FlashCopy マッピング
FlashCopy® 機能は、ソース・ボリュームに保管されているデータのポイント・イン・タイム・コピーをターゲット・ボリュームに作成します。基本モードでは、FlashCopy 機能はソース・ボリュームでコンテンツのコピーをマッピング内のターゲット・ボリュームに作成します。機能は、ソース・ボリュームとターゲット・ボリュームをマッピングで関連付けます。ターゲット・ボリュームにデータが存在する場合、そのデータはコピーされたデータに置き換えられます。
FlashCopy® 機能は、開始時にボリュームのインスタント・コピーを作成します。ボリュームのインスタント・コピーを作成するには、最初にソース・ボリューム (コピーされるディスク) とターゲット・ボリューム (コピーを受け取るディスク) の間にマッピングを作成する必要があります。ソース・ボリュームとターゲット・ボリュームのサイズは同一でなければなりません。
FlashCopy マッピングは、ソース・ボリュームとターゲット・ボリューム間でデータをコピーする関係を定義します。システム内の任意の 2 つのボリューム間でマッピングを作成できます。これらのボリュームは、同じ入出力グループまたはプール内にある必要はありません。 FlashCopy 操作が開始されるときに、ソース・ボリュームのチェックポイントが作成されます。開始操作が行われても、データはコピーされません。その代わりに、チェックポイントは、ソース・ボリュームのどの部分もコピーされていないことを示すビットマップを作成します。ビットマップの各ビットは、ソース・ボリュームの 1 つの領域を表します。各領域はグレーン と呼ばれます。ターゲット・ボリュームの読み取り操作時に、グレーンがコピーされたかどうかを判別するためにビットマップが使用されます。グレーンがコピーされていると、ターゲット・ボリュームからデータが読み取られます。グレーンがコピーされていないと、ソース・ボリュームからデータが読み取られます。
絶えず更新されるデータ・セットの整合コピーを作成することは困難ですが、ポイント・イン・タイム・コピー技法はこの問題の解決に役立ちます。 ポイント・イン・タイム技法を備えていないテクノロジーを使用してデータ・セットのコピーを作成する場合、コピー操作中にデータ・セットが変更されると、結果のコピーには、整合性のないデータが含まれることがあります。 例えば、あるオブジェクトへの参照がそのオブジェクト自体よりも早くコピーされ、 そのオブジェクトがコピーされるより前にオブジェクトが移動された場合、 コピーには、新しい位置で参照されたオブジェクトが入りますが、コピーされた参照は前の位置を指したままです。バックグラウンド・コピー速度およびクリーニング速度を FlashCopy マッピングに割り当てて、リモート・システムに更新を伝搬させる速度を制御することもできます。FlashCopy マッピング・コピー率 は、128 KBps から 2 GBps までの値にすることができ、FlashCopy マッピングがどのような状態にあるときでも変更できます。
FlashCopy マッピングを所有権グループに割り当てることができます。所有権グループ は、システム内のユーザーとオブジェクトのサブセットを定義します。所有権グループで定義されている特定のリソースへのアクセスをさらに制限するために所有権グループを作成することができます。セキュリティー管理者の役割のユーザーのみが所有権グループを構成して管理することができます。
リソースのタイプに応じて、所有権を明示的に定義するか、所有権をユーザー、ユーザー・グループ、またはその他の親リソースから継承することができます。FlashCopy マッピングは、親リソースから所有権を継承します。ユーザーは、リソースの所有権グループを変更することはできませんが、親オブジェクトの所有権グループは変更できます。所有権グループで定義される FlashCopy マッピングには以下の規則が適用されます。
- FlashCopy マッピングは、マッピングで定義されている両方のボリュームの所有権グループを継承します。
- FlashCopy 整合性グループと同様、整合性グループとそのマッピングが別々の所有権グループに属すことはできます。ただし、整合性グループの所有権が、その中のマッピングの所有権に影響を与えることはありません。
差分 FlashCopy マッピング
差分 FlashCopy では、初期マッピングでソース・ボリュームにあるすべてのデータをターゲット・ボリュームにコピーします。 これに続く FlashCopy マッピングでは、図 1 に示すように、初回の FlashCopy マッピング後に変更されたデータのみがコピーされます。このプロセスにより、独立した FlashCopy イメージの再作成に要する時間が短縮されます。 FlashCopy マッピングを作成するときに、 FlashCopy マッピングを「差分のみ」として定義することができます。

FlashCopy のパートナー・マッピング
既存の差分 FlashCopy マッピングをミラーリングするマッピングを作成することができます。 ペアになったマッピングはパートナー と呼ばれます。1 つのマッピングはパートナーを 1 つだけ持つことができます。 例えば、2 つのマッピング (ボリューム A から ボリューム B へのマッピング 0、 およびボリューム B からボリューム A へのマッピング 1) があるボリューム A とボリューム B がある場合、マッピング 0 とマッピング 1 はパートナーです。
差分 FlashCopy マッピングは、 変更の記録の場合のメタデータを共有します。 したがって、ミラーリングされたペア (協力関係) の一方のマッピングが差分である場合、 他方のマッピングは自動的に差分になり、削除されるまで差分のままになります。
カスケードされた FlashCopy マッピング
