Rational Developer for System z バージョン 7.6

フルスクリーン・セッションのカスタマイズ

セッションのカスタマイズには、オプションがいくつかあります。例えば、ウィンドウのサイズ変更と配置の変更、選択されたウィンドウのクローズ、セッション・パラメーターの変更、およびセッション・パネル・カラーの変更を行うことができます。この章では、これらのオプションを使用してセッションをカスタマイズする 方法を説明します。

ユーザーがセッションをカスタマイズしたときにどのウィンドウが影響を 受けるかは、いくつかの要因のうちの 1 つによって決まります。ウィンドウ名を指定した場合 (例: モニター・ウィンドウを オープンする場合には WINDOW OPEN MONITOR)、そのウィンドウが処理対象になります。WINDOW SIZE コマンドのようなカーソル指向のコマンドの場合、カーソルを含んでいるウィンドウが処理対象になります。ウィンドウ名が指定されず、またカーソルがどのウィンドウにもない場合、処理対象のウィンドウは、プロファイル設定パネルにおける デフォルト・ウィンドウ の設定値によって決まります。

ここで述べた内容に関して詳しくは、以下のトピックを参照してください。

PF キーの定義

PF キーの定義には、SET PFKEY コマンドを使用します。例えば、PF8 キーを SCROLL DOWN PAGE として定義するには、次のコマンドを入力します。

SET PF8 "Down" = SCROLL DOWN PAGE ;

C および C++ の場合は、引用符 (") を使用します。アセンブラー、COBOL、逆アセンブリー、および PL/I の場合は、アポストロフィ (') と引用符 (") のどちらでも使用できます。引用符またはアポストロフィで区切られているストリング (この例では Down) は、SET KEYS ON を選択したときに PF8 の隣に表示されるラベルです。PF キーの定義は、画面の下に表示されます。

ここで述べた内容に関して詳しくは、以下のトピックを参照してください。

コマンドなどのストリングのシンボルの定義

長い文字ストリングを表すシンボルの定義ができます。例えば、長いコマンドを何回も再入力したくない場合、SET EQUATE コマンドを使用してそのコマンドと短いシンボルを 等価にすることができます。そうすれば、Debug Tool はそのシンボルをコマンドと同等に扱うようになります。次の例は、EQUATE を使用したいくつかの設定を示しています。

SET EQUATE コマンドによって作成されたシンボルが HLL の キーワードまたはキーワード省略形と同じ場合、シンボルが優先します。そのシンボルが既に定義されている場合には、古い定義が新しい定義に よって置き換えられます。特定のコマンドのオペランドのなかには、標準 Debug Tool 環境以外の環境で用いられ、シンボル置換に関しては探索されないものがあります。

セッション・パネルでの物理ウィンドウ・レイアウトのカスタマイズ

物理ウィンドウの相対的なレイアウトを変更するには、PANEL LAYOUT コマンドを 使用します (PANEL キーワードはオプションです)。1 つの物理ウィンドウにメモリー・ウィンドウかログ・ウィンドウを表示できますが、両方のウィンドウを同時に別々の物理ウィンドウに表示することはできません。

PANEL LAYOUT コマンドは次のパネルを表示します。このパネルには、選択可能な 6 つの物理ウィンドウ・レイアウトが表示されます。

                  Window Layout Selection Panel
 Command ===>

           1                2                3 
   1 .-----------.  2 .-----------.  3 .-----------.   Legend:
     | M         |    | _   | _   |    | _         |
     |-----------|    |     |     |    |           |   L - Log
     | S         |    |-----------|    |-----------|   M - Monitor
     |-----------|    | _         |    | _   | _   |   S - Source
     | L         |    |           |    |     |     |   E - Memory
     '-----------'    '-----------'    '-----------'  To reassign the
                                                      Source, Monitor,
           4                5                6       Log, and Memory
   4 .-----------.  5 .-----------.  6 .-----------.  windows, type
     | _ | _ | _ |    | _   | _   |    | _   | _   |  over the current
     |   |   |   |    |     |     |    |     |     |  settings or
     |   |   |   |    |-----|     |    |     |-----|  underscores with
     |   |   |   |    | _   |     |    |     | _   |  S, M, L, or E.
     |   |   |   |    |     |     |    |     |     |
     '-----------'    '-----------'    '-----------'

 Enter  END/QUIT    to return with current settings saved.
        CANCEL      to return without current settings saved.

