Rational Developer for System z バージョン 7.6

Debug Tool ランタイム・オプション

このトピックでは、Debug Tool の操作の制御に使用できるランタイム・オプションについて説明します。

Debug Tool ユーザーズ・ガイド」の表 10 には、TEST ランタイム・オプションを指定するために使用できる方法のほとんどが記載されています。この表と「Debug Tool ユーザーズ・ガイド」のトピック『デバッグ・セッションの計画』の情報を使用して、それぞれのサイトに最も適した方法を選択してください。

方法には、言語環境プログラムの標準ランタイム・オプションを使用するものもあります。また、対応する言語環境プログラム・オプションと同じ構文および意味を持つ Debug Tool キーワード・オプションを使用する方法もあります。 すべてのケースで、デフォルト値が受け入れ可能である場合は、これらのオプションを省略できます。

言語環境プログラムにランタイム・オプションを指定する場合は、それらのオプションが言語環境プログラムによって処理されます。また、次の規則が適用されます。

z/OS® バッチまたは TSO で EQANMDBG を使用して、ランタイム・オプションを非言語環境プログラムの プログラムに指定する場合は、オプションが Debug Tool によって処理されます。また、次の規則が適用されます。

ここで述べた内容に関して詳しくは、以下のトピックを参照してください。

非言語環境プログラムの定位置パラメーター

言語環境プログラムで実行されない MVS バッチ または TSO プログラムをデバッグするために EQANMDBG を使用して Debug Tool を始動する場合、 最初の定位置パラメーターは、デバッグ対象のプログラムの名前でなければなりません。 この名前の直後に、以下のオプションのいずれかを付ける必要があります。

ユーザー・プログラム・パラメーターが不要である場合、スラッシュはオプショナルです。

ここで述べた内容に関して詳しくは、以下のトピックを参照してください。

COUNTRY ランタイム・オプション

COUNTRY オプションを使用して、Debug Tool が使用する国別コードを指定します。 デフォルトは常に US です。

このオプションの構文は次のとおりです。

COUNTRY ランタイム・オプションの構文図
country_code
有効な国別コードで、以下のいずれかです。
US
米国
JP
日本

NATLANG ランタイム・オプション

NATLANG オプションを使用して、Debug Tool が使用する目的の各国語を指定します。 この指定でメッセージなどの Debug Tool 出力の表示に使用する言語が決定されます。NATLANG を指定しない場合は、インストール・デフォルトが使用されます。

このオプションの構文は次のとおりです。

NATLANG ランタイム・オプションの構文図
language_Id
有効な各国語 ID で、以下のいずれかです。
ENU
英語
UEN
大文字の英語
JPN
日本語
KOR
韓国語

NATLANG を JPN または KOR に設定し、フルスクリーン・モードを使用している場合は、SET DBCS ON コマンドを入力して、Debug Tool が正しい形式でメッセージを表示できるようにします。

TEST ランタイム・オプション

TEST ランタイム・オプションは、プログラムの制御を Debug Tool に与えます。

このトピックでは、TEST ランタイム・オプションとそのサブオプションについて説明します。TEST ランタイム・オプションのサブオプションは、どのようにして、いつ、どこで Debug Tool がプログラムの制御を得るかを制御します。TEST ランタイム・オプションを指定する方法については、「Debug Tool ユーザーズ・ガイド」の『デバッグ・セッションの計画』を参照してください。

TEST ランタイム・オプション構文

TEST ランタイム・オプションでは任意のサブオプションを結合できますが、TEST 構文で指定されている順序でのみ可能です。「デフォルト」として参照されるオプションまたはサブオプションは、IBM 提供のデフォルトですが、システム管理者によってインストール時に変更され ている場合もあります。

このオプションの構文は次のとおりです。

TEST ランタイム・オプションの構文図
注:
  1. リモート・デバッグ・モードを指定します。

以下のリストは、それぞれのオプションおよびサブオプションにより行われるアクションについて説明しています。

NOTEST
プログラム初期設定時に Debug Tool が開始されないことを指定します。ただし、Debug Tool の開始は、CEETESTPLITEST、または __ctest() 関数を使用すれば可能です。このような場合、NOTEST で指定されたサブオプションが、Debug Tool の開始時に使用されます。
TEST
指定されたサブオプションに従って、Debug Tool に制御が渡されることを指定します。指定された TEST サブオプションは、Debug Tool が CEETESTPLITEST または __ctest() を使用して開始された場合に使用されます。

