相互に必要な APAR PK01919 (Enterprise PL/I) と PK016197 (PL/I for MVS & VM) によって出荷される機能拡張を使用すると、別プログラム・レベルおよび複数の別プログラム環境でも、SYSPRINT を Enterprise PL/I と PL/I for MVS & VM の間で共用することができます。
以下は、この共用 SYSPRINT がサポートする制限と範囲です。
- デフォルト・オプション DISPLAY(WTO) のみがサポートされます。 コンパイラー・オプションの STDSYS も DISPLAY(STD) もどちらも使用しないでください。
- SYSPRINT は、EXTERNAL、STREAM、OUTPUT、PRINT を、デフォルト属性または宣言された属性として持つ必要があります。
- 共用 SYSPRINT は、SYSOUT または永続データ・セットに対して指定することが可能でした。
- 共用 SYSPRINT は、MSGFILE(SYSPRINT) が指定されていて、混合環境に事前初期化済みのプログラムおよびストアード・プロシージャー、またはそのいずれかが存在しない場合にサポートされます。
- 複数の別プログラム環境では、オープンされた最初の SYSPRINT によって、SYSPRINT の属性が決定します。 2 番目以降の SYSPRINT は、最初の SYSPRINT からすべての属性を継承します。
- SYSPRINT は、アプリケーション全体でオープンされたままです。
処理終了時にのみクローズされる SYSPRINT を除いて、他のファイルはすべてエンクレーブ終了時にクローズされます。
- 共用 SYSPRINT の明示的なクローズが Enterprise PL/I または PL/I for MVS & VM のどちらかによって行われます。 後で SYSPRINT に書き込もうとするには、SYSPRINT を明示的または暗黙的に再度オープンする必要があります。 2 回目のオープンで再使用されるデータ・セットへ SYSPRINT を経路指定した場合、これまで書き込まれたデータが失われる可能性があります。
- SYSPRINT は、初期スレッド (Enterprise PL/I マルチスレッド化) またはメインタスク (PL/I for MVS & VM マルチタスキング) によってのみ (明示的または暗黙的に) オープンできます。 2 次スレッドおよびサブタスクは、明示的または暗黙的に SYSPRINT をオープンすべきではありません。また、明示的に SYSPRINT をクローズすべきではありません。
- TSO では、旧来の PL/I と SYSPRINT は共用できません。
共用 SYSPRINT のサポートに伴い、属性のオーバーライドが以下の点で変更されました。
- SYSPRINT が SYSOUT に経路指定されている場合、ENVIRONMENT オプションまたは OPEN ステートメントで指定された SYSPRINT 属性によって、DD ステートメントで指定された対応するオプションがオーバーライドされる
- SYSPRINT がデータ・セット (TEMPORARY、NEW、または OLD) に経路指定されている場合、プログラムによって指定された属性と DD ステートメントで指定された属性が一致しなければ、UNDEFINEDFILE 条件が発生する
マイグレーションを補助するために、APAR PK63659 で、新しい一時環境変数 PLI_SYSPRINT_ATTR_OVERRIDE が導入されました。
共用 SYSPRINT が変更される前と同じ動作を得るには、PARM パラメーターまたは PLIXOPT ストリングで、PLI_SYSPRINT_ATTR_OVERRIDE=YES を指定します。
これによって、SYSPRINT が TEMPORARY または NEW データ・セットに経路指定された場合に、属性のオーバーライドが許可されます。
なお、属性のオーバーライドは、SYSPRINT が既存の (0LD) データ・セットに経路指定された場合には許可されず、SYSPRINT が SYSOUT に経路指定された場合には常に許可されます。
また、この新規環境変数のサポートは単に一時的なものであるということにも注意してください。
LE 1.10Z 以降では、この環境変数は無視されます。
影響を受けるプログラムおよび JCL は変更する必要があり、変更しなければ UNDEFINEDFILE 条件が発生します。
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