Rational Developer for System z
Enterprise COBOL for z/OS バージョン 4.1 プログラミング・ガイド


クラスの定義

COBOL クラス定義は、IDENTIFICATION DIVISION および ENVIRONMENT DIVISION、その後にオプションのファクトリー定義とオプションのオブジェクト定義、さらにその後に END CLASS マーカーが続く構成となっています。

表 1. クラス定義の構成
セクション 目的 構文
IDENTIFICATION DIVISION (必須) クラスの名前。継承情報を提供する。
クラス定義用の CLASS-ID 段落 (必須)

AUTHOR 段落 (オプション)
INSTALLATION 段落 (オプション)
DATE-WRITTEN 段落 (オプション)
DATE-COMPILED 段落 (オプション)

ENVIRONMENT DIVISION (必須) コンピューター環境を記述する。クラス定義内で使用されるクラス名を、コンパイル単位の外側で判明している、対応する外部クラス名に関連付ける。

CONFIGURATION SECTION (必須)

クラス定義用の REPOSITORY 段落 (必須)

SOURCE-COMPUTER 段落 (オプション)
OBJECT-COMPUTER 段落 (オプション)
SPECIAL-NAMES 段落 (オプション)

ファクトリー定義 (オプション) クラスのすべてのインスタンスが共有するデータと オブジェクト・インスタンスとは別々にサポートされるメソッドを定義する。
 IDENTIFICATION DIVISION.
 FACTORY.
  DATA DIVISION.
  WORKING-STORAGE SECTION.
*   (Factory data here)
  PROCEDURE DIVISION.
*   (Factory methods here)
 END FACTORY.
オブジェクト定義 (オプション) インスタンス・データとインスタンス・メソッドを定義する。
 IDENTIFICATION DIVISION.
 OBJECT.
  DATA DIVISION.
  WORKING-STORAGE SECTION.
*   (Instance data here)
  PROCEDURE DIVISION.
*   (Instance methods here)
 END OBJECT.

SOURCE-COMPUTEROBJECT-COMPUTER、または SPECIAL-NAMES 段落をクラス CONFIGURATION SECTION に指定すると、それらの段落は、そのクラスが導入するすべてのメソッドを含む、クラス定義全体に適用されます。

クラス CONFIGURATION SECTION は、プログラム CONFIGURATION SECTION と同じ記入項目で構成されています。ただし、クラス CONFIGURATION SECTION には INPUT-OUTPUT SECTION を含めることはできません。INPUT-OUTPUT SECTION の定義は、クラス・レベルでその定義を行うのではなく、それを必要とする個々のメソッドにおいてのみ行います。

上記で説明したように、インスタンス・データと メソッドの定義は、そのクラス定義の OBJECT 段落内で、それぞれ、DATA DIVISION および PROCEDURE DIVISION において、行います。個別のオブジェクト・インスタンスにではなく、クラス自体に関連付けるデータとメソッドを必要とするクラスに、クラス定義の FACTORY 段落内で、別々の DATA DIVISION および PROCEDURE DIVISION を定義します。

各 COBOL クラス定義は、別々のソース・ファイルになければなりません。

例: クラスの定義

関連参照
COBOL クラス定義構成 (Enterprise COBOL 言語解説書)


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