IBM Enterprise COBOL for z/OS は、zSeries® プラットフォーム用の IBM の戦略的 COBOL コンパイラーです。 Enterprise COBOL は、IBM COBOL、VS COBOL II、および OS/VS COBOL の機能の他に、マルチスレッド使用可能化、Unicode、XML 機能、Java とのインターオペラビリティーのためのオブジェクト指向 COBOL 構文、組み込み CICS 変換プログラム、および組み込み DB2 コプロセッサーなどの追加機能を備えています。Enterprise COBOL、IBM COBOL、および VS COBOL II は、いずれも COBOL 85 標準をサポートします。IBM COBOL でサポートされていた CMPR2 コンパイラー・オプションおよび SOM ベースのオブジェクト指向 COBOL 構文など一部の機能は、Enterprise COBOL ではサポートされません。
言語環境プログラムは、COBOL、PL/I、C、および FORTRAN 用に単一の言語ランタイム環境を提供します。既存のアプリケーションのサポートに加えて、言語環境プログラムは、共通の条件処理、向上した言語間通 信 (ILC)、再使用可能ライブラリー、およびより効率的なアプリケーション開発も提供しま す。アプリケーション開発は、共通の規則、共通のランタイム機能、およびセットで提供さ れる共用呼び出し可能サービスを使用することにより、単純化されます。Enterprise COBOL プログラムを実行するには、言語環境プログラムが必要です。
デバッグ能力は Debug Tool によって提供されます。Debug Tool は、以前の COBOL Debug Tool と比較してデバッグ機能が大幅に改善されており、言語環境プログラムのもとで実行される Enterprise COBOL プログラム、IBM COBOL プログラ ム、VS COBOL II プログラム、およびその他の言語環境プログラム準拠言語プログラム (PL/I および C/C++ を含む) のデバッグに使用すること ができます。
以前の IBM COBOL 製品では、ランタイム・ライブラリーはコンパイラーと一緒に組み込まれていました。 さらに、デバッグ・コンポーネントも単一の COBOL 製品のオプションの一部でした。 Enterprise COBOL バージョン 3 では、 Debug Tool は、コンパイラーの全機能バージョンと共に組み込まれていました。
Enterprise COBOL バージョン 4 では、 コンパイラー、デバッグ・コンポーネント、およびランタイム・ライブラリーはすべて分離していますが、ランタイム・ライブラリー (言語環境プログラム) は、z/OS オペレーティング・システムと一緒に組み込まれており、別々に購入する必要はありません。