IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムからのデータのマイグレーション

iSCSI 接続を使用して、外部 IBM Spectrum Accelerate システムから SAN ボリューム・コントローラー システムにデータをマイグレーションできます。

始める前に

  1. iSCSI イニシエーター・システムが、iSCSI マイグレーションをサポートできるレベルのソフトウェアを実行していることを確認します。最低でもソフトウェア・バージョン 7.7.0 が必要です。
  2. iSCSI ターゲット・ストレージ・システムにインストールされているファームウェアが、製造メーカー推奨のレベルのものであることを確認します。詳しくは、ストレージ・システムに付属の製品資料を参照してください。
  3. 各システムでイーサネット・ポートが使用可能であり、それらがサポートされていることを確認します。
    • 使用可能な任意のイーサネット・ポートを使用して、 SAN ボリューム・コントローラー システムと iSCSI ターゲット・ストレージ・コントローラーの間の iSCSI 接続を確立できます。
    • パフォーマンス・ボトルネックを回避するために、iSCSI イニシエーター・システムとターゲット・システムで同じ速度のイーサネット・ポートを使用する必要があります。 異なる速度で動作するイーサネット・リンクを組み合わせて使用しないでください。
  4. 各システムのイーサネット・ポートに接続するために適切な数のイーサネット・ケーブルおよびスイッチがあることを確認します。
  5. 各システムの適切なイーサネット・ポートが適切なイーサネット・スイッチに接続されていることを確認します。 完全な冗長性とスループットの向上を実現するには、2 つ以上のイーサネット・スイッチを使用してください。同様に、各システムの各ノードにある番号付きイーサネット・ポートは、同じスイッチに接続する必要があります。これらは、必ず同じサブネットまたは VLAN 上で構成してください。

    IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムは、水平スケールアウト機能をサポートします。これは、単一のシステムが 3 から 15 個のノードをターゲットとして保有できることを意味します。ただし、すべてのノードでは、すべての接続を処理する単一の共通した IQN が使用されます。フォールト・トレランスを実現するために、2 つ以上のソース・ポートに対して少なくとも 2 つのターゲット・ノードを構成してください。 ストレージ接続が有効になっているソース・ポートの可用性に応じて、ソース・システムとターゲットの間にさらに多くの接続を構成することができます。

    例えば、図 1 は、 SAN ボリューム・コントローラー システム (iSCSI イニシエーター) と IBM Spectrum Accelerate システム (iSCSI ターゲット) の間の iSCSI 接続を示しています。

    図は、システムと IBM Spectrum Accelerate 外部ストレージ・システムとの間の接続を示しています。この図で、システムは 2 つのノードを持つ 2 つの入出力グループで構成されています。各ノードには最大で 4 つのイニシエーター・ポートがあり、うち 2 つは、2 つのスイッチを介してストレージ・システム上のターゲット・ポートに接続するように構成されています。 各ノードで他の 2 つのポートは構成されていません。各イニシエーター・ノードおよびターゲット・ノードの最初のポート (オレンジ色) は、イーサネット・スイッチ 1 を介して接続されています。各イニシエーター・ノードおよびターゲット・ノードの 2 番目のポート (青色) は、イーサネット・スイッチ 2 を介して接続されています。IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システム上のすべてのターゲット・ノードは単一の共通 iSCSI ターゲット IQN を使用し、すべてのボリュームが、すべてのターゲット・ノードを介してアクセス可能です。 イニシエーター・システムからの接続は、2 つ以上のターゲット・ノードに対して確立される必要があります。システム上の使用可能なソース・ポートは、外部ストレージに接続するよう構成されている必要があります。 ノードが外部ストレージ用に有効でない場合、そのノード上のポートは接続用のソース・ポートとして使用できません。 ノードをストレージ用に有効にするには、「設定」 > 「ネットワーク」 > 「イーサネット・ポート」を選択します。ポートを右クリックし、「ストレージ・ポートの変更」を選択して、ストレージ・システムへの iSCSI 接続用のポートを有効にします。

