Enterprise COBOL コンパイラーおよび言語環境プログラムのランタイムは、OS/VS COBOL、VS COBOL II、 および IBM COBOL に対する追加の機能を提供します。表 1 に、 新しいコンパイラーおよびランタイムの利点を示し、 それらが VS COBOL II、OS/VS COBOL、IBM COBOL のいずれに適用されるかについても示します。
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| 利点 | 注 | OS/VS COBOL | VS COBOL II | IBM COBOL |
| XML サポート | Enterprise COBOL は、XML 文書の構文解析および生成のための新規のステートメントを提供します。このステートメントによって、プログラムで XML コンテンツを COBOL データ構造に変換し、 COBOL データ構造を XML 文書に変換することができます。 | X | X | X |
| Java との相互運用性 (インターオペラビリティー) | Enterprise COBOL はオブジェクト指向 COBOL 構文をサポートするので、COBOL と Java を相互に連動させて運用することができます。 Java との相互協調処理は IMS でもサポートされます。 | X | X | X |
| マルチスレッドでの実行のサポート | Enterprise COBOL は、POSIX スレッドおよびシグナルを許容レベルでサポートします。Enterprise COBOL を使用すると、1 つのプロセス内でマルチスレッドで実行される COBOL プログラムをアプリケーションに組み込むことができます。 | X | X | X |
| Unicode サポート | COBOL の Unicode サポートは、プロ ダクト z/OS Support for Unicode を使用し ます。 | X | X | X |
| DB2 機能の改善 | Enterprise COBOL では、DB2 ストアード・プロシージャーのサポートが組み込まれています。 | X | X | |
| DB2 コプロセッサーのサポート | X | X | * | |
| CICS 機能の改善 | Enterprise COBOL では、CALL ステートメントのサポート (EXEC CICS LINK を使用する場合よりも 高速の CICS パフォーマンスのための) が組み込まれており、BLL セルは必要 ありません。OS/VS COBOL プログラムについての基底アドレス可能度の考慮事項を参照してください。 | X | ||
| DATA(24) および DATA(31) プログラム用の WORKING-STORAGE スペースの増加。DATA(31) の場合、限界は 128M です。DATA(24) の場合、限界は 16MB 境界より下の使用可能スペースです。 | X | X | ||
| 組み込みの CICS 変換プログラムのサポート | X | X | * | |
| 使用可能度に関する機能強化 | 以下の機能強化:
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| COBOL 言語の向上 | 組み込み関数を使用して、COBOL で数学関数および金融関数を実行することができます。FORTRAN または C で書かれた現行ルーチンを固有 COBOL コードで置き換えて、アプリケーション・ロジックを単純化することができます。 | X | X | |
| 境界より上のサポート | 仮想記憶制約解放 (VSCR) により、プログラムを置いたり、コンパイルしたり、プログラムにアクセスしたりする場所が、 16MB 境界より下または上のどちらにあっても構いません。 | X | ||
| QSAM バッファーは、DFSMS およびデータ・ストライピングを最適にサポートするため に 16MB 境界より上に置くことができます。 | X | X | ||
| COBOL 外部データは、境界より上に置くことができます。 | X | X | ||
| 31 桁のサポート | Enterprise COBOL では、ARITH(EXTEND) オプションを使用したときは最大 31 桁 の数がサポートされるようになりました。 | X | X | * |
| z/OS UNIX システム・サービスのサポート | cob2 コマンドにより、z/OS UNIX シェルで COBOL プログラムをコンパイルして、リンクすることができます。COBOL プログラムは、POSIX 標準で定義されたほとんどの C 言語機能を呼び出すことができ ます。 | X | X | |
| エラー・リカバリー・オプション | プログラマーは、プログラム割り込み、異常終了、およびその他のソフトウェア生成条件を エラー・リカバリーのために代行受信する、アプリケーション固有のエラー処理ルーチンを持つ ことができるようになりました。これは、Enterprise COBOL プログラムを言語環境プログラム呼び出し可能サービスと共に使用して、ユーザー作成条件ハンドラーを登録することによって行われます。言語環境プログラムは、すべての条件管理を処理します。 | X | X | |
| コストの節減 | インストール先で複数の言語を使用する場合、複数の言語ランタイムを 単一の言語環境プログラム・ランタイムに置き換えると、コストを節減することができます。IBM 担当員と相談して、インストール先で使用している現在のライセンスおよび言語の数 に基づいて可能なコストの節減を評価してください。 | X | X | |
| 高精度の数学ルーチン | 言語環境プログラム呼び出し可能サービスを使用すると、プログラムは最も正確な結果を戻すことができ ます。 | X | X | |
| 複数の MVS タスクのサポート | RES アプリケーションは、複数の MVS タスクのもとで独立して実行できるようになりま した。(たとえば、2 つの Enterprise COBOL プログラムを ISPF 分割画面から同時に実行します。) | X | X | |
