Enterprise COBOL は、COBOL 85 標準をサポートしています。また、VS COBOL II リリース 2 は、(COBOL 85 の一部の標準機能を組み込みつつ) COBOL 74 標準をサポートしていました。COBOL 85 標準のインプリメンテーションにより、いくつかの言語エレメント が、COBOL 74 標準のインプリメンテーションとは異なる方法で動作します。
VS COBOL II リリース 3.0 から、NOCMPR2 コンパイラー・オプションを使用 して COBOL 85 標準の動作 (組み込み関数モジュールなし) を選択するか、または CMPR2 コンパイラー・オプションを使用して COBOL 74 標準の動作を 選択することができるようになりました。CMPR2 オプションを使用すると、VS COBOL II リリース 2 にインプリメントされた COBOL 74 標準の動作と、現在 COBOL 85 標準でインプリメントされている非標準の リリース 2 拡張をサポートします。NOCMPR2 オプションを使用すると、COBOL 85 標準準拠の動作および IBM 拡張を提供します。これと同じメカニズムは、VS COBOL II リリース 2 レベルのコードを COBOL 85 標準レベルのコードへアップグレードする猶予期間を設けるための補助として、IBM COBOL でも提供されていました。Enterprise COBOL では、このような措置をサポートしていません。プログラムは COBOL 85 標準レベルでないと、Enterprise COBOL でコンパイルできません。
以下にリストする言語エレメントは、CMPR2/NOCMPR2 コンパイラー・オプ ションの影響を受けます。違いについては、以下で説明します。
| 言語エレメント | ページ |
|---|---|
| SPECIAL-NAMES 段落の ALPHABET 文節 | SPECIAL-NAMES 段落の ALPHABET 文節 |
| ALPHABETIC クラス | ALPHABETIC クラス |
| CALL ... ON OVERFLOW | CALL . . . ON OVERFLOW |
| 位取り整数と非数字との比較 | 位取り整数と非数字との比較 |
| 非 COBOL 文字を使用する COPY...REPLACING ステートメント | 非 COBOL 文字を使用する COPY...REPLACING ステートメント |
| 国別拡張文字を使用する COPY ステートメント | 国別拡張文字を使用する COPY ステートメント |
| ファイル状況コード | ファイル状況コード |
| 固定ファイル属性および JCL の DCB= パラメーター | 固定ファイル属性および JCL の DCB= パラメーター |
| 暗黙の EXIT PROGRAM | 暗黙の EXIT PROGRAM |
| QSAM ファイルについて失敗する OPEN ステートメント (ファイル状況 39) | QSAM ファイルについて失敗する OPEN ステートメント (ファイル状況 39) |
| VSAM ファイルについて失敗する OPEN ステートメント (ファイル状況 39) | VSAM ファイルについて失敗する OPEN ステートメント (ファイル状況 39) |
| PERFORM から戻る方法 | PERFORM から戻る方法 |
| PERFORM...VARYING...AFTER | PERFORM ... VARYING ... AFTER |
| 「A」および「B」を指定した PICTURE 文節 | 「A」および「B」を指定した PICTURE 文節 |
| PROGRAM COLLATING SEQUENCE | PROGRAM COLLATING SEQUENCE |
| READ INTO と RETURN INTO | READ INTO と RETURN INTO |
| RECORD CONTAINS n CHARACTERS | RECORD CONTAINS n CHARACTERS |
| 予約語 | 予約語 |
| SET...TO TRUE | SET . . . TO TRUE |
| SIZE ERROR、MULTIPLY と DIVIDE の | SIZE ERROR、MULTIPLY と DIVIDE の |
| UNSTRING オペランドの評価 | UNSTRING オペランドの評価 |
| UPSI スイッチ | UPSI スイッチ |
| 可変長グループ移動 | 可変長グループ移動 |