使用可能な容量のモニタリング

システムでは、ホストのワークロードに十分なストレージを確保できるように、使用可能な容量をモニターする複数の方法をサポートしています。

システム・レベル容量のモニター

「ダッシュボード」「容量」セクションには、システム容量の全体ビューが示されます。このセクションには、使用可能な容量、プロビジョンされた容量、および容量節約量が表示されます。

使用可能な容量は、システム上のすべてのストレージの合計容量を示します。使用可能な容量には、システムが仮想化してプールに割り当てることができるすべてのストレージが含まれます。使用可能な容量は、棒グラフで表示され、「保管済み容量」「使用可能な容量」、および「合計」の 3 つのカテゴリーに分類されます。

コマンド・ライン・インターフェースを使用してシステム上での使用可能な容量を判別する場合は、保管済み容量、使用可能容量、および合計容量を計算するために、lssystem コマンドのいくつかのパラメーター値が使用されます。保管済み容量は、total_mdisk_capacitytotal_free_spacetotal_reclaimable_capacity の値を使用して、以下の数式で計算されます。
  • 保管済み容量の合計 = total_mdisk_capacity - total_free_space - total_reclaimable_capacity
使用可能な容量は、total_free_space および total_reclaimable_capacity の値を使用して、以下の数式で計算されます。
  • 使用可能な容量の合計 = total_free_space + total_reclaimable_capacity
lssystem コマンドの total_mdisk_capacity の値は、システム上の使用可能な容量の合計を示します。

