Rational Developer for System z
Enterprise COBOL for z/OS バージョン 4.1 プログラミング・ガイド


ソート入出力ファイルに関する FASTSRT の要件

FASTSRT を指定しても、FASTSRT の要件が満たされていないと、コンパイラーはメッセージを出し、代わりに COBOL ランタイムが入出力を実行します。 その場合、プログラムはパフォーマンスの向上を望めなくなります。

FASTSRT を使用するためには、ソートへの入力ファイルおよびソートからの出力ファイルを、次のように記述し、処理してください。

出力ファイルに RELATIVE KEY 節をコーディングしても、これはソートでは設定されません。

パフォーマンスのヒント: 入出力レコードをブロック化すると、ソート処理のパフォーマンスが大幅に向上する可能性があります。

QSAM の要件

  • QSAM ファイルのレコード形式は、固定長、可変長、またはスパンでなければなりません。
  • QSAM 入力ファイルは空であっても構いません。
  • 入力と出力の両方に同じ QSAM ファイルを使用する場合は、2 つの異なる DD ステートメントを使用してこのファイルを記述しなければなりません。例えば、FILE-CONTROL SECTION では、次のようにコーディングすることができます。
    SELECT FILE-IN ASSIGN INPUTF.
    SELECT FILE-OUT ASSIGN OUTPUTF.

    DATA DIVISION で、FILE-INFILE-OUT の両方についての FD 記入項目を持つことになります。この場合、FILE-INFILE-OUT は、それらの名前を除いて同じです。

    PROCEDURE DIVISION では、SORT ステートメントを次のように記述します。

    SORT file-name
      ASCENDING KEY data-name-1
      USING FILE-IN GIVING FILE-OUT

    そうすると JCL では、データ・セット INOUT がカタログされていると想定して、次のようにコーディングします。

    //INPUTF  DD DSN=INOUT,DISP=SHR
    //OUTPUTF DD DSN=INOUT,DISP=SHR

    これに反して、USING 句と GIVING 句に同じファイル名をコーディングするか、または入力ファイルと出力ファイルに同じ DD 名を割り当てた場合は、そのファイルは入力と出力のいずれかについて FASTSRT に受け入れられますが、両方については受け入れられません。ファイルが入力について FASTSRT に不適格となるような条件が特になければ、ファイルは入力について FASTSRT に受け入れられますが、出力については受け入れられません。ファイルが入力について FASTSRT に不適格である場合でも、出力について FASTSRT に適格である可能性があります。

FASTSRT に対して適格である QSAM ファイルは、SORT ステートメントの実行中に COBOL プログラムからアクセスすることができます。例えば、ファイルが入力で FASTSRT に使用されている場合には、それを出力プロシージャーでアクセスすることができ、ファイルが出力で FASTSRT に使用されている場合には、それを入力プロシージャーでアクセスすることができます。

VSAM の要件

  • VSAM 入力ファイルは空であってはなりません。
  • VSAM ファイルをパスワード保護することはできません。
  • USING 句と GIVING 句の両方で同じ VSAM ファイルを指定することはできません。
  • FASTSRT に対して適格である VSAM ファイルは、SORT ステートメントの処理が完了するまで、COBOL プログラムからアクセスすることはできません。例えば、ファイルが入力で FASTSRT に適格である場合には、それを出力プロシージャーでアクセスしてはなりません。逆も同様です。(そのような処理を行うと、OPEN は失敗します。)

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