Rational Developer for System z
Enterprise COBOL for z/OS バージョン 4.1 コンパイラーおよびランタイム 移行ガイド


非 CICS アプリケーションについて推奨されるランタイム・オプション

表 1 では、既存の非 CICS COBOL アプリケーションについて強く推奨さ れる言語環境プログラム・ランタイム・オプションを記述します。言語環境プログラム・ランタイム・オプションの完全なリストについては、「言語環境プログラム プログラミング・リファレンス」を参照してください。

表 1. 非 CICS COBOL アプリケーションについて推奨される言語環境プログラム・ランタイム・オプション
オプション LanEnv デフォルト設定 推奨される COBOL 設定 説明
ABTERMENC ABEND ABEND ABTERMENC(ABEND) を使用すると、異常終了、プログラム・チェック、または重大エラーが発生した場合に、アプリケーションは異常終了コードを出して終了します。これは、OS/VS COBOLVS COBOL II で問題が発生した場合に終了するのと同様です。

VS COBOL II ランタイム・メッセージに関するその他の考慮事項について は、異常終了コードを参照してください。

システム・ダンプを入手するには、システム・ダンプまたは CICS トランザクション・ダンプの入手を参照し てください。

CBLOPTS ON ON CBLOPTS(ON) を使用すると、既存の COBOL 形式の呼び出し文字ストリングが引き続き機能します (ユーザー・パラメーターの後にランタイム・オプションが続きます)。このオプションは、アプリケーションのメインプログラムが COBOL である場合にのみ有効です。
CBLQDA OFF OFF CBLQDA(OFF) を使用すると、OPEN OUTPUT、OPEN I-O (オプション・ファイル)、また は OPEN EXTEND (オプション・ファイル) ステートメントが QSAM ファイルに対して発行されたときに、使用可能でないファイルの QSAM 動的割り振りが抑制されます。 CBLQDA(OFF) の動作は、OS/VS COBOLVS COBOL II リリース 2、および CMPR2 を指定して VS COBOL II リリース 3 以降でコンパイルされたプログラムと互換性があります。また、IGZEQOC に対して APAR II04562 の ZAP を適用した VS COBOL II ランタイムのもとで実行される VS COBOL II NOCMPR2 プログラムとも互換性があります。CBLQDA(ON) は COBOL 85 標準に準拠します。
RTEREUS OFF OFF RTEREUS は、インストール先のデフォルトとして推奨されません。RTEREUS を使用する場合、使用は特定のアプリケーションに限ってください。さらに、以 下のような、可能性のある副次作用および制限を理解しておかなければなりません。
  • CEEPIPI または DB2 ストアード・プロシージャーを使用する場合 は、RTEREUS(ON) は無視されます。
  • 言語環境プログラムのもとでは、IGZERREO CSECT を使用して動作を変更しない 限り、RTEREUS(ON) は単一エンクレーブ環境でのみサポートされます。COBOL の再使用可能環境についての IBM 提供のデフォルト設定の場合、ネストされたエンクレーブを作成しようとするアプリケーションは終了し、エラー・メッセージ IGZ0168S が出されます。ネストされたエンクレーブは、SVC LINK または CMSCALL を使用してアプリケーション・プロ グラムを呼び出すアプリケーションによって作成される可能性があります。1 つの例としては、ISPF のもとで、ISPF サービス (CALL 'ISPLINK' およ び ISPF SELECT など) を使用しているアプリケーション・プログラムを呼び出すため に SVC LINK が使用されたときです。
  • 言語環境プログラムの再使用可能環境を確立した (RTEREUS を用いて) 場合は、言語環境プログラムの もとで C または PL/I メインプログラムを実行しようとしても失敗します。たとえば、RTEREUS(ON) を指定して ISPF で実行する場合、
    • ISPF によって呼び出される最初のプログラムは COBOL プログラムです。言語環境プログラムの再使用可能環境が確立されます。
    • その他のポイントで、ISPF が PL/I または C プログラムを呼び出します。PL/I または C プログラムの初期設定は失敗します。
  • 多数の COBOL プログラムが同じ MVS タスクのもとで実行されると、領域不足の異常終 了が起こる可能性があります。これは、COBOL プログラムを実行するために言語環境プログラムによって獲得されたすべてのストレージが、MVS タスクが終了するかまたは 言語環境プログラム環境が終了するまで、ストレージ内で保持されるためです。
  • エンクレーブを終了させるために STOP RUN が実行されない限り、言語環境プログラムの終了は行われ ません。その結果、次のようになります。
    • 言語環境プログラムのストレージおよびランタイム・オプション報告書が言語環境プログラムによって生成されません。
    • COBOL プログラムによってクローズされなかった COBOL ファイルが、言語環境プログラムによってク ローズされません。その結果、ファイル内のデータを予測できません (たとえば、レコード が書き込まれなかったり、最後のレコードが 2 回書き込まれたりする可能性があります)。

ANYHEAP
BELOWHEAP
HEAP
LIBSTACK
STACK

  これらのランタイム・オプションは、ストレージを管理するのに役立ちます。STACK については、アプリケーション内のいずれかのプログラム が AMODE 24 で稼働している場合は、サブオプション BELOW を指定して ください (ALL31(OFF) も指定してください)。アプリケーション内のすべてのプログラムが AMODE 31 である場合は、サブオプション ABOVE を指定してください (ALL31(ON) も指定してください)。COBOL では、STACK の推奨設定値は、ALL31(OFF) を使用する場合は 64K、64K、BELOW、KEEP であり、ALL31(ON) を使用する場合は 64K、64K、ANY、KEEP です。
TERMTHDACT TRACE

UADUMP
または
UATRACE

重大エラー (たとえば、プログラム・チェックまたは異常終了) が原因で環境が終了する ときに言語環境プログラムのもとでシステム・ダンプを受け取るに は、TERMTHDACT(UADUMP)、 TERMTHADACT(UATRACE)、または TERMTHDACT(UAONLY) を使用してください。 あるいは、異常終了出口を使用してください。詳細については、システム・ダンプまたは CICS トランザクション・ダンプの入手を参照してください。
TRAP ON ON TRAP は、言語環境プログラム・ルーチンが異常終了およびプログラム・チェックを処理する方法を指定 します。アプリケーションが正常に稼働するためには、TRAP(ON) を指定しなければなりません。さらに、TRAP(ON) を使用すると、言語環境プログラムVS COBOL II (STAE ランタイム・オプショ ン) と OS/VS COBOL (STATE、 FLOW、COUNT、および SYMDMP の各デバッグ・オプション) の 両方によって提供される既存の条件処理機構をサポートすることができます。

ご利用条件 | フィードバック

このインフォメーション・センターでは Eclipse テクノロジーが採用されています。(http://www.eclipse.org)