スロットル

スロットル は、サポートされるオブジェクトの入出力をシステムが処理しているときに使用されるリソースの量を制御するためのメカニズムです。システムは、ホスト、ホスト・クラスター、ボリューム、コピー・オフロード操作、およびストレージ・プールで、スロットルをサポートします。スロットル限度が定義されていると、システムはそのオブジェクトの入出力を処理するか、または入出力の処理を遅らせて重要度の高い入出力操作のためにリソースを解放します。

システムにスロットルを構成するときは、以下のガイドラインに留意してください。
  • スロットルの制限は、ノードごとの制限です。例えば、あるボリュームのスロットルの制限を 100 IOPS に設定した場合、そのボリュームにアクセスできるシステム上の各ノードは、そのボリュームに対して 100 IOPS を許可します。そのスロットルの制限を超えるすべての入出力操作は、受信側ノードでキューに入れられます。
  • ホスト上のマルチパス・ポリシーは、入出力操作を受け取るノードの数や実際のスロットルの制限を決定します。
  • ある入出力操作に複数のスロットルが適用される場合、最小で最も厳しいスロットルが使用されます。
スロットルのタイプごとに、IOPS か帯域幅、またはその両方の制限を作成することができます。 スロットル制限は、ホスト入出力の処理を続行するか、後で処理するために遅らせるかを制御します。特定のホストおよびホスト・クラスターの処理を遅らせる理由はいくつか存在します。例えば、ホスト・またはホスト・クラスターに、データ・マイニング・システムなどの入出力集中型ワークロードがある場合、構成済みのスロットルを超える入出力操作の処理を自動的に遅らせるスロットル制限を作成することができます。システム内の各ホストにスロットルを定義するか、ホスト・クラスターにスロットル制限を定義することができます。ホスト・クラスターのスロットルでは、ホスト・クラスター内のすべてのホストがスロットル制限を共有します。
注: ホスト・クラスターを作成する場合、追加されるホストにはスロットルを構成できません。スロットルはホスト・クラスター全体のみに適用できます。

システムは、ボリュームの入出力操作の処理を遅らせるためのスロットルもサポートします。ストレージ・システムが幅広いアプリケーションを提供する場合、入出力の重要度がより高い実動ボリュームが、操作の優先度が低いボリュームと競合する可能性があります。例えば、バックアップまたはアーカイブの操作に使用されているボリュームには、実動ボリュームから帯域幅を利用する可能性がある入出力集中型ワークロードがあることがあります。ボリューム・スロットルを使用して、これらのタイプのボリュームの入出力を制限し、実動ボリュームの入出力操作が影響を受けないようにすることができます。

Microsoft Windows Server 2012 上のオフロード・データ転送 (ODX) や、VMware ホスト上の XCOPY/WRITESAME 機能など、コピー・オフロード機能が有効に設定されているシステムに対しても、スロットルを作成できます。コピー・オフロードは、特定タイプのホストの操作をストレージ・システムにオフロードすることにより、ホストを解放し、コピー・プロセスを高速化します。これらの機能を有効にしたシステムの場合、管理者はスロットルを定義し、コピー・オフロードの処理を遅らせて、さらに重要なその他の操作のために帯域幅を解放することができます。コピー・オフロード用にスロットルを定義した場合、スロットルはシステム全体にわたって適用されます。システム上の他のスロットルと同様に、IOPS スロットルか帯域幅スロットル、またはその両方を設定できます。ただし、コピー・オフロード操作には帯域幅スロットルの方が効果的です。

ストレージ・プールにスロットルを定義して、バックエンド・ストレージ・システムの入出力操作を制御することができます。 ストレージ・プール・スロットルは、バックエンド・ストレージへの過大な負荷を避けるために使用でき、仮想ボリュームと一緒に使用できます。

ボリューム、ホスト、ホスト・クラスター、コピー・オフロード、およびストレージ・プールのスロットルは、管理 GUI で構成することも、コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して構成することもできます。