中断を伴わないノード交換: 2145-SV1

以下の手順では、中断を伴わずに大部分のノードを SAN ボリューム・コントローラー 2145-SV1 ノードに取り替える方法について説明します。

始める前に

SAN 環境に対する変更が必要ないため、交換手順は処理を中断せず行うことができます。交換用の 2145-SV1 ノードは、取り替える元のノードと同じワールドワイド・ノード名 (WWNN) を使用します。この手順を使用しない場合は、ボリュームを新規の入出力グループに移動するか、あるいは SAN を再ゾーニングして、ノードを停止して取り替えます。 ただし、中断を伴う手順では、ホスト上で追加の作業が必要になります。

ノードの取り替え中は、システム・パフォーマンスが多少低下する可能性があります。 取り替え対象のノードを含む入出力グループによって管理されているボリュームは、この手順の開始時にノードの 1 つがシャットダウンされていると機能低下状態になります。システム・パフォーマンスは、両方のノードが稼働して、拡張エンクロージャーまたはバックエンド・ストレージ内の新しい SSD ドライブ・アレイまたは HDD ドライブ・アレイにアクセスするようになると元に戻ります。

SAN ボリューム・コントローラー 2145-CF8 または 2145-CG8 の 10 Gbps イーサネット・ポートの 3 および 4 を使用する iSCSI ホスト入出力接続では、帯域幅が失われたり、接続が一時的に中断したりする可能性があります。 SAN ボリューム・コントローラー 2145-SV1 ノードが間違ったポート上で IP アドレスを構成しないようにノードを停止するために、10 Gbps IP アドレスを削除してからノードを取り替える必要があります。

この作業は、以下の条件が満たされていることを前提としています。満たされない条件がある場合は、IBM® サポートによる指示がない限り、この作業を進めないでください。

  • 交換されるノードで実行されているシステム・ソフトウェアがレベル 7.7.1 であること。新規の 2145-SV1 ノードを認識するには、システム内のその他すべてのノードもソフトウェア・レベル 7.7.1 でなければなりません。システムに関する情報を表示するには、lssystem コマンドを入力します。
  • 交換用の 2145-SV1 ノードに、少なくとも取り替えているノードと同じ数のファイバー・チャネル・アダプターおよび Fibre Channel over Ethernet (FCoE) アダプターがあること。
  • 取り替えるノードにフラッシュ・ドライブが含まれていて、これらのドライブが使用中の場合は、ノードを取り替える前に、フラッシュ・ドライブによって提供されるアレイを、IBM Easy Tier® によって管理される他のアレイ・タイプを含むストレージ・プールに移動する必要があります。

    データ・マイグレーションについて詳しくは、Implementing the IBM System Storage SAN Volume Controller with IBM Spectrum Virtualize V7.6を参照してください。データを効率的にマイグレーションするために、正しい手法を選択してください。どの手法を選択すればよいかわからない場合は、IBM サポートに連絡してください。

  • システム内に構成されるすべてのノードが存在し、オンラインであること。
  • システム・イベント・ログ内のエラーがすべて対処され、修正済みのマークが付いていること。
  • 状況が degradedoffline のボリューム、管理対象ディスク (MDisk)、および外部ストレージ・システムがないこと。
  • システム構成をバックアップ済みであり、svc.config.backup.xml ファイルを保存してあること。
  • 2145-SV1 ノードは 4 ポート16 Gbps ファイバー・チャネル・アダプターおよび 10 Gbps イーサネット・アダプターをサポートします。
  • 各ファイバー・チャネル接続ホスト上のファイバー・チャネル・デバイス・ドライバーは、3 秒以内に欠落ファイバー・パスをタイムアウトにするよう設定する必要があります。各ホスト上のファイバー・チャネル・ドライバーのパラメーターを調べるのが現実的でない場合は、新規 2145-SV1 ノードをシステムに追加してすぐに、そのノードをリブートする必要があります。 これにより、ホストへのファイバー・パスが停止し、その停止時間には十分な長さがあるため、2145-SV1 が再びアクティブになったときにそれらのパスが正しくリカバリーされます。
    ヒント: Emulux ファイバー・チャネル・デバイス・ドライバーのタイムアウト設定値は、デフォルトで 30 秒に設定される可能性があるため、変更する必要があります。
重要事項:
  1. この作業を進める前に、以下のすべてのステップを検討してください。SAN ボリューム・コントローラー環境やここで説明する作業を十分に理解していない場合は、この手順を進めないでください。
  2. ファイバー・チャネル・ポート・マッピングの設定: 2145-SV1に記載されている詳細情報を確認してください。 この情報は、この作業を完了するために必要になります。
  3. 交換用の 2145-SV1 ノードに、少なくとも取り替えるノードと同じ容量の RAM があることを確認します。
  4. この作業中にノード ID が変更される可能性があり、場合によってはノード名も変更されます。システムがノード ID を割り当てた後は、この ID を変更できません。ただし、ノード名は、この作業の完了後に変更できます。

