境プログラムのライブラリーとリンクした VS COBOL II プログラムは、非言語環境プログラムのプログラムです。TEST コンパイラー・オプションを使用してコンパイルし、言語環境プログラムのライブラリーとリンクした VS COBOL II プログラムは、言語環境プログラムのプログラムです。

非言語環境プログラムの COBOL に固有の情報が提供されている場合を除き、Debug Tool の始動方法と非言語環境プログラムの COBOL プログラムのデバッグ方法については、非言語環境プログラムのプログラムに関する情報を参照してください。

PL/I
全レベルの PL/I コンパイラーを指します。例外については、参照される個々の PL/I コンパイラーについて記述されているテキストに注意書きがあります。

構文図の表記規則

このセクションでは、構文図の読み方を説明します。構文図の記号と 図に含められる項目 (キーワード、変数、区切り文字、演算子、フラグメント参照、 オペランド) を定義し、こうした項目を含む構文例を示します。

構文図は、コマンド・ステートメントを構成する要素 (オプションと引数) と順序を図で示すものです。 左から右、上から下に向かって、メインパスの横線をたどりながら読みます。

記号

構文図で示される記号は、以下のものです。

記号
定義
>>---
構文図の開始を示します。
--->
構文図が次の行に続くことを示します。
>---
前の行から構文が続いていることを示します。
---><
構文図の終了を示します。

構文項目

構文図には、さまざまな項目が含まれます。含まれる構文項目には、以下のものがあります。

キーワード、変数、および演算子は、必須、オプション、またはデフォルトとして表示されます。 フラグメント、分離文字、および区切り文字は、必須、またはオプションとして表記されます。

項目タイプ
定義
必須
必須項目は、メインパスの横線上に示されます。
オプション
オプション項目は、メインパスの横線の下に示されます。
デフォルト
デフォルト項目は、メインパスの横線より上に示されます。

構文例

以下の表に、構文例を示します。

表 1. 構文例
項目 構文例
必須項目。

必須項目は、メインパスの横線上に示されます。 この項目は指定が必要です。

構文図を読む構文図をスキップする>>-KEYWORD--required_item--------------------------------------><
 
必須選択項目。

必須選択項目 (2 項目以上) は、メインパスの横線上に縦に積み重ねて示されます。 積み重ねられた項目の 1 つを選択する必要があります。

構文図を読む構文図をスキップする>>-KEYWORD--+-required_choice1-+-------------------------------><
            '-required_choice2-'
 
オプション項目。

オプション項目は、メインパスの横線の下に示されます。

構文図を読む構文図をスキップする>>-KEYWORD--+---------------+----------------------------------><
            '-optional_item-'
 
オプション選択項目。

オプション選択項目 (2 つ以上の項目) は、水平線のメインパスの下の垂直スタックで表記されます。積み重ねられた項目の 1 つを選択することができます。

構文図を読む構文図をスキップする>>-KEYWORD--+------------------+-------------------------------><
            +-optional_choice1-+
            '-optional_choice2-'
 
デフォルト。

デフォルト項目は、メインパスの横線より上に示されます。 残りの項目 (必須またはオプション) は、メインパスの横線上 (必須) またはその下 (オプション) に 示されます。次の例は、オプション項目を伴うデフォルトを示しています。

構文図を読む構文図をスキップする            .-default_choice1--.
>>-KEYWORD--+------------------+-------------------------------><
            +-optional_choice2-+
            '-optional_choice3-'
 
変数。

変数は小文字のイタリック体で示されます。 名前または値を表します。

構文図を読む構文図をスキップする>>-KEYWORD--variable-------------------------------------------><
 
反復可能項目。

メインパスの横線の上側で左に戻る矢印は、反復できる項目を示します。

矢印内に文字がある場合、反復される項目をその文字で区切る必要があることを意味します。

反復可能項目のグループの左上に戻る矢印は、項目の内の 1 つを選択可能か、または単一項目を反復可能であることを示します。

構文図を読む構文図をスキップする            .-----------------.
            V                 |
>>-KEYWORD----repeatable_item-+--------------------------------><
 
構文図を読む構文図をスキップする            .-,---------------.
            V                 |
>>-KEYWORD----repeatable_item-+--------------------------------><
 
フラグメント。

-| フラグメント |- という記号は、ラベル付けされたグループがメインの構文図の下に記述されていることを示します。フラグメント部分を含めるとメインの構文図が過剰に複雑になる場合に、 構文がフラグメントに分割されることがあります。

構文図を読む構文図をスキップする>>-KEYWORD--| fragment |---------------------------------------><
 
fragment:
 
|--+-,required_choice1----------------------+-------------------|
   |                   .-,default_choice--. |
   '-,required_choice2-+------------------+-'
                       '-,optional_choice-'
 

ご意見の送付方法

本書または Debug Tool の他のマニュアルについてご意見がありましたら、IBM 発 行のマニュアルに関する情報の Web ページ (http://www.ibm.com/jp/manuals/) よりお送りください。今後の参考にさせていただきます。(URL は、変更になる場合が あります)


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