Rational Developer for System z
Enterprise COBOL for z/OS バージョン 4.1 プログラミング・ガイド


クラス・インスタンス・データ定義用の WORKING-STORAGE SECTION

COBOL クラスが必要とする インスタンス・データ、つまりクラスの各インスタンスに割り当てられるデータを記述するには、OBJECT 段落の DATA DIVISION にある WORKING-STORAGE SECTION を使用します。

IDENTIFICATION DIVISION 宣言の 直前に入れる必要がある OBJECT キーワードは、クラスのインスタンス・データおよび インスタンス・メソッドの定義の開始を示します。例えば、Account クラスのインスタンス・データの定義は、以下のようになります。

Identification division.
Object.
  Data division.
  Working-storage section.
  01 AccountNumber  pic 9(6).
  01 AccountBalance pic S9(9) value zero.
  . . .
End Object.

インスタンス・データは、オブジェクト・インスタンスが作成されるときに割り振られ、Java ランタイムによるインスタンスのガーベッジ・コレクションが行われるまで 存在します。

上記に示すように、単純インスタンス・データの初期化は、VALUE 節を 使用して行うことができます。より複雑なインスタンス・データの初期化は、カスタマイズしたメソッドをコーディングし、クラスのインスタンスを作成して初期化して行うことができます。

COBOL インスタンス・データは、Java private 非静的メンバー・データと同等です。 他のクラスまたはサブクラス (同じクラス内のファクトリー・メソッドがあればそのメソッドも) は、COBOL インスタンス・データを直接参照することはできません。インスタンス・データは、OBJECT 段落で定義するすべてのインスタンス・メソッドに グローバルです。OBJECT 段落の外側からインスタンス・データにアクセス可能にしたい場合には、アクセスを可能にするために属性 (get または set) インスタンス・メソッドを定義します。

インスタンス・データ宣言のための WORKING-STORAGE SECTION の構文は、プログラムにおける場合と一般的に同じですが、次のような例外があります。


ご利用条件 | フィードバック

このインフォメーション・センターでは Eclipse テクノロジーが採用されています。(http://www.eclipse.org)