最初はセッション・パネルにはデフォルトの ウィンドウ・レイアウト  1  が使用されます。

画面の指示に従った後に、END PF キーを 押して変更内容を保存し、新しいレイアウトになった メイン・セッション・パネルに戻ります。

注:
選択できるレイアウトは 6 つのうちの 1 つだけです。また、セッション・パネルで同時に見ることのできる各タイプのウィンドウは、1 つだけです。例えば、1 つのパネルに 2 つのログ・ウィンドウを 表示させることはできません。

ここで述べた内容に関して詳しくは、以下のトピックを参照してください。

物理ウィンドウのオープンとクローズ

物理ウィンドウを閉じるには、以下のいずれかの作業を実行します。

物理ウィンドウを閉じると、残りのウィンドウが画面全域に表示されます。

物理ウィンドウを開くには、以下のいずれかのコマンドを入力します。

Debug Tool のセッション中に特定の変数の値が変更される様子をモニターしたいときには、物理ウィンドウにモニター・ウィンドウを表示する必要があります。モニター・ウィンドウが物理ウィンドウに表示されていない場合は、上の説明のように物理ウィンドウを開いてください。モニター・ウィンドウは、選択した物理ウィンドウ・レイアウトに応じた使用可能スペースを占めます。

物理ウィンドウを開いた場合、そのウィンドウに割り当てた内容が利用不可であれば、物理ウィンドウは空になります。

物理ウィンドウのサイズ変更

物理ウィンドウのサイズを変更するには、以下のいずれかの作業を実行します。

メモリー・ウィンドウとモニター・ウィンドウの場合、物理ウィンドウをウィンドウの内容を正しく表示できないほど狭く設定すると、Debug Tool でウィンドウの内容を (上書きして) 編集できなくなります。そのような場合は、物理ウィンドウの幅を広げてください。

物理ウィンドウ・サイズを現行の物理ウィンドウ・レイアウトのデフォルト値に復元するには、PANEL LAYOUT RESET コマンドを入力します。

画面全域までのウィンドウのズーミング

1 つのウィンドウをフルスクリーン (一時的に他のウィンドウを表示しない) に トグルするには、カーソルをそのウィンドウに移動 させ、PF10 (ZOOM) を押します。PF10 を押すと、元の状態にトグルします。

PF11 (ZOOM LOG) も同様にログ・ウィンドウを トグルしますが、ログ・ウィンドウにカーソルを置く必要はありません。

セッション・パネルの色のカスタマイズ

セッション・パネルのカラーと強調表示を変更して、パネル上のフィールドを 目立つようにすることができます。ソース・ウィンドウの現在行、接頭部域、およびブレークポイントが設定された ステートメント ID などの区域を強調表示する場合について考えてみます。

カラー端末のセッション・パネルのさまざまなフィールドの色、輝度、または強調表示を変更するには、PANEL COLORS コマンドを使用します。このコマンドを出すと、下記に示されたパネルが 表示されます。

                       Color Selection Panel                                    
 Command ===>                                                                   
                         Color    Highlight   Intensity                         
 Title  : field headers  TURQ     NONE        HIGH                              
          output fields  GREEN    NONE        LOW      Valid Color:             
 Monitor: contents       TURQ     REVERSE     LOW        White Yellow Blue      
          line numbers   TURQ     REVERSE     LOW        Turq Green Pink Red    
 Source : listing area   WHITE    REVERSE     LOW                               
          prefix area    TURQ     REVERSE     LOW      Valid Intensity:         
          suffix area    YELLOW   REVERSE     LOW        High Low               
          current line   RED      REVERSE     HIGH                              
          breakpoints    GREEN    NONE        LOW      Valid Highlight:         
 Log    : program output TURQ     NONE        HIGH       None Reverse           
          test input     YELLOW   NONE        LOW        Underline Blink        
          test output    GREEN    NONE        HIGH                              
          line numbers   BLUE     REVERSE     HIGH     Color and Highlight      
 Memory : information    GREEN    NONE        LOW      are valid only with      
          offset column  WHITE    NONE        LOW      color terminals.         
          address column YELLOW   NONE        LOW                               
          hex data       GREEN    NONE        LOW                               
          character data BLUE     NONE        LOW                               
  Command line           WHITE    NONE        HIGH                              
  Window headers         GREEN    REVERSE     HIGH                              
  Tofeof delimiter       BLUE     REVERSE     HIGH                              
  Search target          RED      NONE        HIGH                              
 Enter  END/QUIT    to return with current settings saved.                      
        CANCEL      to return without current settings saved.                   
                                                                                