CALL CEETEST (または同等のエントリー) を使用して Debug Tool を開始した 場合、高水準非言語環境プログラムのプログラムをデバッグしたり、または Debug Tool を開始したプログラムから戻ったあとでより高水準なプログラムで生じる非言語環境プログラムのイベント を代行受信したりすることはできません。

test_level:

ALL (またはブランク)
アテンション割り込み、ユーザー・プログラムの終了 (正常終了あるいは ABEND により)、あるいは重大度が 1 以上のプログラム条件か言語環境プログラム条件が発生した場合、発生した条件タイプにブレークポイントが定義されているか否かを問わず、Debug Tool に制御を渡すことを指定します。

言語環境プログラムにより FINISH、CEE066、または CEE067 スレッド終了条件が生成される場合に、システム管理者は、EQAOPTS オプション・ファイルに THREADTERMCOND オプションを指定することで、この条件で Debug Tool が停止しないように設定できます。このオプションが指定されたかどうかを判別するには、システム管理者に問い合わせてください。

条件が発生した場合にその条件によるブレークポイントが存在していると、ブレークポイントで指定されているコマンドが実行されます。条件が発生した場合にその条件のためのブレークポイントが存在しないか、またはアテンション割り込みが起こった場合には、Debug Tool は以下のことを行います。

ERROR
以下の条件が発生した場合に限り、ユーザー定義のブレークポイントが なくても Debug Tool に制御が渡されることを指定します。 上記の条件のいずれかに対してブレークポイントが存在しているときには、ブレークポイントで指定されたコマンドが実行されます。コマンドが指定されていない場合、Debug Tool はコマンド・ファイルからコマンドを読み取るか、あるいは対話モードでプロンプトを出してコマンド入力を要求します。
NONE
ある条件の場合にブレークポイントが定義されている場合に限り、Debug Tool がその条件によって制御を得ることを指定します。その条件のためのブレークポイントが存在する場合、ブレークポイントで指定されているコマンドが実行されます。Debug Tool が開始されていない場合、アテンション割り込みにより、Debug Tool が制御を得ることはありません。デバッグ・セッション開始後に TEST レベルを変更する場合は、SET TEST コマンドを使用します。

commands_file:

* (またはブランク)
コマンド・ファイルが提供されないことを指示します。端末が使用可能であれば、それが Debug Tool コマンドのソースとして使用されます。
commands_file_designator
基本コマンド・ファイルの有効な指定。コマンド・ファイルは、端末の代わりにコマンドの初期ソースとして使用され、優先ファイルが指定された場合、優先ファイルが処理された後でのみ使用されます。

この指定には、DD 名またはデータ・セット名のいずれかが可能です。Debug Tool は以下のプロシージャーを使用して、この指定が DD 名か、またはデータ・セット名かどうかを判別します。

  • この指定にピリオド (.) が含まれていない場合は、Debug Tool は DD 名とみなします。
  • ピリオド (.) が含まれている場合、CICS® 下で稼働中であれば、Debug Tool はその指定を完全修飾のデータ・セット名と見なします。
  • そうでない場合、Debug Tool はその指定を部分的に修飾されたデータ・セット名とみなし、 ユーザー ID を前に付けて完全修飾データ・セット名を形成します。 Debug Tool にデータ・セット名を完全修飾名として解釈させるには、 名前の前に負符号 (-) を付けてください。 この場合、Debug Tool はユーザー ID をデータ・セット名に追加しなくなります。

指定に非英数字の文字 (例えば、括弧) が含まれる場合は、指定を引用符 (") またはアポストロフィ (') で囲む必要があります。しかし、データ・セット名が引用符またはアポストロフィで囲まれている場合、Debug Tool は部分修飾データ・セット名と見なして、ユーザー ID を接頭部に付加して完全修飾データ・セット名とします。

commands_file_designator の最大長は 80 文字 です。

指定された DD 名が 8 文字よりも長い場合、DD 名は自動的に切り捨てられます。エラー・メッセージは発行されません。

基本コマンド・ファイルは、バッチ・モードでデバッグする場合に必要です。Debug Tool は、コマンド・ファイルにリストされているコマンドを読み取って、実行しますが、これはファイル内のコマンドが尽きるか、またはプログラムの実行が終わるまで続けられます。1 つの Debug Tool セッションのログ・ファイルは、次の Debug Tool セッションのコマンド・ファイルとして使用できます。

