クォーラムの構成

以前にシステムのメンバーであったノードのちょうど半数が存在するときに、SAN 障害が発生した場合、タイ・ブレークを実行するのにクォーラム・デバイスが使用されます。また、重要なシステム構成データのバックアップ・コピーの保管にもクォーラム・デバイスは使用されます。この目的のために、各クォーラム・デバイス上に 256 MB を少しだけ超えるスペースが予約されています。

システムが 2 つのグループに分割され、各グループがシステム内の元のノード数の半数ずつを含むという状態になることもあり得ます。どちらのグループのノードが作動を停止して、入出力要求の処理を停止するかを決定するのは、クォーラム・デバイスです。このような競合状況では、最初にクォーラム・デバイスにアクセスしたノード・グループに、クォーラム・デバイスの所有者としてのマークが付けられます。その結果、そのグループがシステムとして作動を続け、すべての入出力要求を処理します。もう一方のノード・グループは、クォーラム・デバイスにアクセスできないか、クォーラム・デバイスが別のノード・グループによって所有されていることを検出すると、システムとしての作動を停止し、入出力要求を処理しません。

1 つのシステムは、競合状態で使用されるアクティブ・クォーラム・デバイスを 1 つのみ持つことができます。ただし、システムは、最大 3 つのクォーラム・デバイスを使用して、災害時に使用されるシステム構成データのバックアップを記録します。システムは、アクティブ・クォーラム・デバイスにするクォーラム・デバイスを 1 つ、自動的に選択します。アクティブ・クォーラム・デバイスを指定するには、chquorum コマンド・ライン・インターフェース (CLI) コマンドに active パラメーターを指定して使用します。現在のクォーラム・デバイスの状況を表示するには、lsquorum コマンドを使用します。その他のクォーラム・デバイスは、システムが分割される前にアクティブ・クォーラム・デバイスに障害が起きた場合に冗長性を提供します。すべてのクォーラム・デバイスが単一の障害で消失する可能性を回避するには、クォーラム・ディスク候補を複数のストレージ・システムで割り当てるか、複数のサーバーで IP クォーラム・アプリケーションを実行します。

単一サイト構成

通常の構成では、システムが拡張システムまたは HyperSwap システムとして構成されない場合、管理対象ドライブまたは MDisk をクォーラム・デバイスとして使用します。システムは、自動的にクォーラム・ディスク候補を割り当てます。ただし、システムに新規ストレージを追加する場合、または既存のストレージを除去する場合は、クォーラム・ディスクの割り当てを検討することをお勧めします。オプションとして、クォーラム・ディスクの使用に代わる手段として、または冗長性を高めるために、IP クォーラム・デバイスを構成できます。

拡張構成または HyperSwap 構成

ロケーション全体に影響を与える障害 (例えば、電源障害) から保護するために、1 つのシステムを 3 つの物理ロケーションに分割する構成を使用できます。

拡張システムまたは HyperSwap システムでは、システム・ノードが 2 つのサイトに分割されます。SAN の障害によりサイト間の接続が失われるか、障害によりサイト全体が停止する場合、クォーラム構成により、どちらのサイトが動作を続行し、入出力要求を処理するかが決まります。高可用性ソリューションでは 3 番目のサイトにアクティブ・クォーラム・デバイスが構成されるため、システムは 1 つのサイトで障害が起きた後でも動作を続行します。

一般に、システム内のノードがサイト間に分割されている場合は、システムを以下のように構成します。
  • サイト 1: システム・ノードの半分と 1 つのクォーラム・デバイス
  • サイト 2: システム・ノードの半分と 1 つのクォーラム・デバイス
  • サイト 3: アクティブ・クォーラム・デバイス
通常、サイト 1 とサイト 2 のクォーラム・デバイスはクォーラム・ディスクであり、サイト 3 のクォーラム・デバイスは IP クォーラム・アプリケーションです。ただし、任意のサイトでクォーラム・ディスクまたは IP クォーラム・アプリケーションのどちらかを使用するようにシステムを構成できます。この構成により、1 つのサイトで障害が起きた後でも、クォーラム・デバイスを確実にいつでも使用可能な状態にしておくことができます。

3 番目のサイトで IP クォーラム・アプリケーションを使用するときに、2 つのサイト間の接続が失われた場合に動作を続行するサイトの設定を構成できます。重要なアプリケーションが実行されているサイトが 1 つのみの場合は、そのサイトを優先として構成できます。優先サイトが構成されているときに、障害によりその優先サイトで停止が起きると、もう一方のサイトがタイ・ブレークの勝者となり、動作を続行し、入出力要求を処理します。

3 番目のサイトにクォーラム・デバイスを使用することなく、拡張システムまたは HyperSwap システムを構成できます。3 番目のサイトがない場合、常にタイ・ブレークの勝者となるサイトを選択するようにクォーラムを構成する必要があります。サイト間の接続が失われた場合、勝者として構成されるサイトが動作を続行し、入出力要求を処理します。もう一方のサイトは、障害が修正されるまで停止します。 勝者サイトでサイト障害が発生した場合、このサイトがリカバリーするか、手動のクォーラム・オーバーライド手順が使用されるまで、システムは入出力要求の処理を停止します。

一般に、システム内のノードが 2 つのサイト間に分割されているときに、3 番目のサイトのクォーラムがない場合、システムを以下のように構成します。
  • サイト 1: システム・ノードの半分と 1 つまたは 2 つのクォーラム・デバイス
  • サイト 2: システム・ノードの半分と 1 つのクォーラム・デバイス
通常、サイト 1 とサイト 2 のクォーラム・デバイスは両方ともクォーラム・ディスクであり、システムによって自動的に構成されます。クォーラム・ディスクを使用する代わりの手段として、IP クォーラム・アプリケーションを構成することが可能です。勝者サイトが構成されているときに、両方のサイトが作動可能である場合、アクティブ・クォーラム・デバイスはありません。サイト 1 とサイト 2 のクォーラム・デバイスのみが、重要なシステム構成データのバックアップ・コピーを保存するために使用されます。障害により、勝者サイトのノードのみが動作を続行する場合、システムは、これ以上の障害を防止するために、そのサイトのいずれかのクォーラム・デバイスを自動的に選択してアクティブ・クォーラム・デバイスにします。