このタスクについて

システム内のアクティブ・ノードを新規の 2145-SV1 ノードに取り替えるには、以下のステップを実行します。

手順

  1. 交換するノードがソフトウェア・レベル 7.7.1 を実行していることを確認します。そのノードがレベル 7.7.1 の SAN ボリューム・コントローラー・システム・ソフトウェアを実行していない場合、この手順を進める前にシステム・ソフトウェアをアップグレードする必要があります。 技術員用ポートとサービス・アシスタント GUI を使用して、ソフトウェア・レベルを表示し、更新することができます。詳しくは、システムの更新およびノードにアクセスするための技術員用ポートを参照してください。

交換するノードに関する重要情報の収集

  1. 交換するノードの ID、名前、入出力グループ ID、入出力グループ名、およびシステム構成ノード状況を確認します。
    1. コマンド・ライン・インターフェースから lsnode コマンドを発行します。
      svcinfo lsnode -delim : 
      システムによって、システム内で現在定義されているノードに関する情報が表示されます。
    2. lsnode コマンド出力から得た情報を表 1 に記録します。この情報によって、ノード、ノードが所属する入出力グループ、および iSCSI 情報が識別されます。
      ヒント: 取り替えるノードの 1 つがシステム構成ノード (config_node:yes) の場合、そのノードを最後に取り替えてください。
      表 1. 交換されるノードに関する構成情報
      lsnode コマンドの出力 lsnodevpd コマンドの出力
      id name WWNN IO_group_id IO_group_name config_node iscsi_name front_panel_id
                     
                     
                     
                     
    3. 交換するノードのフロント・パネル ID を確認します。この ID を使用して、ノードの物理的な位置を特定できます。 lsnodevpd コマンドを発行します。node_name or node_id はノードの名前または ID です。(交換するノードの物理的な位置が既に分かっている場合は、次のステップに進んでかまいません。)
      lsnodevpd node_name or node_id
      システムによって、そのノードに関する詳細情報が表示されます。
    4. 表 1front_panel_id 列に値を記録します。
  2. 交換するノードに対して従属関係を持つホストがないことを確認します。管理 GUI を使用することも、コマンドを発行することもできます。
    • 管理 GUIを使用する場合は、「モニター」 > 「システム」を選択します。ノードを右クリックし、「従属ボリュームの表示」を選択して、ノードに従属するすべてのボリュームを表示します。
    • lsdependentvdisks コマンドを使用して従属ボリュームを表示する場合は、node パラメーターを指定します。node_name or node_id はノードの名前または ID です。
      lsdependentvdisks -node node_id_or_name
    1. 従属ボリュームが存在する場合、そのボリュームが使用中かどうかを調べます。 ボリュームが使用中の場合は、冗長構成を復元するか、ホスト・アプリケーションを中断するかのいずれかを行います。
    2. 従属関係のあるクォーラム・ディスクがレポートされる場合は、クォーラム・ディスクへのアクセスを修復するか、またはクォーラム・ディスク構成を変更します。
  3. lsservicestatus コマンドを発行して、取り替えるノードの FC ポートに関する情報を表示します。
    sainfo lsservicestatus
  4. 各ポートの fc_io_port_id および fc_io_port_WWPN表 2 に記録します。この情報は、新規ノードを追加するときにポート・マッピングを確認するために必要になります。
    表 2. 交換されるノードの FC ポートに関する情報
    lsservicestatus コマンドの出力
    fc_io_port_id fc_io_port_WWPN
       
       
       
       
  5. システムでイーサネット・ポート IP アドレスが構成されている場合は、lsportip コマンドを入力して現行設定を表示し、交換用のノードにその設定を適用できるようにします。
    lsportip -delim : 
    システムによって、指定されたノードで定義されているイーサネット・ポートに関する情報が表示されます。
  6. 交換するノード上のイーサネット・ポートに関する情報を表 3 に記録します。
    表 3. 交換されるノードのイーサネット・ポートに関する情報
    lsportip コマンドの出力
    node_id node_name IP_address subnet_mask IP_address_6 prefix gateway_port_id
                 
                 
                 
                 

