以下の例と付随する説明では、それぞれのカテゴリーごとに組み込み関数を示します。
以下の例がゾーン 10 進数データ項目を示している場合、代わりに国別 10 進数項目を使用できます。(ただし、符号付き国別 10 進数項目の場合、SIGN SEPARATE 文節が有効でなければなりません。)
2 つの価格 (ドル記号付きの英数字項目として以下に示されています) のうちの最大値を見つけ、その値を出力レコードの数値フィールドに入れ、それから出力レコードの長さを判別したいとしましょう。 そのためには、NUMVAL-C (英数字または国別リテラルあるいは英数字または国別データ項目の、数値を戻す関数)、および MAX 関数と LENGTH 関数を使用できます。
01 X Pic 9(2).
01 Price1 Pic x(8) Value “$8000”.
01 Price2 Pic x(8) Value “$2000”.
01 Output-Record.
05 Product-Name Pic x(20).
05 Product-Number Pic 9(9).
05 Product-Price Pic 9(6).
. . .
Procedure Division.
Compute Product-Price =
Function Max (Function Numval-C(Price1) Function Numval-C(Price2))
Compute X = Function Length(Output-Record)
さらに、Product-Name の内容が大文字になるようにするために、次のステートメントを使用することができます。
Move Function Upper-case (Product-Name) to Product-Name
次の例は、今日から 90 日後の満期日を計算する方法を示しています。 CURRENT-DATE 関数から戻される最初の 8 文字は、日付を 4 桁の年、2 桁の月、および 2 桁の日という形式 (YYYYMMDD) で表します。この日付がその整数値に変換されます。そのあと、この値に 90 が追加され、整数が YYYYMMDD 形式に再度変換されます。
01 YYYYMMDD Pic 9(8).
01 Integer-Form Pic S9(9).
. . .
Move Function Current-Date(1:8) to YYYYMMDD
Compute Integer-Form = Function Integer-of-Date(YYYYMMDD)
Add 90 to Integer-Form
Compute YYYYMMDD = Function Date-of-Integer(Integer-Form)
Display 'Due Date: ' YYYYMMDD
ビジネス投資の判断では、計画された投資の利益率を評価するために、予期される将来の現金流入の現在価格を計算することがしばしば必要になります。将来の特定の時期に受け取ることが期待される金額の現在価格は、今日特定の利率で投資された場合に、累積されてその将来の金額になるであろう金額です。
例えば、計画された $1,000 の投資で、次の 3 年間にわたり、それぞれ年 1 回の支払いで $100、$200、および $300 の支払いの流れになるとします。次の COBOL ステートメントは、10% の利率でこれらの現金流入の現在の値を計算する方法を示しています。
01 Series-Amt1 Pic 9(9)V99 Value 100.
01 Series-Amt2 Pic 9(9)V99 Value 200.
01 Series-Amt3 Pic 9(9)V99 Value 300.
01 Discount-Rate Pic S9(2)V9(6) Value .10.
01 Todays-Value Pic 9(9)V99.
. . .
Compute Todays-Value =
Function
Present-Value(Discount-Rate Series-Amt1 Series-Amt2 Series-Amt3)
ANNUITY 関数は、ローンの元金および利息を返済するために必要な分割払いの支払金 (年賦金) の金額を判断することが必要とされるビジネス問題で使用できます。 一連の支払いの特徴は、各期間の長さと、期間ごとの金額および利率が一定であるということです。次の例は、$15,000 のローンを 12% の年利で 3 年間で返済するのに必要な月賦金額を計算する方法を示しています (36 か月払い、1 か月当たりの利率 = .12/12)。
01 Loan Pic 9(9)V99.
01 Payment Pic 9(9)V99.
01 Interest Pic 9(9)V99.
01 Number-Periods Pic 99.
. . .
Compute Loan = 15000
Compute Interest = .12
Compute Number-Periods = 36
Compute Payment =
Loan * Function Annuity((Interest / 12) Number-Periods)
次の COBOL ステートメントでは、組み込み関数をネストし、算術式を引数として使用し、前の複雑な計算を簡単に行う方法を示しています。
Compute Z = Function Log(Function Sqrt (2 * X + 1)) + Function Rem(X 2)
ここでは、組み込み関数 REM (REMAINDER 文節を指定した DIVIDE ステートメントではなく) が、X を 2 で割った剰余を加数に戻します。
組み込み関数を使用すると、統計情報の計算が簡単になります。 さまざまな市民税を分析していて、平均値、中央値、および範囲 (最高税額と最低税額の差) を計算したいとします。
01 Tax-S Pic 99v999 value .045.
01 Tax-T Pic 99v999 value .02.
01 Tax-W Pic 99v999 value .035.
01 Tax-B Pic 99v999 value .03.
01 Ave-Tax Pic 99v999.
01 Median-Tax Pic 99v999.
01 Tax-Range Pic 99v999.
. . .
Compute Ave-Tax = Function Mean (Tax-S Tax-T Tax-W Tax-B)
Compute Median-Tax = Function Median (Tax-S Tax-T Tax-W Tax-B)
Compute Tax-Range = Function Range (Tax-S Tax-T Tax-W Tax-B)
関連タスク
数値への変換 (NUMVAL、NUMVAL-C)