基本コマンド・ファイルは、複数のエンクレーブ (別プログラム) 間で 共用されます。

VADSCPnnnnn
ソースまたはコンパイラーが 037 以外のコード・ページを使用する場合に、プログラムをリモート・デバッグ・モードでデバッグするときに使用する CCSID (コード化文字セット ID) を指定します。

C/C++ ソースに大括弧またはその他の特殊文字が含まれている場合は、VADSCPnnnnn サブオプションを指定して Debug Tool のデフォルト・コード・ページ (037) をオーバーライドしなければならない場合があります。システム・プログラマーに問い合わせて、コード・ページ 1047 を指定するための CODEPAGE オプションが実装されているかどうかを確認してください。実装されていない場合は、ソースをコンパイルするときに指定したコード・ページを確認してください。コード・ページを明示的に指定しなかった場合は、C/C++ コンパイラーでデフォルト・コード・ページ 1047 が使用されます。使用されているコード・ページが 1047 であるか、または 037 以外のコード・ページである場合は、そのコード・ページを指定する VADSCPnnnnn サブオプションを指定する必要があります。

次の例は、VADSCPnnnnn の使用法を示しています。

CODEPAGE オプションが存在する場合は、CODEPAGE オプションで指定されたコード・ページが、VADSCPnnnnn で指定された CCSID をオーバーライドします。

CODEPAGE オプションも VADSCPnnnnn オプションもいずれも指定されていない場合のデフォルトのコード・ページは US コード・ページ (037) です。

prompt_level:

PROMPT (あるいは ; またはブランク)
言語環境プログラムの初期設定直後に Debug Tool を開始する必要があることを表します。コマンドは、まず優先ファイルから読み取られ、続いて指定された基本コマンド・ファイルから 読み取られます。どちらのファイルも存在しない場合には、端末またはワークステーションから コマンドが読み取られます。
NOPROMPT (または *)
Debug Tool を言語環境プログラムの初期設定直後には開始しないことを指定します。その代わり、ユーザー・アプリケーションの実行が開始されます。Debug Tool が言語環境プログラム・ランタイムなしで実行されている場合 (EQANMDBG を使用して開始)、NOPROMPT オプションは無視されます。PROMPT が常に有効です。

NOPROMPT サブオプションを指定した場合は、高水準非言語環境プログラムのプログラムをデバッグしたり、または Debug Tool を開始したプログラムから戻ったあとでより高水準なプログラム で生じる非言語環境プログラムのイベントを代行受信したりすることはできません。

command
1 つ以上の有効な Debug Tool コマンド。プログラム初期設定の直後に Debug Tool が開始され、続いてこのコマンド (またはコマンド・ストリング) が実行されます。 コマンド・ストリングは、最大長 250 文字まで可能で、引用符 (") で囲む必要があります。 複数のコマンドは、セミコロンで分離する必要があります。

コマンド・ストリングに STEP コマンドまたは GO コマンドを組み込むと、後続のコマンドはどれも処理されません。

prompt_level でのコマンドの使用は、リモート・デバッグ・モードではサポートされません。

preferences_file:

MFI (メインフレーム・インターフェース)
デバッグ・セッションで Debug Tool がフルスクリーン・モードで開始されることを指定します。
terminal_id (CICS のみ)
二重端末セッション中に Debug Tool 画面出力を受け取るための端末 ID を 4 文字以内の長さで指定します。対応する端末は稼働中で、かつ接続されており、Debug Tool 関連の入出力を受け取り可能な状態で あることが必要です。
network_identifier (フルスクリーン・モード (VTAM 端末) のみ)
VTAM_LU_Id パラメーターで識別されるパートナー LU があるネットワークを識別する、1 から 8 文字のネットワーク名をオプションで指定します。
VTAM_LU_id (フルスクリーン・モード (VTAM 端末) のみ)
フルスクリーン・モード (VTAM 端末) で使用される端末の VTAM® 論理装置 (LU) ID を最大 8 文字で指定します。 VTAM_LU_id パラメーターは、CICS アプリケーションのデバッグには使用できません。 ご使用のサイトでこのタイプの端末 LU にアクセスする方法を判別するには、システム・プログラマーに連絡してください。 この端末の使用法については、「Debug Tool ユーザーズ・ガイド」を参照してください。
VTAM (Debug Tool の端末インターフェース・マネージャーのみを使用したフルスクリーン・モード (VTAM 端末))
デバッグ・セッションでは Debug Tool をフルスクリーン・モード (VTAM 端末) で始動する必要があること、 および Debug Tool の端末インターフェース・マネージャーを使用してユーザー ID を 端末に割り当てたことを指定します。
user_id (Debug Tool の端末インターフェース・マネージャーのみを使用したフルスクリーン・モード (VTAM 端末))
Debug Tool の端末インターフェース・マネージャーにログオンするために使用されたユーザー ID を指定します。 詳しくは、VTAM_LU_id に関する項目を参照してください。
INSPPREF (またはブランク)
Debug Tool で提供されるデフォルトの優先ファイルの DD 名。Debug Tool に対して指定されている優先ファイルは、Debug Tool を開始した後の 最初の Debug Tool コマンドのソースとなります。優先ファイルは、よく Debug Tool 環境の設定に利用されます。
preferences_file_designator
使用する優先ファイルを指定する有効な DD 名またはデータ・セット指定。