システムからのノードの取り外し

  1. ノードの背面からファイバー・チャネル・ケーブルまたはイーサネット・ケーブルを取り外す前に、ノードのポート番号の付いたケーブルの順序を記録し、マークを付けてください。 交換用ノードがシステムに追加されるときの問題を避けるために、ケーブルを正確な順序で交換用ノードに再接続する必要があります。ケーブルが同じ順序で接続されない場合、ポート ID が変わる可能性があります。ポート ID が変わると、ホスト・システムがボリュームにアクセスできなくなる可能性があります。ポートの番号付けを調べるには、ご使用のモデルに固有のハードウェア資料を参照してください。
  2. 交換用ノードを、このスイッチまたは別のスイッチの異なるポートに接続しないでください。
  3. ノードに 10 Gbps イーサネット IP アドレスが構成されている場合は、rmportip コマンドを使用して、これらの設定を削除します。必ず、現行の設定値をメモしてください。
    rmportip -node node_ID_or_name port_ID
  4. rmnode コマンドを実行して、システムおよび入出力グループからこのノードを削除します。node_ID_or_name は、削除するノードを識別します。
    rmnode node_ID_or_name
  5. lsnode コマンドを入力して、ノードがシステムのメンバーでなくなっていることを確認します。
    lsnode
    システムによってノードのリストが表示されます。次のステップに進む前に、取り外したノードがコマンド出力にリストされていないことを確認します。
  6. オプション: 取り外したノードを予備ノードとして使用する場合は、削除した各ノードの WWNN と iSCSI 名1FFFF に変更します。
    • SAN ボリューム・コントローラー 2145-CG8 ノードまたは SAN ボリューム・コントローラー 2145-CF8 ノードの場合。
      1. ノードの電源をオンにします。「クラスター」パネル表示で、「アクション」オプションが表示されるまで、上移動または下移動ボタンを押します。
      2. 「選択」ボタンを押して放します。
      3. WWNN の変更?」まで、上移動または下移動ボタンを押します。
      4. 「選択」を押して放し、現行の WWNN を表示します。
      5. 「選択」を押して放し、編集モードに切り替えます。「WWNN の編集?」パネルが表示されます。
      6. WWNN を 1FFFF に変更します。
      7. 「選択」を押して放し、編集モードを終了します。
      8. 「右」ボタンを押し、選択を確認します。「WWNN の確認?」パネルが表示されます。
      9. 確認のために「選択」を押して放します。
    • 2145-DH8 ノードまたは 2145-SV1 ノードの場合
      1. ノードの電源をオンにします。
      2. 次の chvpd コマンドを発行します。
        satask chvpd -wwnn FFFFFFFFFFFFFFFF

交換用の 2145-SV1 ノードを準備する

  1. 交換用のノードをラックに取り付けます。詳しくは、SAN ボリューム・コントローラー 2145-SV1・ハードウェアの取り付けを参照してください。
    重要: このステップでは、ファイバー・チャネル・ケーブルまたはイーサネット・ケーブルを接続しないでください。
  2. 交換用ノードの電源をオンにします。
  3. 次のコマンドを入力して、交換用の 2145-SV1 ノードの WWNN を見つけます。この名前は、別の 2145-SV1 ノードで再使用できます。
    sainfo lsservicestatus
  4. 取り替えているノードで定義されている FC ポートごとに、新規の 2145-SV1 ノードでハードウェア位置を割り当てます。そのためには、ファイバー・チャネル・ポート・マッピングの設定: 2145-SV1で記録したポート・マッピング情報に該当する chvpd コマンドを入力します。
    satask chvpd -wwnn wwnn -fcportmap AB-CD,AB-CD,AB-CD,AB-CD 
    注: 新規ノードをシステムに追加する前に、ポート・マッピングを作成しておく必要があります。
    コマンドが完了すると、システムは交換用の 2145-SV1 ノードで新しいポート・マッピングを作成します。その後、ノードがリブートし、新しい設定が適用されます。
  5. lsnodecandidate コマンドを入力して、WWNN の最後の 5 文字が正しいことを確認してください。
    satask lsnodecandidate
  6. lsservicestatus コマンドを入力して、2145-SV1 ノードの fc_io_port_id および fc_io_port_WWPN が元のノードの lsservicestatus 出力で記録した値と一致していることを確認します。
    sainfo lsservicestatus
    1. 相違がある場合は、ファイバー・チャネル・ポート・マッピングの設定: 2145-SV1を確認し、必要に応じてマッピングを修正します。
    2. 値が一致している場合は、ファイバー・チャネル・ケーブルまたはイーサネット・ケーブルをホスト・アダプターに接続します。
  7. 交換用の新しい 2145-SV1 ノードをシステムに追加します。 サービス・アシスタント・インターフェースを使用することも、addnode コマンドを入力することもできます。この場合、WWNNiogroup_name_or_id は元のノードに関して記録した値です。
    addnode -wwnodename WWNN -iogrp iogroup_name_or_id