 PF  1:?          2:STEP       3:QUIT       4:LIST       5:FIND       6:AT/CLEAR
 PF  7:UP         8:DOWN       9:GO        10:ZOOM      11:ZOOM LOG  12:RETRIEVE

最初、セッション・パネル区域とフィールドには、上記に示されるデフォルトのカラーと属性の値が設定されています。

使用可能なカラー属性は、使っている端末のタイプによって決まります。単色端末を使用している場合でも、強調表示と輝度属性を使用してフィールドを 目立つようにすることができます。

Debug Tool のセッションのカラーおよび属性の設定値を変更するには、変更したい フィールドの既存値の上に希望のカラーまたは属性を重ねて入力してください。変更の内容は、QUIT を入力したときに保存されます。

コマンド行から同じ指定内容の SET COLOR コマンドを 出すことによっても、選択された区域の 色または輝度を変更することができます。フィールドを明示的に指定するか、変更したい対象をカーソルで指示するか してください。同等な SET コマンドを使用して色や輝度を変更すると、カラー選択パネルの値も変更されます。

設定値は、デバッグ・セッション全体に有効となります。

ここで述べた内容に関して詳しくは、以下のトピックを参照してください。

プロファイル設定値のカスタマイズ

PANEL PROFILE のコマンドは、Debug Tool の実行方法に影響する プロファイル設定値を含むプロファイル設定パネルを表示します。下記には、このパネルが IBM 提供の初期設定値で示されています。

                          Profile Settings Panel
 Command ===>

                                 Current Setting
                                 ---------------
  Change Test Granularity        STATEMENT      (All,Blk,Line,Path,Stmt)
  DBCS characters                NO             (Yes or No)
  Default Listing PDS name
  Default scroll amount          PAGE           (Page,Half,Max,Csr,Data,int)
  Default window                 SOURCE         (Log,Monitor,Source, Memory)
  Execute commands               YES            (Yes or No)
  History                        YES            (Yes or No)
  History size                   100            (nonnegative integer)
  Logging                        YES            (Yes or No)
  Pace of visual trace           2              (steps per second)
  Refresh screen                 NO             (Yes or No)
  Rewrite interval               50             (number of output lines)
  Session log size               1000           (number of retained lines)
  Show log line numbers          YES            (Yes or No)
  Show message ID numbers        NO             (Yes or No)
  Show monitor line numbers      YES            (Yes or No)
  Show scroll field              YES            (Yes or No)
  Show source/listing suffix     YES            (Yes or No)
  Show warning messages          YES            (Yes or No)
  Test level                     ALL            (All,Error,None)
 Enter  END/QUIT    to return with current settings saved.
        CANCEL      to return without current settings saved.