このファイルは Debug Tool が開始されるときに最初に読み取られるものであり、実行する一連の Debug Tool コマンドが含まれている必要があります。

この指定には、DD 名またはデータ・セット名のいずれかが可能です。Debug Tool は以下のプロシージャーを使用して、この指定が DD 名か、またはデータ・セット名かどうかを判別します。

  • この指定にピリオド (.) が含まれていない場合は、Debug Tool は DD 名とみなします。
  • ピリオド (.) が含まれている場合、CICS 下で稼働中であれば、Debug Tool はその指定を完全修飾のデータ・セット名と見なします。
  • そうでない場合、Debug Tool はその指定を部分的に修飾されたデータ・セット名とみなし、 ユーザー ID を前に付けて完全修飾データ・セット名を形成します。 Debug Tool にデータ・セット名を完全修飾名として解釈させるには、 名前の前に負符号 (-) を付けてください。 この場合、Debug Tool はユーザー ID をデータ・セット名に追加しなくなります。

指定に非英数字の文字 (例えば、括弧) が含まれる場合は、指定を引用符 (") またはアポストロフィ (') で囲む必要があります。しかし、データ・セット名が引用符またはアポストロフィで囲まれている場合、Debug Tool は部分修飾データ・セット名と見なして、ユーザー ID を接頭部に付加して完全修飾データ・セット名とします。

*
優先ファイルが提供されないことを指定します。

次の TEST サブオプションは リモート・デバッグ・モードでのみ使用します。

TCPIP& または VADTCPIP& (リモート・デバッグ・モードのみ)
Debug Tool をリモート・デバッグ・モードで開始し、次のいずれかのリモート・デバッガーと接続することを指定します。
tcpip_workstation_id (リモート・デバッグ・モードのみ)
リモート・デバッグ・デーモンが実行中のワークステーションの TCP/IP 名またはアドレスで、以下のいずれかの形式。
IPv4
アドレスはシンボリック・アドレスとして、some.name.com など、または数値アドレスとして 9.112.26.333 などを指定できます。
IPv6
アドレスを数値アドレスとして 1080:0:FF::0970:1A21 などを指定する必要があります。
%port_id (リモート・デバッグ・モードのみ)
リモート・デバッグ・デーモンが使用する、ワークステーション上の固有な TCP/IP ポートを指定します。デフォルトのポート番号は 8001 です。以下の リモート・デバッガーは、デフォルトの TCP/IP ポート ID として 8001 を使用します。 これらのリモート・デバッガーが使用するデフォルトの TCP/IP ポート設定を 変更した場合は、TEST ランタイム・オプション・ストリングに ポート ID として新しい番号を指定する必要があります。例えば、デフォルトの TCP/IP ポートを 8003 に変更した場合、TEST ランタイム・オプション・ストリングは TEST(ALL,'*',PROMPT,'TCPIP&9.112.26.333%8003:') になります。

使用上の注意

ここで述べた内容に関して詳しくは、以下のトピックを参照してください。

TRAP ランタイム・オプション

TRAP オプションを使用して、Debug Tool が ABEND およびプログラム割り込みを処理する方法を指定します。

このオプションの構文は次のとおりです。

TRAP ランタイム・オプションの構文図

ON
Debug Tool で ABEND のトラップを使用可能にします。
OFF
Debug Tool で ABEND のトラップを禁止します。ABEND が発生すると、Debug Tool およびテスト中のプログラムの両方が異常終了することになります。

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