マイグレーション・シナリオ 2: システムに子プールが存在していない

このシナリオでは、子プールがシステムに存在しないため、既存の親プールから作成し、所有権グループに割り当てる必要があります。ボリューム・ミラーリングを使用して、新規子プール内のボリュームのコピーを作成できます。ボリューム・コピーは、子プールに割り当てられた所有権グループを継承します。

以下の図に、システムに子プールが存在していない構成と、所有権グループを割り当てるプロセスを示します。最初の図は、所有権グループが割り当てられる前の現行の構成を示しています。
図 1. 例: システムで子プールが構成されていない
例: システムで子プールが構成されていない

この例では、最初の図は、それぞれに 2 つのボリュームが含まれる 2 つの親プールを備えたシステムを示しています。2 つのボリューム (vol0vol2) は親プール (pool0) を使用していて、他の 2 つのボリューム (vol1vol3) はもう 1 つの親プール (pool1) を使用しています。ボリューム (vol0) は、ホストにマップされており、pool1 内の vol0 との FlashCopy マッピングのソース・ボリュームになっています。この場合、vol0 および vol1 と関連リソースへのアクセスを制限できます。

2 番目の図は、この環境で所有権グループを使用するために必要なステップを示しています。まず、2 つの子プールは親プールから作成されています。子プールが作成された後、新しい子プールに各ボリュームのミラーリングされたコピーが作成されます。ボリューム・コピーが対応する子プール内に作成された後、子プールは所有権グループに割り当てられ、それらの子プールのボリュームはその所有権グループを継承します。プールの元のコピーを親プールから削除できます。ホストやホスト・クラスターなど、さらに多くのリソースを所有権グループに追加できます。手順の最後の図は、新しい構成を示しています。

管理 GUI を使用する場合

子プールがないシステム上の所有権グループをマイグレーションするには、以下のタスクを実行します。
  1. 既存の親プールから子プールを作成します。
    1. 管理 GUI で、「プール」 > 「プール」を選択します。
    2. 「プール」ページで、子プールの作成元にするプールを右クリックして、「子プールの作成」を選択します。
    3. 所有権グループを使用するすべてのプールについて上記のステップを繰り返します。この例では、両方の親プール (pool0pool1) から別々の子プールが作成されています。
  2. 親プールから子プールにボリュームをマイグレーションします。
    1. 管理 GUI で、「ボリューム」 > 「プール別のボリューム」を選択します。
    2. 子プールの作成元の親プールを選択して、ボリュームを右クリックし、「ボリューム・コピーの追加」を選択します。
    3. 「ボリューム・コピーの追加」ページで、ボリュームのコピー先にする子プールを選択して、「追加」をクリックします。
    4. 必要に応じて、親プールから元のコピーを削除します。
    5. 各ボリュームについて、ステップ 2.b からステップ 2.c を繰り返します。
    注: このプロセスでは、ボリューム・ミラーリングを使用して、子プール内で既存ボリュームのコピーを作成します。「別のプールへのボリュームのマイグレーション」アクションを使用することもできます。
  3. 所有権グループを作成して、子プールを割り当てます。
    1. 管理 GUI で、「アクセス」 > 「所有権グループ」を選択します。
    2. 「所有権グループとは?」ページで、所有権グループの名前を入力して、「所有権グループの作成」を選択します。
    3. 「所有権グループの作成」ページで、「子プール」を展開して、「割り当て」を選択します。
    4. 「子プールの割り当て」ページで、所有権グループに追加する子プールを選択して、「割り当て」をクリックします。
    5. システムがその子プール内のボリュームの従属リソースを検出した場合、管理 GUI に「追加するリソース」ページが表示されます。このページには、所有権グループを継承するボリュームへのマッピングがあるホストまたはホスト・クラスターがリストされます。例えば、上記の図では、子 pool0 が所有権グループに追加され、vol0子 pool0 の所有権グループを自動的に継承します。ただし、vol0ホスト との間のホスト・マッピングは、ホストにも依存しているため、vol0 から所有権グループを継承しません。「追加するリソース」で、所有権グループに追加するホストまたはホスト・クラスターを選択します。「続行」をクリックします。
    6. 「所有権グループ」ページで、子プールが新しい所有権グループに割り当てられていることを確認します。
    7. 他のすべての子プールについて、ステップ 3.c からステップ 3.f を繰り返します。
    8. 所有権グループをすべての子プールに割り当てたら、所有権グループの所有者であるユーザーを含むユーザー・グループを作成します。「アクセス」 > 「ユーザー」を選択して、「ユーザー・グループの作成」をクリックします。
    9. 「ユーザー・グループの作成」ページで、以下の情報を入力します。
      名前
      ユーザー・グループの名前を入力します。
      役割
      該当のユーザー・グループに属しているすべてのユーザーの役割を選択します。所有権グループに割り当てられているユーザー・グループは、「セキュリティー管理者」役割を使用できません。
      所有権グループ
      以前に作成した所有権グループを選択し、それを、このユーザー・グループに割り当てます。
    10. 「アクセス」 > 「ユーザー」ページで、既存のユーザーを選択するか、ユーザー・グループに割り当てる新規ユーザーを作成します。それらのユーザーは、そのユーザー・グループに割り当てられた所有権グループを自動的に継承します。これで、それらのユーザーは、この所有権グループに割り当てられた子プール内の容量を使用して、この所有権グループ内でホストやボリュームなどのオブジェクトの作成を開始できます。