カスケード FlashCopy 機能では、図 2 に示すように、FlashCopy ターゲット・ ボリュームを別の FlashCopy マッピングのソース・ボリュームにすることができます。

カスケードに存在できるマッピングは、最大 256 です。 カスケード・マッピングと複数のターゲット・マッピングが使用される場合、最大 256 のマッピングのツリーが作成されます。
マルチターゲット FlashCopy マッピング
単一のソース・ボリュームから最大 256 のターゲット・ボリュームをコピーできます。 ソース・ボリュームとターゲット・ボリューム間の関係はそれぞれ、固有のマッピングによって管理され、1 つのボリュームが最大 256 のマッピングでソース・ボリュームになることができます。
1 つのソースからのマッピングは、それぞれ独立して開始し、終了することができます。 同じソースからの複数のマッピングが (コピー中状態または停止中状態で) アクティブな場合、それらのマッピング間には依存関係が存在します。
もう 1 つの例として、ボリューム A が属するマッピングがターゲット・ボリューム B が属するマッピングに依存する場合、ターゲット・ボリューム A はターゲット・ボリューム B に依存します。 ソース・ボリュームから最も新しく開始されたマッピングのターゲット・ボリュームは、作成されるソースのコピーが完全な状態になるまで (進行状況が 100% になるまで) ソース・ボリュームに依存します。
消去率、コピー率、および自動削除
消去率を使用すると、マッピングが停止中状態にある時間を最小限に抑えることができます。 マッピングが完了していない場合、マッピングが停止している間はターゲット・ボリュームはオフラインになります。 ターゲット・ボリュームは、マッピングの再開まではオフライン状態を続けます。
マッピングを作成する場合にもコピー率を指定できます。 マッピングがコピー中状態の場合は、コピー率はバックグラウンド・コピー処理に与えられる優先順位を決定します。 マッピングを削除しても、依然ターゲット・ボリュームからアクセスできるようにするために、ソース・ボリューム全体のコピーが必要な場合は、ソース・ボリューム上にあるデータすべてをターゲット・ボリュームにコピーする必要があります。
消去率およびコピー率のデフォルト値は、ともに 50 です。
コピー率がゼロより大きい場合、マッピングが開始されると、未変更のデータがターゲット・ボリュームにコピーされます。データがコピーされたことを示すためにビットマップが更新されます。 しばらくすると (その長さは、コピー率によって決定された優先順位と、ボリュームのサイズによって異なります)、ボリューム全体がターゲットにコピーされます。 マッピングは idle_or_copied 状態に戻るので、いつでもマッピングを再開してターゲットに新規コピーを作成できます。
マッピングがコピー中状態の間は、コピー率をゼロにし、消去率をゼロ以外の値に設定して、マッピングが停止中状態にある時間を最小限に抑えることができます。
マルチターゲット・マッピングを使用する場合、ソース・データがすべてターゲットにコピーされた (進行状況表示が 100% になった) 後でも、マッピングがコピー中状態のままになることがあります。 この状態は、以前に開始されて同じソース・ディスクを使用していたマッピングが、まだ 100% コピー済みになっていない場合に起こります。
コピー率がゼロの場合は、ソース上で変更されたデータのみがターゲットにコピーされます。 ソースですべてのエクステントが上書きされない限り、ターゲットには、ソース全体のコピーは決して入りません。 ソースの一時コピーが必要なときは、このコピー率を使用できます。
マッピングは、任意の時点で停止できます。ただし、ターゲット・ボリュームにソース・ボリュームの完全なコピーが既に入っていない限り、マッピングが停止すると、ターゲットは不整合になり、ターゲット・ボリュームはオフラインになります。ターゲット・ボリュームは、マッピングの再開まではオフライン状態を続けます。
autodelete 属性を設定することもできます。 この属性がオンに設定されると、マッピングが idle_or_copied 状態に達し、進行状況が 100% になると、マッピングが自動的に削除されます。
FlashCopy マッピングの状態
整合性グループを使用しない場合、システムではマッピングを独立したエンティティーとして扱うことができます。この場合、マッピングは独立型マッピングと呼ばれます。 このような方法で構成されたマッピングでは、prestartfcmap コマンドと startfcmap コマンドの代わりに prestartfcconsistgrp コマンドと startfcconsistgrp コマンドを使用します。
FlashCopy のマッピング修復
マッピングは、状態が idle_copied、stopped、または copying の別のアクティブ・マッピングのソース・ボリュームであるターゲット・ボリュームを使用して開始できます。マッピングが copying 状態の場合、startfcmap コマンドと prestartfcmap コマンドに restore パラメーターが必要です。FlashCopy ソース・ボリュームの内容の復元は、
同じ FlashCopy マッピングまたは
別の FlashCopy マッピングのターゲットを使用して、
マッピングが活動停止になるのを待たずに、また、
その他の FlashCopy ターゲット・ボリュームの内容を失わずに、行うことができます。
Veritas Volume Manager
FlashCopy ターゲット・ボリュームの場合、ターゲット・ボリュームがソース・ボリュームの正確なイメージになる可能性があるマッピング状態では、システムによって照会データに 1 つのビットが設定されます。このビットを設定すると、Veritas Volume Manager は、 ソースとターゲットのボリュームを区別できるようになり、 その両方へ独立したアクセスができるようになります。