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COBOL for Windows バージョン 7.5 言語解説書


データ・カテゴリーと PICTURE の規則

PICTURE 記号を許容された範囲で組み合わせることによって、その項目の次のデータ・カテゴリーが決定されます。

注: 内部浮動小数点カテゴリーは、COMP-1 または COMP-2 句を指定する USAGE 文節によって定義されます。

英字項目

PICTURE 文字ストリングには、記号 A だけを含めることができます。

項目の内容は、ラテン・アルファベットとスペース文字のみで構成されていなければなりません。

その他の文節

USAGE DISPLAY を指定するか、または暗黙に指定されている必要があります。

関連した VALUE 文節では、英字のみ、SPACE、 または表意定数の値を持つシンボリック文字を含む英数字リテラルを指定しなければなりません。

数字項目

数字項目には次のような種類があります。

下記の表に示すように、数字項目のタイプは USAGE 文節によって定義されます。

表 13. 数値のタイプ
タイプ USAGE 文節
2 進数 BINARY、COMP、COMP-4、または COMP-5
内部 10 進数 PACKED-DECIMAL、COMP-3
ゾーン 10 進数 (外部 10 進数) DISPLAY
国別 10 進数 (外部 10 進数) NATIONAL

数字日付フィールドの場合、PICTURE 文字ストリングに含めることができるのは、記号 9 および S だけです。 すべての他の数値フィールドの場合、 PICTURE 文字ストリングには、 記号 9、P、S、および V だけを含めることができます。

記号 S は、PICTURE 文字ストリングの左端の文字としてのみ書くことができます。

記号 V は、PICTURE 文字ストリング内で一度だけ書くことができます。

2 進数項目の場合は、数字の桁数は 1 から 18 桁でなければなりません。 パック 10 進数項目およびゾーン 10 進数項目の場合、数字の桁数は、 ARITH(COMPAT) コンパイラー・オプションが有効であるときは、1 から 18 桁で、 ARITH(EXTEND) コンパイラー・オプションが有効なときは、1 から 31 桁でなければなりません。

数字日付フィールドの場合、桁数は DATE FORMAT 文節で指定された文字数と一致していなければなりません。

符号なしの場合、標準データ・フォーマットの項目の内容は、0 から 9 のアラビア数字の組み合わせを入れなければなりません。 符号付きの場合、+、-、またはその他の表現の演算符号を含めることができます。

有効範囲の例

 PICTURE   Valid range of values
   9999     0 through 9999
    S99    -99 through +99
 S999V9    -999.9 through +999.9
 PPP999     0 through .000999
S999PPP    -1000 through -999000 and
           +1000 through +999000 or zero
その他の文節

項目の USAGE は、DISPLAY、NATIONAL、BINARY、 COMPUTATIONAL、PACKED-DECIMAL、COMPUTATIONAL-3、 COMPUTATIONAL-4、または COMPUTATIONAL-5 とすることができます。

使用法 NATIONAL で記述された符号付き数字項目の場合は、SIGN IS SEPARATE 文節を指定または暗黙指定する必要があります。

BINARY および TRUNC コンパイラー・オプションは、数値データ項目の使用に影響を与えることがあります。詳細については、「COBOL for Windows プログラミング・ガイド」を参照してください。

数字編集項目

PICTURE 文字ストリングには、次の記号を含めることができます。

B  P  V  Z  9  0  /  ,  .  +  -  CR  DB  *  cs

許容される記号の組み合わせは、PICTURE 文節の許容された記号順序 (PICTURE 文節で使用される記号の表を参照) および編集規則 (PICTURE 文節の編集を参照) によって決められます。

次の規則が適用されます。

その他の文節

USAGE DISPLAY または NATIONAL を指定するか、または暗黙に指定されている必要があります。

項目の使用法が DISPLAY の場合、関連付けられた VALUE 文節には、英数字リテラルまたは表意定数を指定する必要があります。値は編集せずに割り当てられます。

項目の使用法が NATIONAL の場合、関連付けられた VALUE 文節には、英数字リテラル、国別リテラル、または表意定数を指定する必要があります。値は編集せずに割り当てられます。

英数字項目

PICTURE 文字ストリングは、次のいずれかにより構成されていなければなりません。

項目は、文字ストリングが記号 X のみを含んでいるかのように扱われます。

標準データ・フォーマットの項目の内容は、 コンピューターの文字セットで許容された任意の文字にすることができます。

その他の文節

USAGE DISPLAY を指定するか、または暗黙に指定されている必要があります。

関連する VALUE 文節では、英数字リテラル、または以下の表意定数のいずれか 1 つを指定しなければなりません。

英数字編集項目

PICTURE 文字ストリングには、次の記号を含めることができます。

A  X  9  B  0  /

ストリングには、少なくとも 1 つの A または X、 および少なくとも 1 つの B または 0 または / が含まれていなければなりません。

標準データ・フォーマットの項目の内容は、 コンピューターの文字セットで許容される 2 つ以上の任意の文字を必要とします。

その他の文節

USAGE DISPLAY を指定するか、または暗黙に指定されている必要があります。

関連する VALUE 文節では、英数字リテラル、または以下の表意定数のいずれか 1 つを指定しなければなりません。

リテラルは指定されたとおりに扱われ、編集はされません。

DBCS 項目

PICTURE 文字ストリングには、記号 G、G と B、または N を含めることができます。 それぞれの G、B または N は、1 文字の DBCS 文字位置を表すことができます。

