XML-EVENT の内容
XML 構文解析時にイベントが発生すると、XML パーサーは以下に示されている該当するイベント名を XML-EVENT 特殊レジスターに書き込みます。
(イベントは処理プロシージャーに渡され、イベントに対応するテキストが
XML-TEXT 特殊レジスターまたは XML-NTEXT 特殊レジスターのどちらかに書き込まれます。)
- ATTRIBUTE-CHARACTER
- 定義済みエンティティー参照 &'、'''、'>'、'<'、および '"' 用の属性値に出現します。定義済みエンティティーの詳細については、XML 仕様 を参照してください。
- ATTRIBUTE-CHARACTERS
- 属性値のフラグメントごとに出現します。XML テキストにはフラグメントが入ります。属性値は、通常、単一ストリングのみで構成されます。複数の行に分割されている場合でも同様です。ただし、場合によっては、属性値が複数のイベントで構成されることがあります。
- ATTRIBUTE-NAME
- 有効な名前を認識後、エレメント開始タグまたは空エレメント・タグの属性ごとに出現します。XML テキストには属性名が入ります。
- ATTRIBUTE-NATIONAL-CHARACTER
- '&#dd..;' または '&#hh..;' (d は 10 進数字を表し、h は 16 進数字を表す) の形式で表された数字参照 (Unicode コード・ポイント、つまり「スカラー値」) 用の属性値に出現します。国別文字のスカラー値が 65,535 (NX'FFFF') より大きい場合、XML-NTEXT には 2 つのエンコード・ユニット (サロゲート・ペア) が入り、長さは 4 バイトになります。このエンコード・ユニットのペアは、2 つで 1 つの文字を表現します。このペアを分割すると無効な文字が作成されますので、分割しないでください。
- COMMENT
- XML 文書についてのコメントがある場合に出現します。XML テキストには、コメントの開始と終了を示すコメント区切り <!-- と --> に囲まれてデータが入ります。
- CONTENT-CHARACTER
- 定義済みのエンティティー参照 '&'、'''、'>'、'<'、および '"' に対するエレメントの内容に出現します。定義済みエンティティーの詳細については、XML 仕様 を参照してください。
- CONTENT-CHARACTERS
- このイベントは、XML 文書の基本部分を表します。つまり、エレメント開始タグと終了タグの間の文字データです。XML テキストにはこのデータが含まれており、通常、これは単一のストリングのみで構成されます。複数の行にわたる場合も同様です。エレメントの内容に参照や別のエレメントが含まれている場合、内容全体が複数のイベントで構成されることがあります。パーサーでは、CONTENT-CHARACTERS イベントを使用して、CDATA セクションのテキストをプログラムに渡す場合もあります。
- CONTENT-NATIONAL-CHARACTER
- '&#dd..;' または '&#hh..;' (d は 10 進数字を表し、h は 16 進数字を表す) の形式で表された数字参照 (Unicode コード・ポイント、つまり「スカラー値」) 用のエレメントの内容に出現します。国別文字のスカラー値が 65,535 (NX'FFFF') より大きい場合、XML-NTEXT には 2 つのエンコード・ユニット (サロゲート・ペア) が入り、長さは 4 バイトになります。このエンコード・ユニットのペアは、2 つで 1 つの文字を表現します。このペアを分割すると無効な文字が作成されますので、分割しないでください。
- DOCUMENT-TYPE-DECLARATION
- パーサーが文書タイプ宣言を検出したときに出現します。文書タイプ宣言は、文字シーケンス '<!DOCTYPE' で始まり、右側の不等号括弧 ('>') 文字で終わりますが、この間には内容を記述する複雑な文法規則が入ります。詳細については、「XML 仕様」を参照してください。このイベントの場合、XML テキストには宣言全体 (開始と終了の文字シーケンスを含む) が入ります。これは、XML テキストに区切り文字が含まれる唯一のイベントです。
- ENCODING-DECLARATION
- オプションのエンコード宣言についての XML 宣言内に出現します。XML テキストには、エンコード値が入ります。
- END-OF-CDATA-SECTION
- パーサーが CDATA セクションの終了を認識したときに出現します。
- END-OF-DOCUMENT
- 文書の構文解析が完了したときに出現します。
- END-OF-ELEMENT
- パーサーが、エレメント終了タグまたは空エレメント・タグの終了不等号括弧を認識するたびに一度出現します。XML テキストにはエレメント名が入ります。
- EXCEPTION
- XML 文書の処理中にエラーが検出されたときに出現します。構文解析が開始される前にシグナル通知されるエンコード矛盾例外については、XML-TEXT
(英数字データ項目内の XML 文書の場合) または XML-NTEXT
(国別データ項目内の XML 文書の場合) のいずれかが長さ 0 になるか、文書エンコード宣言値のみが入ります。
- PROCESSING-INSTRUCTION-DATA
- PI ターゲットの直後に始まり、PI 終了の文字シーケンス '?>' の直前で終わるデータについて出現します。XML テキストには、PI データが入ります。これには末尾の空白文字が含まれますが、先頭の空白文字は含まれません。
- PROCESSING-INSTRUCTION-TARGET
- 処理命令 (PI) 開始の文字シーケンス '<?' 以降にパーサーが名前を認識したときに出現します。PI を使用すると、アプリケーション用の特別な命令を XML 文書に定義することができます。
- STANDALONE-DECLARATION
- オプションの standalone 宣言についての XML 宣言内に出現します。XML テキストには、standalone 値が入ります。
- START-OF-CDATA-SECTION
- CDATA セクションを開始するときに出現します。CDATA セクションは、ストリング '<![CDATA['で開始され、ストリング ']]>' で終了します。CDATA セクションは、XML マークアップとして認識される文字を含むテキストのブロックを「エスケープ」するために使用します。XML テキストには、必ず開始の文字シーケンス '<![CDATA[' が含まれています。パーサーでは、これらの区切り文字で囲まれた CDATA セクションの内容を単一の CONTENT-CHARACTERS イベントとして渡します。
- START-OF-DOCUMENT
- 構文解析する文書の先頭に一度だけ出現します。XML テキストは文書全体であり、これには、LF (改行) や NL (改行) など行制御文字がすべて含まれています。
- START-OF-ELEMENT
- エレメント開始タグまたは空エレメント・タグごとに一度出現します。XML テキストはエレメント名に設定されます。
- UNKNOWN-REFERENCE-IN-ATTRIBUTE
- 5 つの定義済みエンティティー参照 (前述の ATTRIBUTE-CHARACTER に記載) 以外のエンティティー参照用の属性値に出現します。
- UNKNOWN-REFERENCE-IN-CONTENT
- 定義済みエンティティー参照 (前述の CONTENT-CHARACTER に記載) 以外のエンティティー参照用のエレメントの内容に出現します。
- VERSION-INFORMATION
- バージョン情報についてのオプションの XML 宣言内に出現します。XML テキストには、バージョン値が入ります。XML 宣言 は、使用される XML のバージョンおよび文書のエンコード方式を指定する XML テキストです。
例: XML イベントの処理
関連概念
XML-TEXT および XML-NTEXT の内容
関連タスク
XML 文書の構文解析
XML を処理するためのプロシージャーの作成
関連参照
XML-EVENT
(「COBOL for Windows 言語解説書」)
4.6
Predefined Entities (「XML 仕様」)
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