    図 1. IBM Spectrum Accelerate (iSCSI ターゲット) への iSCSI 接続の例
    IBM Spectrum Accelerate システムへの iSCSI 接続の例

IBM Spectrum Accelerate システムでのサポートの構成については、IBM Spectrum Accelerate ストレージ・システムの構成を参照してください。

手順

以下の手順では、ステップによって、iSCSI イニシエーター・システム上で実行するものと、iSCSI ターゲット・システム上で実行するものがあります。

ケーブル接続とシステムの構成

  1. イーサネット・ケーブルを、 SAN ボリューム・コントローラー システム (iSCSI イニシエーター) 上のポートから適切なイーサネット・スイッチに接続します。使用可能な任意のイーサネット・ポートを使用してください。
  2. イーサネット・ケーブルを、IBM Spectrum Accelerate システム (iSCSI ターゲット) 上のポートから適切なイーサネット・スイッチに接続します。使用可能な任意のイーサネット・ポートを使用してください。
  3. すべてのホスト入出力操作を停止します。
  4. IBM Spectrum Accelerate システムで、ホストからマイグレーションするデータを含む論理ドライブをマップ解除します。
  5. IBM Spectrum Accelerateシステムで、 SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システムにマイグレーションしたいボリュームのサイズを取得します。これを行うには、以下のコマンドを入力します。ここで、volume_name は特定のボリュームの名前です。
    volume show volume_name 
  6. SAN ボリューム・コントローラー システムがレプリカ生成層として構成されていることを確認します。これを行うには、次の lssystem コマンドを入力します。
    svcinfo lssystem
    1. SAN ボリューム・コントローラー システムが正しく構成されていない場合は、次の chsystem コマンドを入力します。
      svctask chsystem -layer replication

iSCSI 接続の確立

  1. SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システムで、以下のコマンドを入力して、システムの IP アドレスまたは iSCSI 修飾名 (IQN) を取得します。
    • IP アドレスを表示するには、lsportip コマンドを入力します。
      svcinfo lsportip
    • IQN 名を表示するには、lsnode コマンドを入力します。
      svcinfo lsnode
  2. SAN ボリューム・コントローラー ・システムで、次の cfgportip コマンドを入力して、ターゲット・ストレージ・システムへの iSCSI 接続に使用できるポートを 1 つ以上構成します。
    svctask cfgportip –node nodename -storage yes port_id
    注: IPv6 アドレスを使用してポートを構成する場合は、コマンドに -storage-6 パラメーターを指定します。
  3. IBM Spectrum Accelerate システムで、 SAN ボリューム・コントローラー システムにマイグレーションしたいデータが含まれているボリュームをマップします。これを行うには、以下のいずれかのコマンドを入力します。
    • iSCSI イニシエーター・システムの IPv4 アドレスを使用してボリュームをマップするには、以下のコマンドを入力します。
      select volume_name access create ipaddress ip_address
    • iSCSI イニシエーター・システムの iSCSI 修飾名 (IQN) を使用してボリュームをマップするには、以下のコマンドを入力します。
      select volume_name access create initiator iqn_name
    volume_name
    データのマイグレーション元にするボリュームの名前 (ステップ 4 を参照)。
    ip_address
    ステップ 7 で表示された、 SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システムの IPv4 アドレス。
    iqn_name
    ステップ 7 で表示された、 SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システムの IQN。
  4. SAN ボリューム・コントローラー システムで、detectiscsistorageportcandidate コマンドを入力して、iSCSI ターゲット・システム上の使用可能なポートをディスカバーします。source_port_id は、ディスカバリーを行う際に使用する、 SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システム上のイーサネット・ポートです。ipv4_addrIBM Spectrum Accelerate システム (iSCSI ターゲット) の IP アドレスです。
    svctask detectiscsistorageportcandidate –srcportid source_port_id -targetip ipv4_addr
    注:
    • iSCSI ターゲット・システム上のポートを IPv6 アドレスを使用して構成する場合は、コマンドに -targetip6 パラメーターを指定します。
    • 要求を認証するために、iSCSI ターゲット・システムでもユーザー名と CHAP 情報が必要になる場合があります。以下の例に示すように、必ず、正しい tgt_user_name値と target_chap 値をコマンドに指定してください。
      svctask detectiscsistorageportcandidate –srcportid source_port_id -targetip ipv4_addr -username tgt_user_name -chapsecret target_chap
  5. SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システムでディスカバーされた iSCSI ポートに関する情報を表示します。lsiscsistorageportcandidate コマンドは、iSCSI 修飾名 (IQN) とインターネット・プロトコル (IP) の固有の組み合わせに関する情報を返します。
    svcinfo lsiscsistorageportcandidate
  6. addiscsistorageport コマンドを発行して、構成するポートの候補を 1 つ以上選択してください。最大 64 個の候補 ID を指定できます。各 ID はコロンで区切ってください。 candidate_id は、lsiscsistorageportcandidate コマンドによって表示された出力の ID 列にある値です。
    svctask addiscsistorageport candidate_id
    注: ステップ 10detectiscsistorageportcandidate コマンドに認証を入力した場合、このコマンドにもその情報を指定する必要があります。以下の例に示すように、必ず、正しい tgt_user_name値と target_chap 値をコマンドに指定してください。
    svctask addiscsistorageport candidate_id -username tgt_user_name -chapsecret target_chap

