ファイバー・チャネル SAN 構成の詳細

確実に有効な構成にするために、以下の構成の詳細を、ファイバー・チャネル (FC) スイッチに適用します。

少なくとも 2 つの独立したスイッチ、またはスイッチのネットワークを持つように SAN を構成することにより、Single Point of Failure が生じない冗長ファブリックが得られるようにします。 2 つの SAN ファブリックの一方に障害が起きた場合、構成は低下モードになりますが、引き続き有効です。 これらのファブリックを結合しようとすると、さらに多くのパスをボリュームに追加するリスクが発生する場合があります。サポート対象の構成では、最大で 8 つのパスが許可されます。 ファブリックが 1 つだけの SAN は有効な構成ではありますが、そのファブリックに障害が起きると、データへのアクセスが失われる危険があります。 ファブリックが 1 つだけの SAN は、Single Point of Failure が発生する危険があります。

ファイバー・チャネル接続では、ノードは、SAN スイッチに接続されているか、またはホスト・ポートに直接接続されている必要があります。このシステムでは、各ノードから少なくとも 2 つのファイバー・チャネル・ポートが SAN に接続されている必要があります。 この構成により、冗長ファブリック内の相手側の各 SAN に対する接続が提供されます。 iSCSI ホストをノードに接続する場合は、イーサネット・スイッチを使用する必要があります。

すべてのバックエンド・ストレージ・システムは、常に SAN スイッチにのみ接続されていなければなりません。 データ帯域幅のパフォーマンスを向上させるため、冗長ストレージ・システムから複数の接続を使用することができます。各冗長ストレージ・システムと、対応する各 SAN との間の接続は必要ありません。例えば、2 つの冗長ストレージ・システムが含まれる IBM® DS4000® 構成の場合、通常は、2 つのストレージ・システム・ミニハブのみが使用されます。ストレージ・システム A は、対応関係にある SAN A に接続され、ストレージ・システム B は、対応関係にある SAN B に接続されます。ノードとストレージ・システムの間で直接物理接続を使用する構成は、サポートされていません。

ノードをコア・ディレクターとエッジ・スイッチを含む SAN ファブリックに接続する場合は、ノード・ポートをコア・ディレクターに接続します。 次に、ホスト・ポートをエッジ・スイッチに接続します。このタイプのファブリックで、コア・ディレクターに接続する装置として次に優先されるものはストレージ・システムであり、ホスト・ポートはエッジ・スイッチに接続されたままにします。

SAN は、すべてのスイッチ製造メーカーの構成規則に従う必要があり、これにより構成に制約が生じる場合があります。スイッチ製造メーカーの構成規則に従わない構成はサポートされません。

単一 SAN ファブリック内での製造メーカーの異なるスイッチの混在

個々の SAN ファブリック内では、 構成がスイッチのベンダーによってサポートされている場合にのみ、異なるベンダーのスイッチを混用してください。FC スイッチの接続に、この FCF スイッチのオプションを使用する際は、ISL オーバー・サブスクリプションの説明を検討し、計画してください。

ファイバー・チャネル・スイッチおよびスイッチ間リンク

システムは、ローカルおよびリモートのクラスター化システム (システム) 間の距離を延長するために、高密度波長分割多重方式 (DWDM) および Fibre Channel over IP (FCIP) 拡張などの距離延長テクノロジーをサポートします。 この延長テクノロジーがプロトコル変換を行う場合、ローカル・ファブリックおよびリモート・ファブリックは、それぞれ 3 つの ISL ホップに制限された、独立したファブリックと見なされます。

同じシステム内のノード間の ISL では、スイッチ間リンク (ISL) は Single Point of Failure であると見なされます。 図 1 は、この例を示しています。

  • リンク 1 またはリンク 2 に障害が起こった場合でも、システム通信には障害は起こりません。
  • リンク 3 またはリンク 4 に障害が起こった場合でも、システム通信には障害は起こりません。
  • ISL 1 または ISL 2 に障害が起こった場合、ノード A とノード B の間の通信は、しばらくの期間障害状態となります。 ノードが引き続き接続されている場合でも、ノードは認識されません。

ノード間に ISL がある場合に、ファイバー・チャネル・リンク障害によってノードに障害が発生しないようにするには、冗長構成を使用する必要があります。 この構成は、図 2 に図示されています。冗長構成では、リンクのいずれか 1 つで障害が起こった場合でも、システム上の通信には障害が起きません。

図 2. ISL のある冗長構成のファブリック
 この図は、冗長構成内にスイッチ間リンクがあるファブリックを表しています。

ISL オーバー・サブスクリプション

ISL の輻輳 (ふくそう) を回避するために、全面的な SAN 設計分析を行ってください。 SAN は、過剰にサブスクライブする ISL を介する、システムからシステムへのトラフィック、あるいはシステムからストレージ・システムへのトラフィックを使用するように構成しないでください。ホストからシステムへのトラフィックの場合、7 対 1 より大きい ISL オーバー・サブスクリプション率を使用しないでください。ISL 上の輻輳は、大幅なパフォーマンスの低下と、ホストでの入出力エラーの原因となることがあります。

オーバー・サブスクリプションを計算する際は、リンクの速度を考慮する必要があります。 例えば、ISL が 4 Gbps で実行され、ホストが 2 Gbps で実行される場合、ポート・オーバー・サブスクリプションを 7 * (4/2) として計算します。 この例では、ISL ポートごとに 14 ポートのオーバー・サブスクリプションが可能になります。
注: ポート速度は、オーバー・サブスクリプションの計算には使用しません。

ディレクター・クラス・スイッチを備えた SAN 内のシステム

SAN 内でディレクター・クラス・スイッチを使用して、多数の RAID コントローラーとホストをシステムに接続することができます。ディレクター・クラス・スイッチは内部冗長性を備えているので、複数のスイッチを使用する SAN で、代わりに 1 つのディレクター・クラス・スイッチを使用できます。ただし、ディレクター・クラス・スイッチはネットワーク冗長性のみを備えています。物理的損傷 (例えば、洪水または火事) を保護するものではありません。物理的損傷が生じた場合、機能全体が破壊されることがあります。 小規模なスイッチによる階層型ネットワーク、あるいはコア内に複数のスイッチを備えたコア・エッジ・トポロジーは、包括的な冗長性を提供します。 この構成では、広域のネットワークの物理損傷に対する保護が強化されます。 単一ディレクター・クラス・スイッチは、対応関係にある複数の SAN を提供するために使用しないでください。 この構成では、真の冗長性が構成されないからです。