| パフォーマンス | より高速の算術計算。 | X | ||
| より高速の動的および静的 CALL ステートメント。 | X | |||
| 可変長 MOVE の向上したパフォーマンス。 | X | |||
| 言語環境プログラム CBLPSHPOP ランタイム・ オプションを使って CALL ステートメント用の PUSH HANDLE および POP HANDLE を回避すれ ば、CICS のパフォーマンスが速くなります。 | X | |||
| TRUNC(BIN) でコンパイルされたプログラムの向上したパフォーマンス。COBOL (OS/390 および VM 版) リリース 2 は、TRUNC(BIN) コンパイラー・オプションが使用されたとき はさらに効率の良いコードを生成するためのサポートを追加しました。 | X | X | ||
| 向上した ILC | 共通の言語環境プログラム・ライブラリーにより、COBOL と他の言語環境プログラム準拠言語との ILC が向上し ます。たとえば、言語環境プログラムのもとでは、COBOL と他の言語との言語間呼び出しがより高速になります。これは、各 CALL ステートメントのオーバーヘッドが大幅に低減されるからです。さらに、CICS では、EXEC CICS LINK の代わりに CALL ステートメントを使用し て PL/I または C プログラムを呼び出すことができます。 | X | X | |
| 文字操作 | 16 進数リテラルの使用により、ビットおよび文字操作が向上します。参照変更の使用により、文字操作の柔軟性が向上します。 | X | ||
| トップダウン・モジュラー・プログラム開発 | プログラムのネストおよび向上した CALL および COPY 機能を介するトップダウン・モジ ュラー・プログラム開発のサポート。 | X | ||
| 構造化プログラミングのサポート | 次のものを介する構造化プログラミング・コーディングのサポート。
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| COBOL 85 標準への適合性 | COBOL 85 標準のサポート。 | X | ||
| COBOL 85 標準の改訂 1 (組み込み関数モジュール) のサポート。 | X | X | ||
| サブシステムのサポート | IMS、ISPF、DFSORT™、DB2、WAS の向上したサポート。 | X | ||
| 再入可能性のサポート | すべての OS/VS COBOL プログラムは再入不能です。再入可能プログラムのみを共用ストレージ (LPA または共用セグメント) にロード できます。 | X | ||
| Debug Tool のサポート | Debug Tool には以下の利点があります。
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以下は、COBOL (OS/390 および VM 版) 以降のプログラムでのみ使用可能です。
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以下は、Enterprise COBOL バージョン 4 のプログラムでのみ使用可能です。
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| ランタイム・オプション | ABTERMENC および TERMTHDACT - エラー動作を制御できます。 | X | X | |
| CBLQDA - QSAM ファイルの動的割り振りを制御できます。 | X | |||
| LANGUAGE - ランタイム・エラー・メッセージの言語を変更できます。 | X | |||
| RPTSTG - ストレージ使用報告書を入手できます。 | X | |||
| ストレージ・オプション - ストレージが取得される場所および使用されるストレージの量を制御できます。 | X | X | ||
| Enterprise COBOL バージョン 4 のコンパイラー・オプション | 以下のコンパイラー・オプションは、Enterprise COBOL バージョン 4 のプログラムでのみ使用可能です。
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| Enterprise COBOL バージョン 3 のコンパイラー・オプション | 以下のコンパイラー・オプションは、Enterprise COBOL バージョン 3 以降のプログラムでのみ使用可能です。
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| COBOL (OS/390 および VM 版) のコンパイラー・オプション | 以下のコンパイラー・オプションは、COBOL (OS/390 および VM 版) 以降のプログラムでのみ使用可能です。
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| COBOL (MVS および VM 版) のコンパイラー・オプション | 以下のコンパイラー・オプションは、COBOL (MVS および VM 版) 以降のプログラムで使用可能です。
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| その他の COBOL コンパイラー・オプション | Enterprise COBOL は、IBM COBOL および VS COBOL II と同様に、コンパイラー出力をさらに制御するための
コンパイラー・オプションを提供します。
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| 注: *
COBOL (OS/390 および VM 版) バージョン 2 リリース 2 に対する新機能として、組み込みの DB2 コプロセッサー、組み込みの CICS 変換プログラム、および 31 桁のサポートが追加されました。
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