クォーラム・ディスク構成

クラスター化システムは、自動的にクォーラム・ディスク候補を割り当てます。ただし、システムにストレージを新規追加する場合、または既存のストレージを除去する場合は、クォーラム・ディスクの割り当てを検討することをお勧めします。

システムが 2 つのグループに分割され、各グループがシステム内の元のノード数の半数ずつを含むという状態になることもあり得ます。どちらのグループのノードが作動を停止して、入出力要求の処理を停止するかを決定するのは、クォーラム・ディスクです。このような競合状況では、最初にクォーラム・ディスクにアクセスしたノード・グループに、クォーラム・ディスクの所有者としてのマークが付けられます。その結果、そのグループがシステムとして作動を続け、すべての入出力要求を処理します。 もう一方のノード・グループは、クォーラム・ディスクにアクセスできないか、クォーラム・ディスクが別のノード・グループによって所有されていることを検出すると、システムとしての作動を停止し、入出力要求を処理しません。

1 つのシステムは、競合状態で使用されるアクティブ・クォーラム・ディスクを 1 つのみ持つことができます。ただし、システムは、3 つのクォーラム・ディスクを使用して、災害時に使用されるシステム構成データのバックアップを記録します。システムは、これらの 3 つのディスクから自動的に 1 つのアクティブ・クォーラム・ディスクを選択します。アクティブ・クォーラム・ディスクを指定するには、chquorum コマンド・ライン・インターフェース (CLI) コマンドに active パラメーターを指定して使用します。現在のクォーラム・ディスクの状況を表示するには、lsquorum コマンドを使用します。

その他のクォーラム・ディスク候補は、システムが分割される前にアクティブ・クォーラム・ディスクに障害が起きた場合に冗長性を提供します。 すべてのクォーラム・ディスク候補が単一の障害で消失する可能性を回避するには、クォーラム・ディスク候補を複数のストレージ・システムに割り当てます。
注: 使用可能なクォーラム・ディスクがない場合は、ミラーリングされたボリュームをオフラインにすることができます。ミラーリングされたボリュームの同期状況は、クォーラム・ディスクに記録されます。
クォーラム候補ディスクとして割り当てられた管理対象ディスクを変更する場合は、以下の一般ガイドラインに従ってください。
  • 可能な場合は、クォーラム候補ディスクを分散して、各 MDisk が異なるストレージ・システムによって提供されるようにしてください。 クォーラム・ディスクの使用をサポートしているストレージ・システムについて詳しくは、対応するハードウェアのリストを参照してください。
  • クォーラム候補ディスクを変更する前に、クォーラム候補ディスクとして割り当てられる管理対象ディスクの状況が、online として報告されていることを確認します。また、そのディスクに 512 MB 以上の容量があることを確認します。
  • 必要であれば、システム・リカバリー手順 (Tier 3 リカバリーまたは T3 リカバリーとも呼ばれます) を実行するのに必要な時間を大幅に短縮するために、より小さい容量の MDisk を使用するか、ドライブをクォーラム・デバイスとして使用します。

HyperSwap または拡張システム構成のクォーラム MDisk またはドライブ

ロケーション全体に影響を与える障害 (例えば、電源障害) から保護するために、1 つのクラスター化システムを 2 つの物理ロケーション間に分割する構成のボリューム・ミラーリングを使用できます。 詳しくは、HyperSwap® 構成の詳細または拡張システム構成の詳細を参照してください。高可用性を目的とした HyperSwap および拡張システム構成の詳細なガイドラインについては、サービス担当員にお問い合わせください。

HyperSwap または強化された拡張システム機能を備えた拡張システムを構成する場合、3 つのサイトそれぞれに配置されるクォーラム・ディスクがシステムによって自動的に選択されます。強化された拡張システム構成機能を使用しない場合は、ここで説明するようにクォーラム・ディスクを手動で割り当てます。