設定値の変更は、希望する値を上書きするか、コマンド行またはコマンド・ファイルから適切な SET コマンドを発行することによって行うことができます。

プロファイル・パラメーター、その説明、および同等の機能を持つ SET コマンドを以下に示します。

テストの細分性の変更 (Change Test Granularity)
AT CHANGE のテストの細分度を指定します。SET CHANGE と同等です。
DBCS 文字 (DBCS characters)
シフトイン文字およびシフトアウト文字が認識されるかどうかを制御します。SET DBCS と同等です。
デフォルトのリスト PDS 名 (Default Listing PDS name)
指定された場合、Debug Tool がソースまたはリストを探すデータ・セットです。SET DEFAULT LISTINGS と同等です。
デフォルトのスクロール量 (Default scroll amount)
SCROLL コマンドでスクロール量を指定しなかった場合に 使用される、デフォルトのスクロール量を指定します。SET DEFAULT SCROLL と同等です。
デフォルトのウィンドウ (Default window)
カーソルがコマンド行にあるときに WINDOW コマンドが出された 場合にコマンドの影響を受ける、デフォルトのウィンドウを選択します。SET DEFAULT WINDOW と同等です。
コマンドの実行 (Execute commands)
コマンドを実行するのか、構文エラーを検査するだけなのかを 制御します。SET EXECUTE と同等です。
ヒストリー (History)
ヒストリー (Debug Tool に入るたびに記録されるアカウント) を 維持するかどうかを制御します。SET HISTORY と同等です。
ヒストリー・サイズ (History size)
Debug Tool ヒストリー・テーブルのサイズを制御します。SET HISTORY と同等です。
ロギング (Logging)
ログ・ファイルを作成するかどうかを制御します。SET LOG と同等です。
ビジュアル・トレースのペース (Pace of visual trace)
アニメーション表示される実行の最大ペースを設定します。SET PACE と同等です。
最新表示画面 (Refresh screen)
表示のたびに、事前に画面を消去します。REFRESH は、別のアプリケーションが画面に書き込みをしている場合に 便利です。SET REFRESH と同等です。
再書き込み間隔 (Rewrite interval)
Debug Tool が画面を最新表示するまでにアプリケーションにより書き込まれる、受け付けた出力の行数を定義します。SET REWRITE と同等です。
セッション・ログ・サイズ (Session log size)
表示のために維持されるセッション・ログ出力行数です。SET LOG と同等です。
ログ行番号の表示 (Show log line numbers)
ログ・ウィンドウの行番号をオンまたはオフにします。SET LOG NUMBERS と同等です。
メッセージ ID 番号の表示 (Show message ID numbers)
Debug Tool メッセージに ID 番号を表示するかどうかを制御します。SET MSGID と同等です。
モニター行番号の表示 (Show monitor line numbers)
モニター・ウィンドウの行番号をオンまたはオフにします。SET MONITOR NUMBERS と同等です。
スクロール・フィールドの表示 (Show scroll field)
表示画面にスクロール量フィールドを表示するかどうかを制御します。SET SCROLL DISPLAY と同等です。
ソース/リスト接尾部の表示 (Show source/listing suffix)
ソース・ウィンドウに頻度接尾部カラムを表示するかどうかを制御します。SET SUFFIX と同等です。
警告メッセージの表示 (Show warning messages) (C、C++ および PL/I のみ)
コマンドに計算エラーが含まれる場合に、警告メッセージを表示するのか、条件を発生させるのかを制御します。SET WARNING と同等です。
テスト・レベル (Test level)
Debug Tool の中に自動的に入らせる、例外のクラスを選択します。SET TEST と同等です。

スクロール値を示すフィールドが表示されるのは、すべてのプロファイル・ パラメーターを一度に表示するには画面の大きさが不十分な場合に限られます。このフィールドは前出のパネルの例には示されていません。

これらのプロファイル・パラメーターの設定値は、セッション中にいつでも 変更することができます。例えば、ビジュアル・トレースのペース のフィールドで 指定された量をセッション中の任意の時点で変更することにより、STEP コマンドを出したときに各ステートメントの実行の間で 生じる遅延を増加させることができます。

セッションのプロファイル設定値を修正するには、変更したいフィールドの 古い値に新しい値を重ねて入力してください。パネルから QUIT を出すと、同等の SET コマンドが出されます。

同等な SET コマンドを入力すると、プロファイル設定パネルの 値も変更されます。

設定値は、デバッグ・セッション全体に有効となります。

ここで述べた内容に関して詳しくは、以下のトピックを参照してください。

カスタマイズした設定値の設定ファイルへの保存

ユーザーは、一連のコマンドを優先ファイルと呼ぶデータ・セットに入れ、以後、TEST 実行時ストリングの preferences_file サブオプションにこの名前を指定することによって、このファイルが使用されるように指示することができます。Debug Tool は、初期設定時にこれらのコマンドを読み取り、セッションを適切にセットアップします。

以下は優先ファイルの例です。

SET TEST ERROR;
SET DEFAULT SCROLL CSR;
SET HISTORY OFF;
SET MSGID ON;
DESCRIBE CUS;

Debug Tool のあるセッションと次セッションの間での保存と復元のカスタマイズ

フルスクリーン・セッションのカスタマイズに記載されたカスタマイズのすべては、Debug Tool のあるセッションから次セッションの間で保持することができます。これを行うには保存と復元の設定機能を使用します。説明は、各ソース行を実行する回数の記録を参照してください。


ご利用条件 | フィードバック

このインフォメーション・センターでは Eclipse テクノロジーが採用されています。(http://www.eclipse.org)