安全なデータ削除

SAN ボリューム・コントローラー 2147-SV1 または 2147-SV2 コントロール・エンクロージャーを廃棄する場合、ドライブやブート・ドライブのデータを安全に消去する方式をシステムが提供します。

安全なデータ削除 は、データ・ストレージ・デバイスの既存のデータのすべての痕跡を効率的に消去または上書きします。そのデバイスの元のデータはアクセス不能になり再構成することはできません。個々のドライブおよびコントロール・エンクロージャーのブート・ドライブのデータを安全に削除することができます。安全にデータを削除するための方式とコマンドにより、システムをヨーロッパの規制 EU2019/424 に準拠して使用することができます。

SAS ドライブからのデータの削除

chdrive -task erase drive_id コマンドを使用すると、SAS ソリッド・ステート・ドライブ (SSD) ドライブまたは SAS ハード・ディスク (HDD) ドライブから安全にデータを削除できます。ドライブがアレイのアクティブ・メンバーである場合、ドライブが自動管理モードの場合、またはファームウェアのアップグレードがドライブまたはエンクロージャーで進行中の場合にはコマンドが失敗します。 また、コマンド・プロセスが完了しなかったか失敗した場合は、ドライブのデータにアクセスできません。chdrive -task erase コマンドの再度入力のみが可能です。

データ削除タスクの状況と推定完了時刻を確認するには、lsdriveprogress コマンドを使用します。データ削除プロセス中、ドライブのアクティビティー LED インディケーターは緑色で明滅します。プロセスが完了すると、ドライブのアクティビティー LED インディケーターは緑色に点灯します。

注: データ削除プロセスが完了するまで、エンクロージャーの電源をオフにしたり、ドライブを取り外したりしないでください。 そのようにしないと、lsdriveprogress コマンドを発行しても進捗状況が表示されず、ドライブはオフラインのままになります。ドライブがオフラインになった場合、ドライブのアクティビティー LED インディケーターが緑色に点灯するまで待機してから、ドライブの使用または削除を再試行してください。
表 1 では、ドライブから安全にデータを削除する際にシステムが使用する方式を比較します。方式は、各タイプのドライブがサポートするコマンドに応じて異なります。削除手順の完了時刻も、データの量やデータ削除に使用する方法によって異なります。いずれの場合も、操作が完了するとドライブのデータが事実上アクセス不能になります。
表 1. ドライブから安全にデータを削除する方式の比較
優先順位 削除タイプ メソッド 完了時刻
1 暗号消去 暗号鍵を変更し、データをアクセス不能にします。 即時
2 ブロック消去 ストレージ・エレメントの電圧レベルを素早く上げ下げします。物理ブロックがベンダー固有の値で変更されます。 高速
3 データ上書き 既存のデータをランダムなデータと置き換えます。 低速

安全にデータを削除する方式は、メーカー、ドライブ・タイプ、およびドライブ・ファームウェアによって異なります。詳しくは、ドライブの製造メーカーが提供する資料を参照してください。

ドライブが複数のデータ削除方式をサポートしている場合、システムは優先度が最も高い方式を採用します。以下の例について考えます。
  • SAS ソリッド・ステート・ドライブ (SSD) がすべての方式をサポートしている場合、データ削除には暗号消去が使用されます。
  • SAS SSD がブロック消去とデータ上書きをサポートしている場合、データ削除にはブロック消去方式が使用されます。
  • SAS ハード・ディスク・ドライブ (HDD) が暗号消去とデータ上書きをサポートしている場合、データ削除には暗号消去が使用されます。

システムでサポートされるドライブについては、SAN ボリューム・コントローラー 2145-SV1 部品を参照してください。

NVMe ドライブからのデータの削除

NVM Express (NVMe) ドライブからデータを削除するために、chdrive -task erase コマンドを使用することはできません。コマンドは失敗して、「サポートされていないコマンド」というエラー・メッセージを受け取ります。ただし、代わりに chdrive -task format drive _id コマンドを使用することにより、NVMe ドライブから安全にデータを削除できます。

chdrive -task format を発行すると、システムは、NVMe ドライブの内部キーを変更して、ユーザー・データを消去します。ドライブ内のすべての既存データは読み取り不能になります。

NVMe ドライブが暗号化プールに追加される前に、ドライブは新しいキーで暗号化されます。 フォーマットのプロセス中に暗号鍵が削除されるため、NVMe ドライブ上のデータは読み取れなくなります。

ブート・ドライブからのデータの削除

コントロール・エンクロージャーのブート・ドライブのデータも安全に削除することができます。そのためには、satask rescuenode -secureerase -force コマンドを使用します。システムはブロック消去方式を使用してブート・ドライブから重要プロダクト・データ (VPD) の大部分を削除します。シリアル番号、 FRU 部品番号、MTM 情報のみが VPD に残ります。

注: コントロール・エンクロージャーのどちらのブート・ドライブのデータも削除されるので、プロセスには時間がかかる場合があります。