Rational Developer for System z
Enterprise COBOL for z/OS バージョン 4.1 言語解説書


算術演算子

5 つの 2 項算術演算子および 2 つの単項算術演算子 (表 1を 参照) を、算術式で使用することができます。 これらの演算子は、その前後にスペースを伴う特定の文字で表されます。

表 1. 2 項演算子と単項演算子
2 項演算子 意味 単項演算子 意味
+ 加算 + +1 による乗算
- 減算 - -1 による乗算
* 乗算    
/ 除算    
** 指数    

制限: 固定小数点指数式の指数は、9 桁を超えることはできません。コンパイラーは、9 桁を超える指数を切り捨てます。短縮形の場合、指数がリテラルまたは定数の場合、コンパイラーは診断メッセージを発行します。指数が変数またはデータ名の場合は、実行時に診断を発行します。

エレメントが評価される順序を指定するために、算術式の中に括弧を使用できます。

括弧の中の式が最初に計算されます。 式がネストした括弧の中にある場合、式の計算は、 最も包括的でない組 (最も内側) から、 最も包括的な組 (最も外側) へと行われます。

括弧を使用しない場合、または包括するレベルが 同じ括弧で囲んだ式の場合には、次の階層順序で計算が行われます。

  1. 単項演算子
  2. 指数
  3. 乗算と除算
  4. 加算と減算

括弧を使用することによって、同一の階層レベルで連続的に演算が行われる場合の論理的なあいまいさを除いたり、 通常の演算実行の階層シーケンスを必要に応じて変更したりできます。同一の階層レベルにある連続する演算の順序が、 完全に指定されていない場合には、演算は左から右へと順番に行われます。

算術式は、左括弧、単項演算子、 またはオペランド (すなわち ID やリテラル) でのみ始めることができます。 また、右括弧またはオペランドでのみ終わらせることができます。 算術式では ID またはリテラルが少なくとも 1 回は参照されていなければなりません。

算術式の左括弧と右括弧の間には 1 対 1 の対応がなければならず、 それぞれの対応において、左括弧は対応する右括弧の左側になければなりません。

算術式の最初の演算子が単項演算子であり、 その算術式が ID または別の算術式のすぐ後に続く場合には、 そのすぐ前に左括弧が必要になります。

次の表では、使用可能な算術記号の対を示します。対になる算術記号とは、そのような 2 つの記号が連続して現れることです。 この表では、「はい」と「いいえ」は次のような意味です。

はい
対にすることができます。
いいえ
対にすることができません。

表 2. 算術記号の有効な対
  ID またはリテラルの 2 番目の記号 * / ** + - 2 番目の記号 単項 + または 単項 - 2 番目の記号 ( 2 番目の記号 ) 2 番目の記号
ID またはリテラルの最初の記号 いいえ はい いいえ いいえ はい

* / ** + -
最初の記号

はい いいえ はい はい いいえ
単項 + または単項 - 最初の記号 はい いいえ いいえ はい いいえ

(
最初の記号

はい いいえ はい はい いいえ

)
最初の記号

いいえ はい いいえ いいえ はい

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