    新規ノードが元のノードと同じ名前であり、元のノードと同じ入出力グループ内にあることを確認します。 ステップ 2.b表 1 に記録したデータを参照してください。

    システムは、交換されたノードで元々使用されていた名前を 2145-SV1 ノードに再割り当てします。 ノードの元の名前が SAN ボリューム・コントローラーによって自動的に割り当てられた場合は、その名前を再利用できません。 その名前の先頭が node である場合、自動的に割り当てられています。 この場合は、先頭が node でない別の名前を指定するか、または SAN ボリューム・コントローラーが新しい名前をノードに自動的に割り当てるようにするために、name パラメーターを使用しないでください。

    重要: クラスター内の他のすべてのノードがレベル 7.7.1 のシステム・ソフトウェアを実行していることを確認します。 そうでないと、交換用の 2145-SV1 ノードが認識されません。 詳しくは、システムの更新を参照してください。
  8. 交換されたノードで前にイーサネット IP アドレスが構成されていた場合、新規ノードでイーサネット・ポートを構成してそれらの設定を再利用してください。 イーサネット・ポート IP アドレスは、管理 GUIまたは cfgportip コマンドを使用して構成できます。ステップ 7表 3 に記録した適切な値を指定します。
    • IPv4 IP アドレスの場合
      cfgportip -node node_name_or_ID -ip IPv4_addr
      -mask subnet_mask -gw gateway port ID
    • IPv6 IP アドレスの場合
      cfgportip -node node_name_or_ID -ip_6 IPv6_addr
      -prefix_6 prefix -gw_6 gateway port ID
    重要:
    1. 入出力グループの両方のノードがデータをキャッシュに入れます。ただし、キャッシュ・サイズは非対称です。入出力グループ内のパートナー・ノードのキャッシュ・サイズにより交換ノードは制限されます。したがって、入出力グループの他方のノードを交換するまでは、交換ノードは全キャッシュ・サイズを使用しない可能性があります。
    2. 交換ノードは、前のノードと同じ WWNN および WWPN を使用するため、ホスト・マルチパス・デバイス・ドライバーを再構成する必要はありません。マルチパス・デバイス・ドライバーは、交換ノードに使用可能なパスのリカバリーを検出します。
    3. ホスト・マルチパス・デバイス・ドライバーがパスを回復するのに、約 30 分かかります。入出力グループ内の最初のノードを正常に更新してから少なくとも 30 分間は、入出力グループ内のもう一方のノードを更新しないでください。別の入出力グループ内の他のノードを更新する必要がある場合、この待機中にそれらの更新を行うことができます。
    4. すべてのホストのファイバー・チャネル・デバイス・ドライバーが 3 秒以内にファイバー・チャネル・パスをタイムアウトにするよう設定されていることを確認できなかった場合は、ノードが再度アクティブになったときにファイバー・パスが確実にアクティブになるように、ここで、新しい 2145-SV1 ノードをリブートするのが最適です。
  9. 重要 次のステップに進む前に、各ホスト上のパスに照会して交換用ノードへのすべてのパスがアクティブであることを確認するよう、ホスト管理者に依頼してください。 IBM System Storage® マルチパス・サブシステム・デバイス・ドライバー (SDD) を使用する場合は、datapath query device コマンドを発行してパスを照会してください。パスを照会する方法については、マルチパス・デバイス・ドライバーに付属の資料に記載されています。予想されるパスがアクティブでない場合は、マルチパス・ドライバーに、強制的にパスを再スキャンさせてください。
  10. この入出力グループの内部ストレージ用の MDisk を含むものと同じストレージ・プール (MDisk グループ) 内に、その入出力グループの内部ディスクからマイグレーションされるすべてのボリュームのデータを保持するための適切なストレージ・アレイ (MDisk) を、拡張エンクロージャー内のフラッシュ・ドライブを使用して作成します。 これを行うには、mkarray または mkdistributedarray コマンドを入力します。
  11. 内部ドライブ用の MDisk を除去するには、次の rmmdisk コマンドを入力します。
    rmmdisk -mdisk mdisk_list -force mdisk_group_id_or_name 
  12. lsmigrate コマンドを入力して、アクティブなマイグレーションの進行状況を確認してください。
    svcinfo lsmigrate
    注: このコマンド処理は、実際のデータ・マイグレーションが完了する前に、非同期的に完了したように見える場合があります。
  13. lsdrive コマンドを入力して、古いノード内のフラッシュ・ドライブが member 状態にないことを確認します。
  14. 元のドライブの使用を unused に変更して、システム構成から除去します。
  15. 交換するノードごとにステップ 2 から 27 を繰り返します。