関連する VALUE 文節は、DBCS リテラル、表意定数 SPACE、または表意定数 ALL DBCS リテラル を含まなければなりません。

有効なランタイムのロケールには DBCS 文字を含むコード・ページを指定する必要があります。ロケールの詳細については、付録G. ロケールの考慮事項を参照してください。

DBCS データ項目に、単一バイト文字を含めないでください。

DBCS データ項目に埋め込み文字が必要な場合、以下の規則が適用されます。

その他の文節

PICTURE 記号 G を使用する場合には、USAGE DISPLAY-1 を指定しなければなりません。 PICTURE 記号 N が使用され、NSYMBOL(DBCS) コンパイラー・オプションが有効であるときに、USAGE 文節を省略した場合には、USAGE DISPLAY-1 が暗黙に指定されます。

国別項目

PICTURE 文字ストリングには、ピクチャー記号 N の、1 つ以上のオカレンスを含めることができます。

上記の規則は、NSYMBOL(NATIONAL) コンパイラー・オプションが有効であるとき、および USAGE NATIONAL 文節が指定されているときに適用されます。USAGE NATIONAL 文節が存在しないときに、 NSYMBOL(DBCS) コンパイラー・オプションが有効である場合には、 ピクチャー記号 N が DBCS 文字を表し、DBCS 項目の PICTURE 文節の規則が適用されます。

それぞれの N は、単一の国別文字位置を表します。

関連する VALUE 文節では、英数字リテラル、国別リテラル、または以下の表意定数のいずれか 1 つを指定しなければなりません。

その他の文節

USAGE 文節では、NATIONAL 句のみを指定できます。PICTURE 記号 N が使用され、NSYMBOL(NATIONAL) コンパイラー・オプションが 有効であるときに、Usage 文節を省略した場合には、USAGE NATIONAL が暗黙に指定されます。

以下の文節は、使用できます。

以下の文節は、使用できません。

国別編集項目

PICTURE 文字ストリングには、以下を含める必要があります。

それぞれの記号は、単一の国別文字位置を表します。

関連する VALUE 文節では、英数字リテラル、国別リテラル、または以下の表意定数のいずれか 1 つを指定しなければなりません。

リテラルは指定されたとおりに扱われ、編集はされません。

NSYMBOL(NATIONAL) コンパイラー・オプションは、国別編集カテゴリーのデータ項目の定義には影響しません。

その他の文節

USAGE NATIONAL を指定するか、または暗黙に指定されている必要があります。

以下の文節は、使用できます。

以下の文節は、使用できません。

外部浮動小数点項目

フォーマット
構文図を読む構文図をスキップする>>-+- + -+--仮数 E--+- + -+--指数------------------------------><
   '- - -'          '- - -'        
 
+ または -
符号文字は、仮数のすぐ前と指数のすぐ前に付けなければなりません。

+ 符号は、出力において正の値を正符号で、 負の値を負符号で表すことを指示します。

- 符号は、出力において正の値の符号部分をブランクで、 負の値を負符号で表すことを指示します。

それぞれの符号位置は、ストレージにおいて 1 バイトを占有します。

仮数
仮数は記号として次のものを含むことができます。

9 . V

実際の小数点はピリオド (.) で表せますが、 想定小数点は V で表されます。

仮数には実際の小数点か想定小数点のどちらかがなければなりません。 小数点は先頭、中間、末尾のどれでも可能です。

仮数には、1 から 16 桁の数字を含めることができます。

E
指数を示します。
指数
指数は、記号 99 で構成されなければなりません。

USAGE 文節の DISPLAY 句と浮動小数点 PICTURE 文字ストリングは、項目を display 浮動小数点データ項目 として定義します。

USAGE 文節の NATIONAL 句と浮動小数点 PICTURE 文字ストリングは、項目を国別浮動小数点データ項目 として定義します。

使用法 DISPLAY を指定して定義される項目では、V 以外のピクチャー記号はそれぞれ、項目内の 1 つの英数字文字位置を定義します。

使用法 NATIONAL を指定して定義される項目では、V 以外のピクチャー記号はそれぞれ、項目内の 1 つの国別文字位置を定義します。

その他の文節

USAGE 文節の DISPLAY 句または NATIONAL 句は、指定するかまたは暗黙に指定されている必要があります。

OCCURS、REDEFINES、および RENAMES 文節は、 外部浮動小数点項目と関連付けることができます。

SIGN 文節は、説明文として受け付けられ、符号の表現に対して影響を与えません。

SYNCHRONIZED 文節は、説明文として扱われます。

次に示す文節では、外部浮動小数点項目を使用することはできません。


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