データのマイグレーション

  1. SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システムでディスカバーされた iSCSI ポートに関する情報を表示します。lsiscsistorageportcandidate コマンドは、iSCSI 修飾名 (IQN) とインターネット・プロトコル (IP) の固有の組み合わせに関する情報を返します。
    svcinfo lsiscsistorageportcandidate
  2. lsmdiskgrp コマンドを入力して、 SAN ボリューム・コントローラー システムが認識しているストレージ・プールに関する情報を表示します。
    svcinfo lsmdiskgrp
    1. SAN ボリューム・コントローラー システム上に使用可能なストレージ・プールがない場合は、mkmdiskgrp コマンドを入力して新規ストレージ・プールを作成します。extent_size は、iSCSI ターゲット・システムからマイグレーションするボリュームのサイズ (ステップ 5 で表示される) です。
      svctask mkmdiskgrp -ext extent_size -name pool_name
  3. iSCSI ターゲットの IBM Spectrum Accelerate システムから SAN ボリューム・コントローラー システム上のストレージ・プールにデータをマイグレーションします。ボリュームへのデータのマイグレーションについては、ボリュームの管理を参照してください。
    • ボリューム全体のデータをマイグレーションするには、次の migratevdisk コマンドを入力します。
      svctask migratevdisk -mdiskgrp mdisk_group -vdisk vdisk_id
    • 選択したエクステントのデータをマイグレーションするには、migrateexts コマンドを入力します。
      svctask migrateexts -source mdisk_name -exts num_extents -target new_mdisk -threads 4 -vdisk vdisk_id
  4. データ・マイグレーションの進行状況をモニターするには、lsmigrate コマンドを入力します。
    svcinfo lsmigrate

タスクの結果

IBM Spectrum Accelerate システムの論理ドライブ上のデータが、 SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システムへマイグレーションされます。ホストの入出力操作も SAN ボリューム・コントローラー システムに切り替えられます。

次のタスク

  1. SAN ボリューム・コントローラー システムで、lsiscsistorageport コマンドを入力して、iSCSI ターゲット・システム上の構成済みポートを表示します。
    svcinfo lsiscsistorageport
  2. rmiscsistorageport コマンドを入力して、構成済みの iSCSI ターゲット・ポートを削除します。lsiscsistorageport の出力内の行番号を指定して、削除するセッションを識別します。
    svctask rmiscsistorageport lsiscsistorageport_row_id
  3. IBM Spectrum Accelerate システムで、以下のコマンドを入力して、 SAN ボリューム・コントローラー iSCSI イニシエーター・システムにマイグレーションしたボリュームを削除します。
    delete volume_name
  4. 各システムをイーサネット・スイッチに接続しているイーサネット・ケーブルを切り離します。