Rational Developer for System z
Enterprise COBOL for z/OS バージョン 4.1 コンパイラーおよびランタイム 移行ガイド


CMPR2 コンパイラー・オプションを指定してコンパイルされたプログラムのアップグレード

Enterprise COBOL は、COBOL 85 標準をサポートしています。また、VS COBOL II リリース 2 は、(COBOL 85 の一部の標準機能を組み込みつつ) COBOL 74 標準をサポートしていました。COBOL 85 標準のインプリメンテーションにより、いくつかの言語エレメント が、COBOL 74 標準のインプリメンテーションとは異なる方法で動作します。

VS COBOL II リリース 3.0 から、NOCMPR2 コンパイラー・オプションを使用 して COBOL 85 標準の動作 (組み込み関数モジュールなし) を選択するか、または CMPR2 コンパイラー・オプションを使用して COBOL 74 標準の動作を 選択することができるようになりました。CMPR2 オプションを使用すると、VS COBOL II リリース 2 にインプリメントされた COBOL 74 標準の動作と、現在 COBOL 85 標準でインプリメントされている非標準の リリース 2 拡張をサポートします。NOCMPR2 オプションを使用すると、COBOL 85 標準準拠の動作および IBM 拡張を提供します。これと同じメカニズムは、VS COBOL II リリース 2 レベルのコードを COBOL 85 標準レベルのコードへアップグレードする猶予期間を設けるための補助として、IBM COBOL でも提供されていました。Enterprise COBOL では、このような措置をサポートしていません。プログラムは COBOL 85 標準レベルでないと、Enterprise COBOL でコンパイルできません。

VS COBOL II リリース 3 または以降のリリースと IBM COBOL を参照するときは、以下の用語が定義されています。
CMPR2
CMPR2 という用語は、以下のものでコンパイルされ、実行されるプログラムの言語 および動作を参照するときに使用します。
  • VS COBOL II リリース 2
  • CMPR2 コンパイラー・オプションを使用する VS COBOL II リリース 3 または 4
  • CMPR2 コンパイラー・オプションを使用する IBM COBOL
NOCMPR2
NOCMPR2 という用語は、以下のものでコンパイルされ、実行されるプログラムの言語お よび動作を参照するときに使用します。
  • NOCMPR2 コンパイラー・オプションを使用する VS COBOL II リリース 3 または 4
  • NOCMPR2 コンパイラー・オプションを使用する IBM COBOL
  • Enterprise COBOL
FLAGMIG
FLAGMIG は、CMPR2 オプションおよび FLAGMIG オプションをサポートする Enterprise COBOL 以前のコンパイラー (VS COBOL II または IBM COBOL) の使用に言及する際に使用します。
注: Enterprise COBOL へのマイグレーションの補助として、FLAGMIG および CMPR2 をサポートする、以前の COBOL コンパイラーを使用して、変換が必要なステートメントを識別することができます。

以下にリストする言語エレメントは、CMPR2/NOCMPR2 コンパイラー・オプ ションの影響を受けます。違いについては、以下で説明します。

表 1. CMPR2 と NOCMPR2 との間で異なる言語エレメント
言語エレメント ページ
SPECIAL-NAMES 段落の ALPHABET 文節 SPECIAL-NAMES 段落の ALPHABET 文節
ALPHABETIC クラス ALPHABETIC クラス
CALL ... ON OVERFLOW CALL . . . ON OVERFLOW
位取り整数と非数字との比較 位取り整数と非数字との比較
非 COBOL 文字を使用する COPY...REPLACING ステートメント 非 COBOL 文字を使用する COPY...REPLACING ステートメント
国別拡張文字を使用する COPY ステートメント 国別拡張文字を使用する COPY ステートメント
ファイル状況コード ファイル状況コード
固定ファイル属性および JCL の DCB= パラメーター 固定ファイル属性および JCL の DCB= パラメーター
暗黙の EXIT PROGRAM 暗黙の EXIT PROGRAM
QSAM ファイルについて失敗する OPEN ステートメント (ファイル状況 39) QSAM ファイルについて失敗する OPEN ステートメント (ファイル状況 39)
VSAM ファイルについて失敗する OPEN ステートメント (ファイル状況 39) VSAM ファイルについて失敗する OPEN ステートメント (ファイル状況 39)
PERFORM から戻る方法 PERFORM から戻る方法
PERFORM...VARYING...AFTER PERFORM ... VARYING ... AFTER
「A」および「B」を指定した PICTURE 文節 「A」および「B」を指定した PICTURE 文節
PROGRAM COLLATING SEQUENCE PROGRAM COLLATING SEQUENCE
READ INTO と RETURN INTO READ INTO と RETURN INTO
RECORD CONTAINS n CHARACTERS RECORD CONTAINS n CHARACTERS
予約語 予約語
SET...TO TRUE SET . . . TO TRUE
SIZE ERROR、MULTIPLY と DIVIDE の SIZE ERROR、MULTIPLY と DIVIDE の
UNSTRING オペランドの評価 UNSTRING オペランドの評価
UPSI スイッチ UPSI スイッチ
可変長グループ移動 可変長グループ移動

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