Rational Developer for System z
Enterprise COBOL for z/OS バージョン 4.1 コンパイラーおよびランタイム 移行ガイド


アプリケーション・プログラムの更新

ソースをアップグレードするときは、以下のアプリケーション・プログラミング作業が 必要です。これらの作業は、だいたい以下の順序で行う必要があります。

既存のソースをバックアップとして保管してください (バックアップは、変換された モジュールに問題がある場合、比較のベンチマークになり、リカバリーの元バージョンになり ます)。
  1. ジョブおよびモジュールの文書の更新。

    すべての更新を適切に文書化することがきわめて重要になります。COBOL は、それ自体が適切に自己を文書化しています。しかし、指定するコンパイラー・オプションや、それらを指定する理由の記録を保管してお いてください。さらに、システムの特殊な考慮事項も文書化してください。これは、反復プロセスであり、移行プログラミング作業全体にわたって行う必要があります。

  2. 使用可能なソース・コードの更新。

    可能であれば、ソース・プログラム用の移行ツールに記述されている移行ツールを使用してください。移行ツールを使用しない場合は、ソース・コードを手動で更新してください。

  3. コンパイル、リンク・エディット、および実行。

    ソースの更新が終わったプログラムは、新しく作成された Enterprise COBOL プログラムと 同様に処理することができます (言語環境プログラム・ランタイムがインストールされている必要があります)。

  4. デバッグ。

    プログラム出力を分析し、結果が正しくない場合は、Debug Tool または言語環境プログラムのダンプ出力を使用して、エラーを突き止めてください。

  5. 移行済みプログラムのテスト。
    ソースを Enterprise COBOL にアップグレードした後、レグレッション・テストのプロシージャーを 設定してください。レグレッション・テストは、次のものがあるかどうかを確認するために役立ちます。
    • 固定ファイル属性の不一致 (ファイル状況 39 問題)。COBOL レコード記述、JCL DD ステートメント、および物理ファイル属性が一致していること を確認してください。詳細については、QSAM ファイルでのファイル状況 39 の防止を参照してください。
    • 2 進ゼロに初期設定される WORKING-STORAGE への依存性。WORKING-STORAGE ゼロの依存性がある場合は、言語環境プログラムの STORAGE(00) ランタイム・オプショ ンを指定してください。
    • パフォーマンスの違い。
    • 符号処理問題 ― S0C7 異常終了。データの符号は、指定する NUMPROC コンパイラー・オプションのサブオプションによって許可 される符号と一致しなければなりません。
    • DATA(24) 問題。AMODE 24 プログラムを 31 ビット・データと混合しないでください。
    レグレッション・テスト・プロシージャーを確立し、プログラムが正しく稼働したら、プログラムを 各種のデータに対してテストしてください。
    • ローカルに: 各プログラムを別々に
    • グローバルに: 実行単位内のプログラムを相互に関連させて

    このようにすれば、すべてのプログラム処理機能を働かせることができ、このことは、予 期しない実行の違いが起こらないようにするために役立ちます。

  6. 繰り返し (必要に応じて)。

    さらに必要な修正を加えた後で再コンパイル、再リンク、再実行し、必要に応じてデバッ グを継続してください。

  7. 実動モードへの切り替え。

    テストによって、アプリケーション全体が予期どおりの結果を受け取ることが示されたら 、単位全体を実動モードに移すことができます。(これには、実動システムですでに言語環境プログラム・ランタイムを使用していることが前提とな ります。まだ使用していない場合は、言語環境プログラム・ランタイムに STEPLIB で指定してください。言語環境プログラムを段階的に実動モードに移す方法の決定を参照してください。)

    予期しないエラーが発生した場合に備えて、すぐにリカバリーできる状態にしておい てください。
    • z/OS のもとでは、新バージョンの代わりに旧バージョンを最新の生産性チェックポ イントから実行します。
    • DB2 および IMS のもとでは、最後のコミット点に戻り、その点から、移行前 の COBOL プログラムを使用して処理を継続します。(DB2 の場合、SQL ROLLBACK WORK ステートメントを使用してください。)
    • 非 CICS アプリケーションの場合は、インストール先のバックアップおよび復元機能を使 用して回復を行います。
  8. 実動モードでの実行。

    切り替えの後、少しの間アプリケーションを監視して、予期どおりの結果が得られることを 確認してください。これで、ソース移行作業が完了します。


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