一般に、システム内のノードがサイト間に分割されている場合は、システムを以下のように構成します。

  • サイト 1: システム・ノードの半分と 1 つのクォーラム・ディスク候補
  • サイト 2: システム・ノードの半分と 1 つのクォーラム・ディスク候補
  • サイト 3: アクティブ・クォーラム・ディスク

この構成により、1 つのサイトに障害が起きた後でも、クォーラム・ディスクを確実にいつでも使用可能な状態にしておくことができます。

以下のシナリオでは、アクティブ・クォーラム・ディスクに変更が生じる例を説明しています。
  • シナリオ 1:
    1. サイト 3 がパワーオフされるか、このサイトへの接続が中断されます。
    2. 標準トポロジーの場合、システムはサイト 2 にあるクォーラム・ディスク候補を選択して、これをアクティブ・クォーラム・ディスクにします。HyperSwap または拡張トポロジーの場合、システムはアクティブ・クォーラム・ディスクなしで動作します。
    3. サイト 3 がパワーオンされるか、このサイトへの接続が復元されます。
    4. システムが正しく初期構成されている場合、システムは、電源の復旧時に構成を自動的にリカバリーします。
  • シナリオ 2:
    1. サイト 3 にある設定済みクォーラム・ディスクをホストするストレージ・システムが、構成から除去されます。
    2. 可能な場合、システムは自動的に新規のクォーラム・ディスク候補を構成します。
    3. HyperSwap または拡張トポロジーでは、システムはサイト 3 にある新規クォーラム・ディスクのみを選択します。標準トポロジーでは、システムはサイト 1 またはサイト 2 にあるクォーラム・ディスク候補を選択してアクティブ・クォーラム・ディスクにします。
    4. 新規のストレージ・システムが、サイト 3 に追加されます。
    5. 標準トポロジーでは、管理者は、3 つすべてのクォーラム・ディスクの再割り当てを行い、アクティブ・クォーラム・ディスクが現在は再びサイト 3 に配置されていることを確認する必要があります。HyperSwap または拡張トポロジーでは、ストレージ・システムがインストールされ、サイト設定が構成されると、新規アクティブ・クォーラム・ディスクがシステムによって自動的に割り当てられます。

Fibre Channel over IP の使用

以下の状況では、ファイバー・チャネル・オーバー IP (FCIP) (Fibre Channel over IP (FCIP)) ルーターを使用して、クォーラム・ディスクを接続できます。
  • リモート・ミラーリング (メトロ・ミラーまたはグローバル・ミラー) で FCIP ルーター・デバイスがサポートされている。
  • 遅延は往復で最大 80 ミリ秒 (片方 40 ミリ秒) を超えてはなりません。
  • ノードからクォーラムのトラフィックには最小で毎秒 2 メガバイトの帯域幅が保証されます。
注:
  1. IP エラー発生時にファブリック・トポロジーが変更するのを防ぐには、FCIP リンクを構成して ISL の使用を避ける方法が推奨されます。
  2. iSCSI を使用する接続はサポートされていません。

電源を必要としない波長分割多重方式デバイスの使用

クォーラム・ディスク接続にパッシブ波長分割多重方式 (WDM) デバイスを使用できます。これらの接続は、ファイバーを共有するさまざまな波長のSFP トランシーバーに応じて異なります (カラー SFP トランシーバーと呼ばれる)。 これらのタイプの接続を使用する場合、以下の要件が適用されます。
  • WDM ベンダーは、WDM デバイスで使用するカラーSFP トランシーバーをサポートしなければならない。
  • ファイバー・チャネル・スイッチのベンダーは、ISL 用のカラーSFP トランシーバーをサポートしなければならない。
  • メトロ・ミラーグローバル・ミラー、または HyperSwap の機能用の WDM デバイスがサポートされます。
  • SFP トランシーバーは、SFP/SFP+ 電源仕様および熱仕様に準拠しなければならない。
注: パッシブ WDM 用にカラーSFP トランシーバーを購入するには、WDM ベンダーにお問い合わせください。