コマンド・ライン・インターフェースの使用

オブジェクトを所有権グループに割り当てるには、以下のステップを実行します
  1. 子プールを作成するために、次のコマンドを入力します。
    mkmdiskgrp -size 100 -unit tb -parentmdiskgrp <name>
    ここで、<name> は、子プールに容量を提供する親プールの名前です。
  2. 所有権グループを作成するには、次のコマンドを入力します。
    mkownershipgroup -name <name>
    ここで、<name> は作成する所有権グループの名前です。
  3. 子プールを新規所有権グループに割り当てるには、次のコマンドを入力します。
    chmdiskgrp -name <name> -ownershipgroup <owner_name> 
    ここで、<name> は子プールの名前で、<owner_name> は新規所有権グループの名前です。
  4. 親プール内にあったボリュームを新しい子プールにコピーするには、次のコマンドを入力します。
    addvolumecopy -pool <storage_pool_name> <volume_name>
    ここで、<storage_pool_name> は、子プールの名前です。<volume_name> パラメーターは、コピーを作成するボリュームの名前です。
    注: このプロセスでは、ボリューム・ミラーリングを使用して、子プール内の既存のボリュームのコピーが作成されます。また、migratevdisk コマンドを使用してボリュームを新しい子プールにマイグレーションすることもできます。
  5. 所有権グループをすべての子プールに割り当てたら、所有権グループの所有者であるユーザーを含むユーザー・グループを作成します。ユーザー・グループを作成するには、次のコマンドを入力します。
    mkusergrp -name <group_name> -role administator -ownershipgroup <owner_name>
    ここで、<group_name> はユーザー・グループの名前で、<owner_name> は新規所有権グループの名前です。所有権グループに割り当てられたユーザー・グループは、SecurityAdmin 役割を使用できません。
    注: このユーザー・グループに -remote yes を指定してください。この値は、所有権グループでサポートされない LDAP を使用したリモート認証を有効にするものです。
  6. mkuser コマンドを使用してユーザー・グループに新規ユーザーを作成するか、または chuser コマンドを使用して既存のユーザーをユーザー・グループに割り当てます。ユーザーは、そのユーザー・グループに割り当てられた所有権グループを継承します。これで、それらのユーザーは、この所有権グループに割り当てられた子プール内の容量を使用して、この所有権グループ内でホストやボリュームなどのオブジェクトの作成を開始できます。