外部ストレージ・システム、プール、および MDisk のレベルの容量のモニター

システムは、システムに接続されている外部ストレージ・システム上の容量の仮想化をサポートします。 外部ストレージ・システムについては、管理者は、外部ストレージ・システム上の使用可能な容量が定義済みのしきい値に達した場合にシステムに通知するスペース不足アラートを構成する必要があります。外部ストレージ・システムにこれらのしきい値が定義されていないと、これらのシステム上の外部ストレージはオーバープロビジョンされることになる可能性があり、ホスト操作に使用される使用可能な容量が不足するリスクが生じます。オーバープロビジョンされた外部ストレージとは、システムまたはプール内のすべてのボリュームのプロビジョン済み容量の合計が、外部ストレージ・システムから割り振られたシステムまたはプールの使用可能な容量の合計を上回っている状態です。システムは、オーバー・プロビジョンされる可能性がある外部ストレージを検出して、「ダッシュボード」ページに警告を表示します。この警告が表示された場合は、「オーバー・プロビジョンされた外部ストレージ」を選択して、これらのオーバー・プロビジョンのシナリオに近づいているストレージが含まれているプールを表示します。プール内で外部ストレージがどのように構成されているかに応じて、さまざまな戦略およびベスト・プラクティスを使用することで、使用可能な容量を十分に確保したり、システムに正確に報告したりすることができます。
構成シナリオ 1: 1 つのプールに、1 つの外部ストレージ・システムからのストレージが含まれている
この構成では、ストレージ管理者は、データが外部ストレージ・システムに直接書き込まれる場合と同様の容量不足の懸念を抱えることになります。ストレージ管理者は、外部ストレージに関するスペース不足アラートをセットアップして、入出力操作が使用可能な容量を超えないように使用量をモニターする必要があります。 これらのしきい値に関する具体的なガイドラインについては、外部ストレージ・システムの資料を参照してください。 スペース不足状態が発生した場合は、データまたはボリュームを削除することで使用可能な容量を解放する必要があります。
構成シナリオ 2: 複数のプールに、複数の外部ストレージ・システムに由来する単一 Tier のストレージが含まれている
この構成では、複数のプールが、複数の外部ストレージ・システムにまたがる同じタイプのストレージ (Tier) を使用します。 異なる外部ストレージ・システムの容量を複数のプール間で共有する場合、プロビジョニング・グループが作成されます。 プロビジョニング・グループは、ストレージが複数のプールで共有されているかどうかを識別するオブジェクトです。 管理 GUI の「プール別の MDisk」ページには、すべてのプールとその割り当て済み MDisk が表示されます。 外部ストレージ・システムが複数のプールで共有されているかどうかが明確でない場合は、プールを右クリックし、「リソースの表示」を選択して、そのプールに関連付けられたプロビジョニング・グループを表示します。この構成では、システムはプロビジョニング・グループ内のすべての外部ストレージにわたってエクステント割り振りを分散させることで、すべての外部ストレージ・システム間でスペースが均等に使用されるようにします。ただし、プロビジョニング・グループ内の外部ストレージ・システム上の使用可能な容量は、オーバープロビジョンになる可能性がまだあります。そのため、ストレージ管理者は、スペース不足アラートを構成し、使用可能な容量をモニターしてシステムで容量がどのように使用されているかを判別する必要があります。外部ストレージ上の仮想化された MDisk でスペース不足警告が発生し、プール内の他の外部ストレージ・システム上の使用可能な容量を使用できる場合は、使用可能な容量が妥当な制限内に収まるまで、これらの MDisk の一部をプールから除去することができます。このプロセスは、データをプール内の他の MDisk にマイグレーションします。この操作中に、プール内の他の外部ストレージ・システムでスペースが不足しないように使用可能な容量が十分にあることを確認してください。
構成シナリオ 3: 複数のプールに、複数の外部ストレージ・システムに由来する異なる Tier のストレージが含まれている
この構成では、異なる Tier のストレージが、プール内の外部ストレージ・システムに存在します。 上記の構成と同様に、プール内で共有されている外部ストレージを識別するために、プロビジョニング・グループが作成されます。ただし、このケースでは、システムは、複数のプロビジョニング・グループにわたってエクステントを分散させるのではなく、最上位 Tier に使用可能な容量全体を割り振ろうとします。ストレージ管理者は、これらの最上位 Tier のストレージ内の使用可能な容量をモニターして、ワークロードに十分なスペースを確保する必要があります。外部ストレージ上の仮想化された MDisk でスペース不足警告が発生し、プール内の他の外部ストレージ・システム上の使用可能な容量を使用できる場合は、使用可能な容量が妥当な制限内に収まるまで、これらの MDisk の一部をプールから除去することができます。このプロセスでは、データをプール内の他の MDisk に移動します。この操作中に、プール内の他の外部ストレージ・システムでスペースが不足しないように使用可能な容量が十分にあることを確認してください。
構成シナリオ 4: データ削減プール
データ削減プール (圧縮などのデータ削減テクノロジーを使用) をサポートするシステムは、これらのタイプのプールを構成して、外部ストレージ・システムでの過剰割り振りを最小化することができます。 データ削減プールは、ホスト・マップ解除操作やボリュームの削除によって生じた未使用の容量をレクラメーション処理する機能もサポートします。 管理 GUI で、「プール」 > 「プール別の MDisk」を選択すると、システムで構成されているすべてのプールが表示されます。 データ削減プールは、「データ削減」「はい」に設定されて表示されます。 スペースを使い尽くす可能性のある外部ストレージを仮想化するデータ削減プールを使用している場合、これらのプールにボリュームを作成する際には必ず圧縮を有効にしてください。書き込まれるデータのサイズをこれ以上減らすことはできないため、外部ストレージ・システムは、使用可能な容量のみをシステムに提示するように構成する必要があります。
ストレージ計画を支援するために、表 1にシステムが圧縮アレイ用に生成する可能性があるスペース不足警告をリストします。エラー 1246 は、Easy Tier® プールやデータ削減プールでは発生しません。
表 1. 圧縮アレイでのスペース不足警告のパーセンテージ
状態 イベント ID エラー・コード 使用可能な容量の使用率
圧縮アレイで使用可能な容量が不足しています。 020009 1246 使用率 90%
クリティカル・レベルの圧縮アレイで使用可能な容量が不足しています。 020010 1246 96%
圧縮アレイで 1% の使用可能な容量が残っています。 020011 1242 99%
圧縮アレイで使用可能な容量がなくなりました。 020012 1241 100%

システム構成で特定のストレージ・システムが個々のプールの専用になっている場合、プールの使用可能な容量を分析することで、より多くの使用可能な容量が必要かどうかを判別できます。「プール」ページで、プール内の各 MDisk を調べて容量を確認し、「ストレージ・システム - LUN」の値を使用して、MDisk にスペースを提供する外部ストレージ・システムを特定します。