Rational Developer for System z
Enterprise COBOL for z/OS バージョン 4.1 コンパイラーおよびランタイム 移行ガイド


複雑度の割り当て

複雑度は、構成またはプログラムを移行、テスト、および調整するのに必要な処置に基づ いて定義されています。表 1 で使用されている複雑度は、以下のように定義されています。
0 すべてのコードが CCCA によってエラーなしで移行され、Enterprise COBOL のもとで 正しくコンパイルされる
1 ~ 3

中程度のテストが必要
中程度の調整が必要
大部分のコードが CCCA によってエラーなしで移行される

4

CCCA と、おそらく手動移行が必要
特殊なテスト考慮事項が必要

5 ~ 6

中程度から高度の調整が必要
機能の等価性を調べるための中程度から高度のテストが必要
CCCA のほかに移行が必要
(手動または自動)

7 ~ 8

高度の調整が必要
機能の等価性を調べるための高度のテストが必要

9

非常に高度の調整が必要
機能の等価性を調べるための非常に高度のテストが必要

10 モジュールの書き直しが必要

上記の複雑度 (またはユーザーが独自に定義した複雑度) に基づいて、プログラム内の 各属性に複雑度を割り当てることができます。示された複雑度の中で最も高いものを、そのプログラム全体の複雑度とし て使用してください。アプリケーションの場合は、そのアプリケーション内で最も高い複雑度を割り当てられたプログラムの複 雑度が、アプリケーション全体の複雑度になります。

表 1 に、特定のプログラム属性の移行についての複雑度の見積もりを 示します。

表 1. プログラム属性の移行についての複雑度
プログラム属性 属性の説明 複雑度
ソース・コードの行数 1000 以下 0
5000 ~ 10,000 3
10,000 ~ 20,000 以上 5
固定ファイル属性の不一致 (FS 39)1   4
CMPR2 を指定して VS COBOL II 以上でコンパイルされたプログラム コンパイラー・オプション CMPR2 はサポートされない 1   C
COBOL 74 標準の COPY ライブラリー・メンバー   1 M C
ANS COBOL V4 の COPY ライブラリー・メンバー 1 ~ 10 2 M C
10 ~ 20 5 M C
20 以上 6 M C
安定度 変更の計画がないプログラム 0    
年 2 回変更されるプログラム    
毎月またはより頻繁に変更されるプログラム 8+    
アクセスされるファイルの数 1 ~ 3 1 M C
3 ~ 5 2 M C
6 以上 3 M C
ソース・コードなしのモジュール 書き直しが必要なモジュール 102    
アップグレードの必要がないモジュール 6    
CICS マクロ・レベル・プログラム   103    
完全版 ANS COBOL V4 コンパイラー (以前のコンパイラー) でコンパイルしたプログラム   4   C
OS/VS COBOL リリース 2 コンパイラーによるコンパイル LANGLVL(2) 手動変更なし M C
LANGLVL(1) 手動変更なし M C
LANGLVL(2) 手動変更あり 4 M C
LANGLVL(1) 手動変更あり 4 M C
結果が変わる言語の使用 複合 OCCURS DEPENDING ON 4   C
簡略複合比較条件 6 M  
浮動小数点演算 6 M  
指数 6 M  
符号付きデータ 2    
バイナリー・データ 2    
使用されるアクセス方式 ISAM4 10 M C
BDAM 10   C5
TCAM 10    
報告書作成プログラム言語の使用 (報告書作成プログラム・プリコンパイラーを使用しな い場合)   6 M C
報告書作成プログラム言語の使用 (報告書作成プログラム・プリコンパイラーを使用する 場合)   0    
CICS   4    
注:
  1. 詳細については、QSAM ファイルでのファイル状況 39 の防止を参照してください。
  2. IBM 以外の取引先が、オブジェクト・コードから COBOL ソース・コード を再作成することができます。
  3. CICS マクロ・レベル・プログラムをコマンド・レベル・プログラムに変換 するのに役立つように、CICS アプリケーション・マイグレーション・エイドを 使用することができます。
  4. z/OS 1.7 では ISAM によるサポートはありません。
  5. これは部分的な移行です。

M の印が付いているカテゴリーについては、OS/VS COBOL の MIGR オプショ ンを使用して情報を収集することができます。C の印が付いているカテゴリーについては、COBOL 移行ツール (CCCA) を使用し て情報を収集することができます。


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